海外旅行中や、外国人の多い地域で何かトラブルに巻き込まれたら……想像するだけで少し緊張しますね。そんな時、つい「Help!」と叫びたくなるかもしれません。しかし、実は「助けて」の一言だけでは、周りの人は何が起きているのか、どのように助ければいいのかがわかりません。このセクションでは、いざという時にパニックにならず、状況を確実に伝えるための「コミュニケーション戦略」を3つのステップでご紹介します。
緊急時のコミュニケーション戦略:パニックにならないための3ステップ
緊急時は誰でも焦って言葉が出なくなります。そのため、事前に「何をどう伝えるか」の流れを頭に入れておくことが最も重要です。以下の3ステップを順番に思い出し、一つずつ実行しましょう。これだけで、あなたのメッセージは格段に伝わりやすくなります。
「助けて」ではなく、何が起きているのかを一言の単語や短いフレーズで表現しましょう。これで相手は状況の大枠を瞬時に理解できます。
- 例:怪我をした場合 → “Injury!”(怪我です!)、 “I’m hurt!”(痛いです!)
- 例:病気の場合 → “Sick!”(気分が悪いです!)、 “I feel sick.”(気持ちが悪いです)
- 例:盗難にあった場合 → “Stolen!”(盗まれました!)、 “My bag is gone!”(カバンがありません!)
- 例:道に迷った場合 → “Lost!”(迷いました!)、 “I’m lost.”(道に迷っています)
次に、相手が助けるために必要な最も重要な情報を、短い文で伝えます。焦って長い説明を始めないことがコツです。
伝えるべきは「誰が」「どこで」「何が」の3要素!
- 誰が (Who): “My friend…”(私の友達が…)、 “I…”(私が…)
- どこで (Where): “at the station”(駅で)、 “in the park”(公園で)
- 何が (What): ステップ1で伝えた具体的な状況。例:”… fell down.”(…転んだ)、”… has a fever.”(…熱がある)
これらを組み合わせると、例えば「My friend fell down at the station.(私の友達が駅で転びました)」という、誰にでも理解できる明確な一文が完成します。
最初の2ステップで最低限の情報が伝われば、周りの人は動き始めてくれます。その後、落ち着いてから詳細を伝えましょう。言葉が出てこない時は、別の手段を使います。
- 身振り手振りを使う: 痛む場所を指さす、スマートフォンで地図や画像を見せるなど。
- メモや翻訳機能を活用する: 単語や文章を紙に書く、または一般的な翻訳アプリで文章を作成して見せる。
- 自分の英語力を伝えるフレーズを覚えておく: いきなり詳細を説明するより、先にこれを伝えると相手が配慮してくれます。
例: “I don’t speak English well. Please speak slowly.”(英語が上手くありません。ゆっくり話してください。)
焦って長く複雑な英語を話そうとする必要は全くありません。シンプルな単語と短い文で、核心を伝えることがすべてです。また、身振り手振りやメモは立派なコミュニケーションツールです。これらを恥ずかしがらずに積極的に使いましょう。
体調不良・急な病気:病院で確実に症状を伝える
前のセクションで学んだ「状況を確実に伝えるコミュニケーション戦略」は、体調が優れない時こそ真価を発揮します。海外で突然具合が悪くなった時、痛みや苦しさで言葉が出にくくなりますが、正しいフレーズを一つ知っているだけで、適切な医療を受けるまでの道のりが格段にスムーズになります。ここでは、救急時から診察、市販薬の購入まで、健康に関するトラブルを乗り切るための必須フレーズをご紹介します。
超緊急!救急車を呼ぶ・最も痛い場所を伝える
一刻を争うような状況では、短く明確なフレーズで助けを求めましょう。
- Call an ambulance, please.(救急車を呼んでください)
「救急車」という具体的な手段を指定し、周囲の人に行動を促す最も確実な表現です。「Please」を付けると丁寧な印象になります。 - I need a doctor.(医者が必要です)
救急車ではなく、近くの病院やクリニックで診てもらいたい時に使います。緊急性は「Call an ambulance」よりは低いですが、医療援助が必要であることを明確に伝えます。 - Help me, I’m in pain.(助けてください、痛いです)
「Help!」だけよりも、なぜ助けが必要なのか(痛み)を付け加えることで、周囲の理解と対応が早まります。
救急車を呼ぶ際は、落ち着いて「場所」と「自分の状態」を伝えることを心がけましょう。携帯電話からであれば、オペレーターが位置を特定してくれる場合もあります。
次に、どこがどのように痛いのかを具体的に伝えましょう。痛みの部位と性質を組み合わせるのがコツです。
| 痛みの部位 (Where) | 痛みの表現 (How) | 例文 |
|---|---|---|
| Head (頭) | Sharp pain (鋭い痛み) Throbbing pain (ズキズキする痛み) | I have a sharp pain in my head. (頭が鋭く痛みます。) |
| Stomach (胃/お腹) | Dull ache (鈍痛) Cramping pain (差し込むような痛み) | My stomach has a dull ache. (お腹がずんと重く痛みます。) |
| Chest (胸) | Tightness / Pressure (締め付けられる感じ/圧迫感) | I feel tightness in my chest. (胸が締め付けられる感じがします。) |
| Back / Throat (背中/喉) | Sore (ひりひりする/痛む) | I have a sore throat. (喉が痛みます。) |
「痛い」は単に「It hurts.」でも伝わりますが、「I have a pain in [部位].」 や 「My [部位] hurts.」 の形を使うと、より自然で具体的です。痛みの強さを伝えたい時は、「The pain is unbearable.」(耐えられない痛みです)や 「It’s getting worse.」(悪化しています)などのフレーズも覚えておきましょう。
病院や薬局で使える具体的な症状説明フレーズ
診察室や薬局のカウンターでは、症状をより詳細に説明する必要があります。以下のフレーズを組み合わせて使いましょう。
- 基本の症状を伝える
「I have a fever.」(熱があります)「I feel dizzy.」(めまいがします)「I’m nauseous.」(吐き気がします) - 持病やアレルギーを伝える(超重要!)
医療ミスを防ぐために、必ず伝えなければならない情報です。- I have a history of asthma.(喘息の持病があります。)
- I’m allergic to penicillin.(ペニシリンにアレルギーがあります。)※「penicillin」の部分はアレルギー物質(例: peanuts(ピーナッツ), pollen(花粉))に置き換えてください。
- I’m taking medication for high blood pressure.(高血圧の薬を服用しています。)
- 薬局で市販薬を尋ねる
症状を簡潔に述べ、「~に効く薬はありますか?」と尋ねるのが一般的です。- Do you have something for a headache?(頭痛薬はありますか?)
- I’m looking for medicine for a sore throat and cough.(喉の痛みと咳に効く薬を探しています。)
- Can you recommend something for an upset stomach?(胃の不調に何かおすすめはありますか?)
Doctor: What seems to be the problem? (どうされましたか?)
You: I have a sharp pain in my lower right abdomen since this morning. I also feel nauseous. (今朝から右下腹部が鋭く痛みます。吐き気もします。)
You: And, I’m allergic to aspirin. (それと、アスピリンにアレルギーがあります。)
薬局で薬を購入する際、「持病がある」「他の薬を飲んでいる」「妊娠中/授乳中である」などの条件に当てはまる場合は、必ず薬剤師にその旨を伝えましょう。自己判断で薬を選ぶと、思わぬ相互作用を起こす可能性があります。分からないことがあれば、「Is this safe to take with other medicine?」(他の薬と一緒に飲んでも安全ですか?)と確認する習慣をつけましょう。
盗難・紛失:警察や関係機関に被害を通報する
体調不良に続き、海外で避けたいトラブルの一つが、盗難や大切なものの紛失です。財布やパスポートを盗まれたり無くしたりすると、旅行どころではなくなってしまいます。そんな時、警察や大使館、カード会社への連絡は英語で行う必要があり、さらに焦りが増します。ここでは、状況を正確に説明し、必要な手続きをスムーズに進めるための確実なフレーズを学びましょう。
「盗まれました」「無くしました」の確実な報告
まずは、状況を一言で正確に伝えることがスタートです。似ているようで意味が異なる、次の2つのフレーズを押さえましょう。
- My wallet was stolen. (私の財布が盗まれました。)
「was stolen」は、自分では気づかないうちに誰かが取った、つまり「盗難」にあったことを意味します。置き引きやスリに遭った場合などに使います。 - I lost my passport. (私はパスポートを無くしました。)
「lost」は、自分がどこかに置き忘れた、またはどこにあるかわからなくなった、つまり「紛失」したことを意味します。盗まれたかどうかはわからない場合に使います。
警察署や交番、ホテルのフロントなどで最初に切り出す時は、以下のような定型句が役立ちます。
- Excuse me. I’d like to report a theft. (すみません。盗難を通報したいです。)
- I need to report a missing item. (物の紛失を通報する必要があります。)
- Can you help me? I’ve been robbed. (助けてくれますか?盗難に遭いました。) ※より緊急性の高い表現
「I’m lost.」は「私は道に迷いました。」という意味なので、物を無くした時には使いません。混同しないように注意しましょう。
盗難被害届に必要な情報を英語で準備する
警察で正式な被害届(police report)を作成する際には、具体的な情報が求められます。以下の項目をメモしておき、落ち着いて伝えられるように準備しましょう。
- 何が (What): 財布 (wallet)、パスポート (passport)、カメラ (camera)、スマートフォン (smartphone) など。
- 外観の詳細 (Description): 色 (color)、ブランド (brand)、サイズ (size)、特徴 (distinguishing features)。
例: It’s a small black leather wallet. (小さな黒い革の財布です。) / It has my initials “Y.T.” on it. (イニシャルの”Y.T.”が刻印されています。) - 中身 (Contents): 現金の額 (amount of cash)、クレジットカードの枚数と会社名 (credit cards)、身分証明書 (ID cards) など。
- いつ、どこで (When & Where): 最後に確認した時刻と場所 (the last time and place you saw it)、盗難・紛失に気づいた時刻と場所。
例: I last had it at the cafe about an hour ago. (最後に持っていたのは1時間前くらいのカフェです。) / I noticed it was gone when I was about to pay at the store. (店で支払おうとした時に無いことに気づきました。)
特にパスポートやクレジットカードを紛失した場合は、警察への届け出だけでなく、即座に関係機関へ連絡する必要があります。以下のフレーズが役立ちます。
- パスポート紛失時 (大使館/領事館へ):
I’ve lost my passport. I need to apply for an emergency travel document.
(パスポートを紛失しました。緊急渡航書の申請が必要です。) - クレジットカード紛失・盗難時 (カード会社へ):
I’d like to report my credit card as lost/stolen. I need to cancel it immediately.
(クレジットカードを紛失/盗難として報告したいです。即座に停止する必要があります。)
盗難・紛失に備えて、出国前や旅行先での宿泊先が決まったら、以下の事前準備をしておきましょう。
- パスポートの写真ページとビザページのコピーを別々に保管する。
- 滞在先の住所と電話番号をメモする。
- 自国大使館または領事館の連絡先(住所、電話番号、緊急連絡先)を控える。
- クレジットカード会社の海外用コールセンター番号を確認する。
これらの情報があれば、いざという時も落ち着いて行動する手がかりになります。
事故・トラブルに巻き込まれた時:加害者・第三者への対応
盗難や体調不良に加え、海外で最も緊張する瞬間が、自分が当事者となる事故や日常のトラブルに遭遇した時です。交通事故やレストランでのトラブルは、相手との直接的なコミュニケーションが必要で、英語力だけでなく、状況を冷静に説明し、適切な行動を取るためのフレーズが求められます。ここでは、軽微な接触事故からホテルでの備品破損まで、角を立てずに状況を説明し、解決を目指すための必須フレーズを学びましょう。
軽微な接触事故から大きなトラブルまで, 自分に非がなくても使えるクッション言葉
事故やトラブルでは、まず安全を確保し、落ち着いて対応することが最優先です。感情的に「あなたのせいだ!」と言うのではなく、状況を客観的に伝えるフレーズが有効です。
- まずは状況を伝える: 「I’ve been in a car accident. (交通事故に遭いました。)」や「There’s been a minor collision. (軽微な接触事故がありました。)」
- 緊急性を伝える: 「I need to call an ambulance/police. (救急車/警察を呼ぶ必要があります。)」
- 落ち着いて話し合いを求める: 「Could we exchange information? (連絡先などの情報を交換できませんか?)」は、相手との対立を避ける定番フレーズです。
自分に非が全くない場合でも、「I’m afraid…(恐れ入りますが…)」や「There seems to be a problem…(問題が発生したようです)」というクッション言葉で切り出すと、相手の防御反応を和らげ、冷静な話し合いがしやすくなります。
レストランで食器を落として割ってしまった、ホテルの備品を誤って壊してしまった…。そんな時は、素直に謝罪し、対応を申し出る姿勢が大切です。
- 謝罪と報告: 「I’m so sorry. I accidentally broke a glass. (申し訳ありません。誤ってグラスを割ってしまいました。)」
- 対応を申し出る: 「Please let me know how I should compensate for it. (どのように弁償すればよいか教えてください。)」
- 問題を指摘する(備品が故障していた場合): 「I’m afraid the shower is not working properly. Could you have someone look at it? (恐れ入りますが、シャワーの調子が悪いようです。誰かに見ていただけますか?)」
これらのフレーズは、自分が「問題を起こした側」でも「問題を指摘する側」でも使える、万能なコミュニケーションツールです。誠実さと冷静さを示すことが、トラブル解決の第一歩です。
- 交通事故で相手が英語を話さない場合、どうすればいいですか?
-
まずは落ち着いて、ジェスチャーやスマートフォンの翻訳アプリを活用しましょう。最も重要なのは、警察を呼ぶことと情報交換です。「Police, please.(警察をお願いします。)」と伝え、自分の名前と連絡先を書いたメモを渡し、相手にも同じことを求めるジェスチャーをします。国際運転免許証やパスポートのコピーを提示するのも有効です。
- 「Could we exchange information?」と言われた時、具体的に何の情報を交換するのですか?
-
通常、以下の情報の交換が求められます。
- フルネーム (Full name)
- 連絡先 (電話番号、メールアドレス、住所)
- 自動車保険の情報 (保険会社名、ポリシーナンバー)
- 車両情報 (ナンバープレート、車種、色)
- 運転免許証の番号 (Driver’s license number)
メモやスマートフォンのメモ帳に書き留め、お互いに確認し合いましょう。可能であれば、事故現場の写真も撮影しておくと後々役立ちます。
シナリオ例:レンタカーでの軽微な接触事故
駐車場でバック中、後方のポールに軽く接触してしまいました。まず車を安全な場所に移動させ、相手(この場合は施設管理者など)に伝えます。
「Excuse me. I’m afraid I’ve just lightly hit a post while parking. (すみません。恐れ入りますが、駐車中に軽くポールに接触してしまいました。)」
ポールと自分のレンタカーの損傷を確認します。相手に損害がなければ、「I don’t see any damage to the post. (ポールには損傷はなさそうです。)」、もし自分側に傷があれば、「There’s a small scratch on the rental car. (レンタカーに小さな傷がついています。)」と説明し、状況に応じて謝罪します。「I’m very sorry about this. (このことについて大変申し訳なく思っています。)」
レンタカー会社の規定に従い、相手(施設側)と必要な手続きがあるか確認します。「Do I need to report this to the property manager? (このことを施設管理者に報告する必要がありますか?)」あるいは、「I will contact the rental company to follow their procedure. (レンタカー会社に連絡して、規定の手続きに従います。)」と伝え、解決に向けて行動します。
道に迷った・交通機関のトラブル:的確に現在地と目的地を伝える
海外での移動中、スマートフォンの地図アプリに頼り切っていると、突然のトラブルに直面することがあります。電池切れ、圏外、あるいは単純に表示が理解できない……そんな時、自分の現在地と目的地をシンプルな英語で伝えられる力が、焦りを解消する大きな助けになります。ここでは、地図アプリが使えない状況でも、道に迷ったり交通機関のトラブルに遭遇したりした時に使える確実なフレーズを学びましょう。
スマホの電池切れ!地図なしで道を尋ねる
地図アプリが使えない時は、まず自分が「迷子」であることを伝え、次に「どこに行きたいのか」を明確にしましょう。「I’m lost.(道に迷いました)」だけでは、相手はどこへ案内すればよいかわかりません。
道を尋ねる基本パターン
- 挨拶と状況説明: Excuse me. I’m lost.(すみません、道に迷いました。)
- 目的地を伝える: I’m trying to get to [目的地].([目的地]に行こうとしています。)
例: I’m trying to get to Central Station. / I’m trying to get to the City Museum. - 現在地の目印を説明する(可能なら): I’m near a big red building / a cafe called “Sun”.(大きな赤い建物の近く / 「サン」というカフェの近くにいます。)
相手から道案内の説明を受ける時、以下の単語を知っていると理解が深まります。
- intersection(交差点)
- block(区画。「2ブロック先」など)
- landmark(目印、ランドマーク)
- on your right/left(右手/左手側に)
- go straight(まっすぐ進む)
- turn right/left at the corner(角を右/左に曲がる)
住所がわかるメモやスマホのスクリーンショットを用意しておくと、スムーズです。タクシーの運転手にメモを見せながら、“Please take me to this address.”(この住所までお願いします)と言いましょう。目的地の名前だけでも通じますが、正確な住所があると確実です。
電車の遅延・バスの乗り過ごしなど移動中のハプニング
公共交通機関を利用中は、自分の乗っている路線や行き先が正しいか、常に確認することが大切です。また、予期せぬ遅延や最終便の時間に不安を感じた時、恐れずに駅員や運転手に確認する勇気を持ちましょう。
- Is this the right bus/train for [目的地]?
(これは[目的地]行きのバス/電車ですか?)
例: Is this the right train for Downtown? - Does this bus go to the City Hall?
(このバスは市役所に行きますか?) - I’m going to [目的地]. Which platform should I go to?
([目的地]へ行きたいのですが、どのホームに行けばいいですか?)
トラブル発生時や最終便について心配な時は、以下のように尋ねます。
- Excuse me, the train seems to be delayed. Do you know why?
(すみません、電車が遅れているようです。理由をご存知ですか?) - Has the last train/bus already gone? または The last train has gone?
(終電/最終バスはもう行ってしまいましたか?) - I missed my stop. What should I do?
(乗り過ごしてしまいました。どうすればいいですか?) - Is there another way to get to [目的地]?
([目的地]へ行く別の方法はありますか?)
- 駅員に「もう終電は行ってしまった」と言われたら?
-
まず落ち着いて、“What are my options?”(他に選択肢はありますか?)と尋ねましょう。駅員は代わりの交通手段(夜行バス、タクシー乗り場の場所、近くのホテル情報など)を教えてくれるはずです。宿泊施設の住所をメモしておき、“Can you call a taxi for me, please?”(タクシーを呼んでいただけますか?)とお願いするのも一つの方法です。
これだけは覚えておきたい!超基本のSOSフレーズ5選
これまで、具体的なシチュエーションごとに使えるフレーズを見てきました。しかし、最も重要なのは、どんな状況でもまず最初に口に出す「基本のSOSフレーズ」を身につけることです。緊急時は頭が真っ白になり、複雑な文章を組み立てる余裕はありません。ここでは、状況を問わず、確実に相手に自分の「困った」を伝えられる、絶対に覚えておくべき5つのフレーズを厳選しました。まずはこの5つを確実に言えるようにしましょう。
状況を問わず使える汎用フレーズ
以下の3フレーズは、体調不良、盗難、事故、道迷いなど、あらゆる状況の第一声として使えます。シンプルで覚えやすく、相手にも必ず伝わる確実な表現です。
- I need help. (助けが必要です。)
これ以上にないほどシンプルで強力なフレーズです。「アイ ニード ヘルプ」と、はっきりと大きな声で言いましょう。 - Excuse me, it’s an emergency. (すみません、緊急事態です。)
周囲に人がいる場合、まず「Excuse me」で相手の注意を引き、「it’s an emergency」で緊急性を伝えます。これで相手は真剣に受け止めてくれます。 - I don’t understand. (わかりません。)
相手の言っていることがわからない、または状況が理解できない時に率直に伝えるフレーズです。これにより、相手はよりゆっくり話したり、別の方法でコミュニケーションを取ろうとしてくれます。
相手の注意を引く・理解を求める表現
基本のフレーズに加え、より具体的なサポートを求めるための表現も知っておくと安心です。特に言語の壁がある場合は、以下のフレーズが突破口になります。
- Can you call someone who speaks Japanese? (日本語が話せる人を呼んでいただけますか?)
英語での説明が難しいと感じたら、遠慮せずにこのフレーズを使いましょう。ホテル、空港、観光案内所、警察署などでは、多言語対応のスタッフを呼んでもらえる可能性が高いです。 - Please, quickly! (お願い、急いで!)
「I need help.」や「It’s an emergency.」に続けて、「Please, quickly!」と付け加えることで、緊急性を強くアピールできます。焦っている気持ちを端的に伝える決め言葉です。
- ステップ1:落ち着いて基本フレーズを伝える
まず深呼吸し、「I need help.」または「Excuse me, it’s an emergency.」ではっきりと助けを求めます。 - ステップ2:状況を一言で説明する
「My bag was stolen.(カバンを盗まれました)」「I feel sick.(気分が悪いです)」など、核心となる単語や短い文を付け加えます。 - ステップ3:具体的な要望を伝える
「Can you call the police?(警察を呼んでください)」「I need a doctor.(医者が必要です)」「Can you call someone who speaks Japanese?」など、してほしいことを具体的に伝えましょう。
これらのフレーズは、完璧な発音でなくても大丈夫です。重要なのは、困っているというメッセージと、助けを求めているという意思を相手に伝えることです。自信を持って、はっきりとした声で伝えましょう。
万が一に備える:渡航前の準備と心構え
「困った」「助けて」という言葉を実際に口にする前に、最も大切なことは「備え」です。どんなに頼りになるフレーズを覚えていても、現地の緊急番号を知らなければ連絡できませんし、自分の情報を伝えられなければ適切な援助を受けられません。出発前に少しだけ時間をかけて準備をするだけで、いざという時の安心感は格段に高まります。ここでは、スマホと紙のツールを使い分けた、効果的な事前対策をご紹介します。
スマホに保存すべき情報とアプリ
スマートフォンは海外でも最も強力な味方です。しかし、通信環境やバッテリーの不安定さを考慮に入れた準備が必要です。
- 連絡先の事前登録:スマホの「連絡先」アプリに、以下の情報を英語で保存しておきます。
- 現地の緊急番号(警察、救急、消防)
- 在日本大使館・総領事館の電話番号と住所
- ホテルや宿泊先の電話番号・住所
- クレジットカード会社の海外サポート専用番号
- オフラインでも使えるアプリのダウンロード:Wi-Fiやモバイルデータが使えない状況に備え、事前にダウンロードしておきましょう。
- 翻訳アプリ:オフライン翻訳機能のあるものを選び、現地の言語をダウンロードしておきます。
- 地図アプリ:目的地の地図をオフラインで保存できる機能を利用すれば、道に迷った時も安心です。
- スクリーンショットの活用:重要な情報(パスポート情報ページ、航空券、予約確認書など)はスクリーンショットを撮り、スマホのフォルダに保存しておきます。クラウドサービスだけに頼らず、端末内に保管しておくことが大切です。
緊急連絡先は、スマホのロック画面が解除される前の「緊急通報」画面からでも見られるように設定しておける端末があります。事前に設定方法を確認しておくと、よりスムーズにアクセスできます。
紙のメモとして持って行くと便利なもの
スマホのバッテリー切れや故障は、いつ起こるかわかりません。そんな時の最終的な「命綱」となるのが、紙のメモやコピーです。財布やバッグの別々の場所に分散して保管するのがコツです。
- 「緊急用カード」を作成する:名刺サイズのカードや紙に、以下の情報を英語で記入し、財布に入れておきます。
- 氏名 (Full Name)
- 国籍 (Nationality)
- 血液型 (Blood Type)
- 持病・アレルギー (Medical Conditions / Allergies)
- 緊急連絡先 (Emergency Contact):現地の連絡先と日本の連絡先
- 重要な書類のコピーを分散保管:パスポート(写真ページ)と航空券のコピーを2部ずつ用意し、スーツケースと手荷物など、別々の場所に分けて保管します。万が一、財布やバッグを紛失しても、もう一方にバックアップがあります。
- クレジットカード情報の控え:カード会社の海外サポート番号と、カード番号(下4桁で十分)をメモしておきます。カードを紛失した際の連絡が迅速に行えます。
- ホテルの住所・電話番号のメモ:スマホが使えなくなった時、タクシー運転手などに目的地を示すために必要です。ホテルのロビーで貰えるカードを持ち歩くのも良い方法です。
パスポートやクレジットカードのコピーには「COPY」と大きく書き込み、不正使用を防ぎましょう。原本とコピーは必ず別々に保管し、コピーを原本の代わりとして提示することは避けてください。
渡航前準備チェックリスト
- スマホに現地の緊急番号・大使館連絡先を登録した
- オフライン翻訳アプリ・地図アプリをダウンロードした
- 「緊急用カード」(氏名、血液型、アレルギー、連絡先)を作成した
- パスポートと航空券のコピーを2部用意し、別々の場所に保管した
- クレジットカード会社の海外サポート番号を控えた
- ホテルの住所・電話番号を紙に書いて持ち歩く準備をした

