英語留学前にTOEICは何点必要?目的別に
TOEICとは財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会によって提供される、990点満点のテストのことです。日本でTOEICは英語力の指標としてしばしば用いられています。留学前にどのくらいの英語力を身につけておくべきなのかが分からないという方は、TOEICの点数を参考にすることがおすすめです。
また留学の目的に応じて必要とされる目安のTOEICの点数は異なってきます。ここからは目的に応じた留学前に取っておきたいTOEICの点数を見ていきます。
TOEICの勉強法についてはコチラの記事を参考にしてください。
語学留学だけなら
語学留学に行く方に必要とされるだいたいのTOEICの目安点数は、450-550点です。この点数は日本人の英語水準と言われ、中学英語の基礎はある程度理解している状態です。
語学留学は名前の通り英語力の向上を目的とした留学なので、いきなり高いTOEICの点数を要求されることはありません。むしろ留学が始まってからどれだけ点数を向上させるかが勝負といったところです。
ビジネス英語を学ぶ場合は、状況が少し異なり、ある程度の英語レベルが求められます。通常中級以上の英語レベルが求められますので、何かしらその英語レベルの証明を提出しなければなりません。TOEICスコアだと500点台は必要とされます。
加えて語学留学では、TOEIC対策はもちろん、IELTSやTOEFLなどの各種英語試験対策も行っています。試験対策も通常中級以上の英語レベルが求められるのが一般的です。ただ学校によっては、より低いレベルの英語力でも受け入れてくれる学校もあったりします。TOEICスコアは同じく500点程度が必要とされます。
ワーホリなら
語学留学と違い、ワーホリに必要とされる目安の英語力つまりTOEICスコアは、働く業種により大きく異なってきます。業種によって英語を使う頻度や必要とされる英語のレベルが異なるからです。
レストランやカフェなど、常に人と英語でコミュニケーションを取ることが必要とされる業種では、TOEICは700点以上は必要とされています。ツアーガイドや日本食レストランなど、日本人とも接する機会の多い仕事では、600点台が必要とされています。クリーニングなど人とあまり関わることのない技術系の仕事では、400点台のスコアでもやっていくことができるとされています。
専門学校を目指すなら
専門学校で習うのは文字通り特定の分野における専門的な知識や技術です。そのため大学とは違い幅広い英語での知識が必要とされることはありません。しかし授業が英語で行われることに変わりはないので、ある程度の英語力は初めから必要とされます。目安の英語力は650点前後ですが、専門学校での授業についていくためにTOEICに加えて専門用語を事前に知っておくと良いでしょう。
大学進学を目指すなら
大学進学に必要とされるTOEICのスコアの目安は最低でも700点台です。まず覚えておきたいのが、大学進学のために提出する書類としてTOEICは受理されないということです。
TOEICではなく、TOEFLやIELTSが、英語力を測るための国際的な基準となっています。しかしTOEICを単なる英語力の指標の目安として考えるのであれば、TOEICの点数は参考にすることができます。また大学院留学を考えておられる方であれば、TOEICで900点以上を取れる英語力は最低条件となるでしょう。
海外現地就職を目指すなら
海外現地就職では、現地のネイティブスピーカーと対等な立場で英語でのコミュニケーションを取ることが要求されます。大きい企業になればなるほど要求されるレベルは高くなり、英語はできて当然、言い換えれば英語力が障害となるレベルでは論外ということになります。TOEICのスコアでは950点以上のスコアを取れるほどの英語力ではないと、現地就職してから働いていくのはとても難しいでしょう。
留学するとTOEICのスコアが向上する理由
実はこのTOEICですが、「留学するとTOEICスコアが伸びる」という話もあるのです。果たして本当なのでしょうか?本当に留学するとTOEICのスコアが伸ばせるのか、TOIECの難易度や留学で身につく具体的な英語の力とは何かという視点から、深掘りしていきたいと思います。
TOEICの問題は実は簡単!
留学するとTOEICのスコアが簡単に上がると言われています。それはなぜでしょうか?一つの理由はTOEICの性質にあります。
TOEICはそもそも英語を母国語としないノンネイティブが解くために作られたもので、特別や知識や教養を要求しないため、ネイティブであれば楽に満点を取ることができるレベルです。例えるならそれは日本人の大人が小・中学生向けの国語の問題を解くようなもので、満点は取れないまでもほとんどの人が容易に満点または満点に近いスコアを取ることができます。
またTOIECの目的は英語力を測ることであり、問題中に日常会話で使わない複雑な文法や難解な単語が出てくることはまずありません。さらにリスニングに関しても、英語がネイティブな人でも聞き取れかつ公正に英語力を測るために、アクセントの強くないはっきりとした英語が話されます。
対して留学中の日常生活での英語は、現地の特有のアクセントやより早口での英語やモゴモゴした不明瞭な英語が時々聞かれます。そのため留学先で聞いていた現地の英語に比べたら、TOEICのリスニングははっきり話されていて、簡単にわかる、と感じることができるのです。また留学中は英語を日常的に使う生活になるので、その日常会話のレベルでの英語問題であるTOEICは簡単に感じることができるとも言えます。
リスニングの力が格段に上がっている!
言ってしまうなら英語は留学せずとも日本でも勉強できるものです。だとすれば日本で英語を勉強することと海外で留学することでは英語の習得においてどんな差が出るのか。
1つは圧倒的なリスニング力の向上でしょう。当たり前ですがそこで目にするものも耳にするものも全て英語です。いわば強制的に英語を取り入れざるを得ない環境なのです。
そこでも特に日本での勉強と異なるのは、現地の生の英語のシャワーを浴びるということ。それは日本の学校教材のような画一化され、ゆっくりのスピードで、アクセントの強くないはっきりとした英語のような甘いものではありません。
また、聞き間違いしやすいような似た単語があったとしても、その時の状況によって明らかに違うと判断し、別の単語かもしれないと考え直す、などの「英語脳」を育てることができます。海外で生活していると、自然とこのような状況把握力、理解力、瞬発力を鍛えることができるのです。
日常会話ができればリーディングも大丈夫!
留学生活を通してTOEICのリーディングは思ったよりも難しいものではないということに気づくかたが多いです。留学中にはリーディングの課題が毎日のように出るかもしれません。それを毎日こなす生活をしていると、TOEICのリーディングは普段の宿題の一部またはそれより少ないものに思えてくるかもしれません。
また留学中英語で日常会話を取ろうと励むなら、その努力はリーディングにも役立ちます。TOEICの問題はあくまでも「英語でコミュニケーションがどのくらいはかれるか」を数値化しているものなので、留学中に英語でのコミュニケーションに積極的に励まれた方なら、帰国後に受けるとそんなに難しい問題でないことに気づくそうです。
実際にスコアが上がった人の体験例
ある方は留学中に現地の人と積極的にコミュニケーションを取ることを目標に1ヵ月間の英語留学を行いました。帰国後にもTOEICの試験を受けることが決まっていたため、リーディングの試験勉強も同時に力を入れていたそうです。この方が留学から帰ってきて受けたTOEICでもっともスコアが上がったのは、リスニングの点数だったそうです。現地の人とのコミュニケーションに取り組み続けたことにより、結果として様々な英語を聞く機会が多くなって、リスニング力の向上に繋がったそうです。このような経験は、現地に留学していたからこそできたスコアアップの方法ではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか?この記事を通して目的に応じた留学前に身につけておきたい英語力レベル及びTOEICの点数の目安を紹介しました。また英語留学の後にはTOEICのスコアが上がると言われていますがそれは何故なのでしょうかについても、実際にスコアが上がった方の経験と共に解説しました。この記事を参考にして貴重な海外留学の機会を最大限活用して、英語力とTOEICのスコア向上の両方の向上ができるようにしましょう!留学が決まっていない方でも、この記事を通して留学で得られる英語力に期待を持ちつつ留学計画を立ててみてください。
[kanren id=”340″]