海外の大学進学に必要なテストとは?主要テストと各国の事情を解説

進学に必要な主なテスト

海外の大学に進学し、学士号を取得したいという人にとって、避けて通れないのが、英語で行われる授業に耐えられる英語能力です。どれだけ進学への思いが強くても、英語力が一定レベルに達していないと、入学の夢は叶いません。

世界各国の大学では、入学希望の留学生に対し英語能力を測る指標として、英語テストのスコアの提出を求めています。そしてどの英語テストを採用しているかは、各国によって違いがあります。

英語テストにはそれぞれ特徴があり、重視する能力に違いがあります。どのような出題科目があるのか事前に把握して、できるだけ早く準備することが、高得点への近道!

ここでは、世界の主要英語テストを5つ紹介します。

TOEFL

TOEFL(英語: Test of English as a Foreign Language = 「外国語としての英語のテスト」、トーフル)は、非英語圏の出身者(英語が第1言語ではない人)を対象に行われる英語能力を検定するテストで、アメリカ合衆国のNPOである教育試験サービス 「Educational Testing Service(ETS)」が主催しています。

英語圏の大学への正規入学を始め、一時留学・研究を希望する者を主な対象としたテストであり、英語による高等教育に適応する能力を有しているかの判定が目的です。実施が始まったのは1964年。日本ではCIEE Japan(一般社団法人 CIEE国際教育交換協議会)が試験実施の窓口となって運営しています。

現在の試験方式「iBT」(アイビーティー、Internet-Based Testing、TOEFL iBT)は、2005年9月に米国で導入され、日本では2006年7月から運用がスタート。リーディング(Reading)、リスニング(Listening)、スピーキング(Speaking)、ライティング(Writing)の4部から構成されており、これらコミュニケーションに必要な4技能を総合的に、かつ高い精度・公平性をもって測定され、結果は、0-120点のスコアで判定されます。

TOEIC

就活や転職時にTOEICスコアが役に立つとされ、実際に選考基準のひとつにしている企業は数多くあります。TOEICは、正式には「国際コミュニケーション英語能力テスト(こくさいコミュニケーションえいごのうりょくテスト、英語: Test of English for International Communication)」といい、英語を母国語でない人を対象とした、英語によるコミュニケーション能力を検定するためのテストです。

実はなんとTOEFLと同じく、アメリカ合衆国のNPOである教育試験サービス 「Educational Testing Service(ETS)」が主催していて、試験の開発、運営、試験結果の評価を行っています。

TOEICには、大きく「TOEICテスト」と「TOEIC Bridge」の2つに分かれ、さらに「TOEICテスト」の中の「TOEIC Listening & Reading Test」が、一般的に「TOEIC」と称されているテストです。

「TOEIC Listening & Reading Test」はマークシート方式で、990点満点(Reading495点満点、Listening495点満点)になっています。年間約250万人が受験するとされ、全国80都市で1年に10回実施されています。

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ケンブリッジ英語力検定試験(英検)

世界最高水準の教育を行っているイギリス・ケンブリッジ大学が統括しているテスト。本国イギリスにとどまらず、オーストラリア、カナダなど多くの国の大学で入学基準として採用され、様々な教育機関や企業に認められる信頼性の高い国際レベルの英語検定試験です。

日本ではまだあまり知られてはいないのですが、ケンブリッジ英検は、世界約150ヶ国以上で実施されています。幅広い試験範囲で総合的な英語能力が測られるので、大学など教育機関への留学や、海外への就職、転職を目指している人にとっては、英語レベルを客観的に評価してもらえる有効な試験です。

ケンブリッジ英語検定は、基礎、初級、中級、上級、最上級の5レベルに分かれています。 基礎レベルはTOEICで約520点、最上級レベルはTOEICで約990点に相当するとされています。どのレベルも、リスニング&グラマー、リーディング、ライティング、スピーキングの4科目で構成されています。

IELTS

IELTSは世界的に認められた英語運用能力試験で、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのほぼすべての高等教育機関で認められているほか、約120カ国の教育機関・国際機関・政府機関が採用し、年間140万人が受験しています。アメリカでも約3,000校の大学がIELTSを採用しています。

教育機関への進学希望者を対象にしたアカデミック・モジュールと、ビジネス移住者や移民を対象にしたジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類があり、いずれもリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのテストが実施されます。リスニング、リーディング、ライティングは筆記によるテスト、スピーキングはネイティブの試験官と1対1の面接形式です。

試験は1.0から9.0まで0.5刻みのバンドスコアで示されます。合格、不合格の区別はなく、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各パートごとにバンドスコアが振り分けられ、総合評価としてオーバーオール・バンドスコアが与えられるという仕組みです。

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PTE Academic

PTEAcademic(英: Pearson Test of English Academic)は、2009年10月に開始されコンピューターベースの新しい英語能力検定試験で、英語を母国語としない人の英語力を正確に測定することを目的に、海外の大学や高等教育機関等に進学を希望する人を対象にしていまる。日本、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、インド、香港、中国、台湾、韓国を含む44の地域で受験が可能です。

ロングマン現代英英辞典、イギリスのニュースペーパー紙「フィナンシャル・タイムズ」などを傘下に置いている、イギリス大手のメディア総合会社「ピアソン」が開発・運営。日本では、東京と大阪のテストセンターで受験が可能でき、受験料はUS$200(消費税込)。

試験は、Reading、Speaking、Listening、Writingの4技能を測定するほか、文法や語彙力、スペルなどの6つの語学スキルも判定。テスト結果は5営業日以内にオンラインで確認することが可能。なお、スコアの有効期限は2年間です。

各国のテスト採用事情

あなたが大学留学したい国は決まっていますか?いずれにしても、あなたがめざす国ではどのテストが入学の際に認められているかは、早めにチェックしておく必要があります。

ここでは、世界の大学留学先5ヶ国で入学資格として採用している英語テストをご紹介します。

テスト採用事情:アメリカ

アメリカの大学に留学するためには、TOEFLテストのスコアを志望する大学に提出することになります。IELTSなどを受け入れている大学もあります。ただし、英語能力を証明すればすんなり合格とはいきません。

アメリカには日本のように全国一斉に行う入学試験がなく、各大学や学部が入試を作成、実施することもありません。基本的には、書類審査によって一人ひとりの出願者をさまざまな観点から総合的に評価し合否判定をする仕組みです。またその基準も大学によって様々で、一定のガイドラインがあるわけではありません。

多くの大学では、「SAT」あるいは「ACT」と呼ばれる学力テストの提出が求められます。もちろんこれも英語によるテストです。このように、英語能力証明を含む様々な書類を提出する必要があるのです。

テスト採用事情:イギリス

イギリスの大学の入学条件としてはTOEFLが認められているところも多いですが、留学ビザの申請にはIELTSしか受け付けられないため、イギリス大学留学にはIELTSスコアを提出することが一般的と言えます。

高レベルな大学の授業についていくためにはIELTSで6.0程度、日本の高校卒業者が入学資格を得るためのファウンデーションコース(1年間の大学進学準備コース)でもIELTSで5.0程度は必要となります。大学進学を目指すなら、IELTSでのハイスコア獲得を早いうちから視野に入れた英語対策がポイントです。

ちなみにファウンデーションコースは、英語や大学で学ぶ専攻に応じた基礎知識、大学の授業についていくためのアカデミックスキルなどを学ぶもので、その入学基準は、それぞれの大学で希望する専攻分野等により様々です。

テスト採用事情:カナダ

カナダの4年制大学に入学するためには、TOEFLもしくはIELTSのスコアで判定されます。TOEFL iBTテストのスコアは最低でも80点以上、IELTSは6.5以上が合格ラインと言われています。

英語能力証明の他にも、高校の成績が合格基準以上であることが求められますが、カレッジ(日本でいう短大)への入学であれば英語能力証明だけで良いことがほとんどです。

テスト採用事情:オーストラリア

オーストラリアでは、大学、専門学校、大学院の入学にはそれぞれ、IELTSの点数が入学条件として設定されています。中にはケンブリッジ検定やTOEFLなどでも入学を認める学校もあります。

各大学や学部によって必要なIELTSのスコアを異なりますが、専門学校は5.0~5.5、大学は6.0、大学院が6.5くらいが目安と見ていいでしょう。

テスト採用事情:ニュージーランド

ニュージーランドの大学留学にはIELTSスコアが基準となっています。TOEFL、ケンブリッジ英検を認めている学校もあります。大学進学に必要なIELTSスコアは最低6.0~6.5です。また、専門学校に相当するポリテクニックなら、入学の最低基準はIELTS5.0~5.5、TOEFL500~550となっています。

また、高校卒業と同時にニュージーランドの大学に進学するために、多くの人はファウンデーションコースに入学してアカデミック英語を習得しています。

まとめ

いかがでしたか?受験可能な英語試験を見てきましたが、その中でもTOEFLもしくはIELTSが大学正規入学には必須の試験と言えそうです。

海外での大学生活という夢を実現するために、開けて通れないのが英語テスト。あなたに必要なテストを見極め、ハイスコア獲得に向けて頑張ってください!

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