TOEICリーディングPart 7が時間内に終わらない?『パッセージタイプ別』最速解き分けテクニック

TOEICリーディングセクションの最後を飾るPart 7。長文が次々と続き、最後の数問は時間切れで塗り絵…。そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。「もっと速く読めるようにならなければ」と焦りを感じるかもしれません。しかし、その前に立ち止まって考えてみてください。時間内に終わらない本当の原因は、単純な「読むスピード」だけではないのです。

目次

Part 7で時間が足りなくなる本当の理由:それは「読解力」だけではない

多くの学習者がPart 7で直面する問題は、「英文を読むのが遅いから」と思われがちです。しかし、実際には「読み方」そのものに非効率な習慣が潜んでいるケースがほとんどです。ここでは、時間不足を招く根本的な原因と、Part 7の本質について見ていきましょう。

「全部読まなければ」という勘違い

学校の英語授業や大学受験の長文読解では、文章全体の主旨(メインテーマ)や筆者の主張を理解することが求められます。そのため、無意識のうちに「英文は最初から最後まで、一言一句も漏らさずに読まなければならない」という思考が刷り込まれている方が少なくありません。

TOEIC Part 7を、学校の長文読解と同じように最初から精読してしまう。

このアプローチは、限られた時間内に多くの問題を解くTOEICでは致命的です。すべての単語や文を完全に理解しようとすると、どうしても時間がかかりすぎてしまいます。結果として、後半の問題に十分な時間を割けず、スコアが伸び悩む原因となるのです。

TOEIC Part 7は「情報検索」のテスト

TOEIC Part 7が評価している能力は何でしょうか。それは、高度な文学的読解力ではなく、「ビジネスや日常生活で遭遇する文書から、必要な情報を素早く正確に取り出す能力」です。つまり、その本質は「情報検索」にあると言えます。

  • Eメールの送信者と目的は?
  • 広告で特価になっている商品はどれ?
  • 記事の中で、ある人物が述べている意見は?
  • 二つの文書を比較して、共通する情報は何か?

これらの質問に答えるために、文書全体を隅から隅まで理解する必要はありません。質問で問われている「キーワード」や「情報の種類」が、文書中のどこにあるのかを特定し、その周辺を重点的に読めばよいのです。

重要な気づき

Part 7で時間不足に陥る主要因は、語彙力や文法力の不足ではなく、「非効率な読解プロセス」です。「全文精読」から「質問主導の情報検索」へとアプローチを変えるだけで、解答スピードは劇的に向上します。まずは「全部読まなくていい」というマインドセットの転換が、高得点への第一歩です。

戦略的読解の基本:3ステップ「スキャン→特定→確認」アプローチ

これまで多くの学習者が陥っていた「文書を最初から最後までじっくり読む」という非効率な習慣。これを解消するための、Part 7で最も基本となる、そして最も強力な戦略が「スキャン→特定→確認」の3ステップアプローチです。これは、文書の種類(Eメール、記事、チャットなど)に関わらず、全ての問題に応用できる汎用的な読解法です。

絶対に守るべき鉄則:文書から読み始めてはいけません。常に設問から始めること。

このアプローチは、情報を「探しに行く」という能動的な姿勢が鍵です。以下の3つのステップを順番に実行します。

STEP
ステップ1: 質問を先読みして「何を探すか」を明確化

文書に目を通す前に、まずは設問と選択肢を一通り読みます。この目的は「何を探せば答えが見つかるか」を頭に入れることです。特に、以下のような「スキャンの手がかり」となるキーワードを意識的に探してください。

  • 固有名詞:人名(Ms. Tanaka)、会社名、製品名、地名
  • 数字:日付、時間、金額、数量、電話番号
  • 特有の表現: “discount rate”(割引率)、”deadline”(締切)、”venue”(会場)など、設問特有の単語
STEP
ステップ2: 文書を「スキャン」して該当箇所を特定

ステップ1で見つけたキーワードを頼りに、文書全体を目で走査(スキャン)します。新聞の見出しを探すように、細部は気にせず、キーワードそのものや、同義語・関連語句を探します。

このステップの目標は、文書を「精密に読む」ことではなく、設問の答えがある可能性の高い「場所を見つける」ことです。目はキーワードを追うように、上から下へ素早く動かします。一度に理解しようとせず、「あ、この単語が目に入った」と感じたら、その箇所でストップします。

STEP
ステップ3: 該当箇所の前後を「確認」して解答を絞り込む

キーワードが見つかった場所で、ようやく「読解」を開始します。ただし、文書全体を読むのではなく、その前後1〜2文だけに集中します。TOEICの設問の多くは、答えが文書中の1〜2文に凝縮されているからです。その部分を丁寧に読み、設問の答えとなる情報を探し出します。

この基本プロセスの威力

「スキャン→特定→確認」を習慣化すれば、無関係な情報を読み飛ばし、必要な情報だけを効率的に取り出せるようになります。結果として、読む量が大幅に減り、解答スピードが向上するだけでなく、文書の全体像を掴む「俯瞰力」も身につきます。次のセクションでは、この基本プロセスを、Eメール、記事、ダブル/トリプルパッセージといった具体的な文書タイプにどう応用するかを詳しく見ていきましょう。

文書タイプ別「最速」解き分けマニュアル:Eメール・メッセージ編

前のセクションで学んだ「スキャン→特定→確認」アプローチは、あらゆる文書に使える汎用戦略です。しかし、Part 7には文書の種類によって構造や特徴が大きく異なるという事実があります。この「違い」を知り、それぞれに最適な読み方をすることこそが、解答スピードを劇的に向上させる鍵です。まずは、最も頻出する文書タイプである「Eメール」と「インスタントメッセージ(チャット)」の攻略法を詳しく見ていきましょう。

このセクションの核心

Eメールとメッセージでは、情報の「配置場所」が決まっています。その場所だけを集中的に読むことで、全体を読む時間を大幅に短縮できます。

文書タイプ必見ポイント(最初にスキャンすべき場所)
Eメール件名(Subject)、差出人(From)/宛先(To)、最初の段落、最後の段落
チャット/メッセージ発言者名、短い発言の連鎖、省略形

Eメールの「必見ポイント」:差出人、件名、最初と最後の段落

ビジネスEメールは、TOEIC Part 7の定番であり、比較的得点源としやすい形式です。なぜなら、情報が定型化されて配置されているからです。以下のステップに従って、効率的に情報を収集しましょう。

STEP
ヘッダーを読み解く
  • From / To (差出人/宛先):誰が誰に送っているのか?上司から部下への指示なのか、会社から顧客への連絡なのか。関係性から文書のトーン(丁寧かカジュアルか)や目的を推測できます。
  • Subject (件名)これが最重要です。件名はメール全体の要約です。「Meeting Schedule Change」(会議スケジュール変更)や「Inquiry about Product A」(製品Aに関するお問い合わせ)など、テーマが一目で分かります。
STEP
最初と最後の段落を集中的に読む
  • 最初の段落:ここにメールの「目的」が書かれています。依頼(Request)、通知(Notification)、問い合わせ(Inquiry)、謝罪(Apology)など、何のためにこのメールが書かれたのかが明記されます。
  • 最後の段落:ここに「次のアクション」や「まとめ」が書かれます。「Please reply by Friday.」(金曜日までに返信を)や「I look forward to hearing from you.」(ご連絡お待ちしています)など、送り手が受け手に何を求めているかが分かります。
STEP
本文中盤は「スキャン」で詳細を探す

設問で「製品の価格は?」「会議の新しい日時は?」といった詳細を問われた場合、初めて本文中盤を読みます。この時も、キーワード(price, meeting, timeなど)を目印にスキャンし、該当箇所を特定します。最初から順番に読む必要はありません。

注意点:Eメールでは、往信と返信がセットになった「ダブルパッセージ」もよく出題されます。この場合、必ず最新のメール(一番下のメール)から読み始めるようにしましょう。最新のメールに、それ以前の議論を踏まえた結論や新しい情報が書かれていることが多いからです。

チャットやインスタントメッセージの特徴:省略形とコンテキストの把握

複数人での短いやり取りを表現するチャット形式は、Eメールとは全く異なる読み方が必要です。特徴は「非公式」で「断片的」なこと。以下のポイントを押さえましょう。

知っておきたいこと

チャット問題では、「誰が」「何を言ったか」を整理する「登場人物マップ」を頭の中で作ることが極めて重要です。設問は「Davidは何について心配しているか?」のように、特定の発言者について問うものが多いからです。

  • 発言者を常に意識する:各発言の冒頭には「David:」や「Anna:」のように名前が付いています。設問を読んだら、まずどの人物について問われているのかを確認し、その人物の発言だけを重点的に追います。
  • 省略形に慣れる:チャットでは時間的制約から省略形が多用されます。例えば、「ASAP (as soon as possible)」「FYI (for your information)」「Thx (Thanks)」「Pls (Please)」などです。これらを知っているかどうかで理解度が変わります。よく出る省略形は覚えておきましょう。
  • コンテキスト(文脈)を追う:発言は短く、前後の発言がないと意味が分からないことがあります。例えば、ある人物が「I agree.」と言っただけなら、何に同意しているのかは直前の発言を読まなければ分かりません。会話の流れを追う意識を持ちましょう。
  • 質問と答えの連鎖に注目:チャットでは、誰かが質問を投げかけ、別の誰かがそれに答えるという形式がよく見られます。設問が「~についての答えは何か」と問う場合、まず質問を見つけ、その直後の発言を探せば答えが見つかることが多いです。

文書タイプ別「最速」解き分けマニュアル:記事・レポート・通知編

前のセクションでは、Eメールとチャットの攻略法を学びました。Part 7では、新聞やWebの「記事」、社内の「レポート」、そして「通知」や「お知らせ」文書も頻出します。これらの文書は、Eメールとは構造が大きく異なり、それぞれに最適な情報の探し方が存在します。この「探し方」を知っているだけで、長く見える文書も効率的に読み解けるのです。

新聞記事やWeb記事:リード文と小見出しに注目

記事形式の文書では、最初から全文を読むのは最も非効率です。記者が読者に伝えたい核心は、最初の段落(リード段落)に凝縮されています。ここには「誰が(Who)、何を(What)、いつ(When)、どこで(Where)、なぜ(Why)、どのように(How)」という5W1Hの要素が詰まっていることがほとんどです。

STEP
設問を読み、キーワードを確認する

例:「What is the main topic of the article?」「When will the event be held?」などの設問から、何について聞かれているかを把握します。

STEP
記事のリード段落をスキャンする

記事の冒頭(多くの場合、太字や少し大きめのフォントで書かれている最初の1〜2段落)を素早く読み、5W1Hを探します。

STEP
詳細は小見出しで絞り込む

設問が詳細(例:「How much is the registration fee?」「What is one requirement for participants?」)を問う場合、記事内の太字の小見出し(Subheading)を見ます。小見出しはそのセクションの内容を示す目次です。該当しそうな小見出しの直後の段落を読みます。

超時短テクニック

設問が「What is the article mainly about?」のような主旨問題であれば、リード段落を読むだけで解答可能なことが非常に多いです。結論から先に読みましょう。

社内通知やお知らせ:日付、対象者、変更点をチェック

社内のメモやポリシー変更のお知らせ、備品購入の通知などは、決まった情報項目が必ず含まれるという特徴があります。これらを意識的に探すことで、解答に必要な情報を瞬時に見つけられます。

  • 日付(Date): 通知の発行日、有効期限、実施日、締切日など。設問は「When…?」「By when…?」の形で問うことが多い。
  • 対象者(To/For): 「All employees」「Staff in the Marketing Department」「Managers and above」など。設問は「Who is this notice for?」「Who is NOT required to attend?」など。
  • 変更点(Change): 古い手順(old procedure)と新しい手順(new procedure)、以前の場所(previous location)と新しい場所(new location)のように、対比を問う設問が頻出。
  • 連絡先/問い合わせ先(Contact): 文書の末尾に「For more information, contact…」と記載されている場合、そこが解答の根拠になる。

通知文書は、タイトルと最初の文に最も重要なメッセージ(例:「Parking Lot Closure」「New Expense Report Form」)が書かれていることがほとんどです。まずここを必ず確認しましょう。

通知文書でよくある引っかけは?

except」「not」を含む否定形の設問に注意です。例えば、「Who is NOT affected by the policy change?」という問いに対しては、通知内で「All staff except part-time employees」と書かれていれば、「part-time employees」が正解となります。対象者を正確に読み取ることが重要です。

文書タイプ別「最速」解き分けマニュアル:広告・チラシ・フォーム編

これまでに、Eメールや記事といった比較的「文章」としてのまとまりがある文書の読み方を学びました。続いて攻略するのは、視覚的なレイアウトが情報の核となる文書です。具体的には、セール広告、イベントチラシ、申込書やアンケートフォームなどがこれに当たります。これらの文書は、文章を最初から最後まで「読む」よりも、どこに何が書いてあるかを瞬時に見抜く力が解答スピードを左右します。

広告の「仕掛け」を見抜く:特典、条件、連絡先

広告文書の最大の特徴は、読者の目を引き、行動を促すために様々な視覚的・言語的「仕掛け」が施されている点です。これを逆手に取れば、重要な情報は限られた場所に集約されていることが分かります。解答に必要な情報を探す際は、まず以下の箇所に集中してスキャンしましょう。

  • 数字と記号:割引率(50% OFF)、価格($19.99)、日付(April 30)は、多くの場合、太字や大きなフォント、あるいは「!」「%」などの記号と共に目立つように配置されています。
  • 魅力的なキーワード:「Free」「Limited」「Special Offer」「Bonus」といった言葉の近くには、必ずと言っていいほど設問の根拠となる情報があります。
  • 小さな文字(Fine Print):広告の最下部や、魅力的なキャッチコピーのすぐ近くに、小さな文字で書かれた条件(Terms and conditions apply.)や除外事項(Not available for online purchases.)があります。ここが最も重要な「落とし穴」ポイントです。設問で「What is NOT included?」や「Which of the following is required?」と聞かれたら、まずこの小さな文字を確認してください。
  • 連絡先情報:問い合わせ先(For more information, contact…)、ウェブサイト(Visit our website: www.~)、電話番号などは、多くの場合文書の末尾や隅にまとめて記載されています。
注意点

広告文書では、「何が書かれていないか」を問う設問が頻出します。「All of the following are mentioned EXCEPT…」という形です。解答の際は、選択肢のキーワードを広告内で一つずつ確認し、消去法で選ぶのが確実です。広告は情報が断片的なので、見落としがちな部分を問われる傾向があります。

申込書やフォーム:空白(Blank)部分に解答のヒント

申込書、注文書、アンケートフォームなど、項目と空欄が並んだ文書では、設問の多くが「この空欄には何が入るか?」を問うものです。解答の鍵は、空欄の前後の項目の関連性を考えることにあります。

STEP
空欄の項目名を確認する

設問が「What should be filled in the blank labeled ‘_____’?」と問う場合、まずその空欄の項目名(ラベル)をフォーム内で探します。例えば「Company: _____」であれば、「会社名」が入ることが自明です。

STEP
前後の項目から文脈を推測する

項目名だけでは判断がつかない場合、その前後の項目を見ます。例えば、空欄が以下のような項目の間にあったとします。

  • Address: 123 Main Street
  • _____: New York
  • Zip Code: 10001
  • Phone: (555) 123-4567

この場合、「Address(住所)」と「Zip Code(郵便番号)」の間にある空欄は、City(市町村名)である可能性が極めて高いと推測できます。

STEP
フォーム全体の目的を考える

そのフォームが何のためのものか(商品注文、会員登録、カンファレンス申込など)を文書のタイトルから把握し、必要な情報の流れを想定します。例えば「Conference Registration」というタイトルのフォームで、「Session Choice 1: _____」という空欄があれば、それは「希望するセッション名」が入ることが予想されます。

知っておきたいこと

フォーム問題では、設問の選択肢自体が解答のヒントになることもあります。4つの選択肢が「A. Credit card number / B. Email address / C. Date of birth / D. Signature」だった場合、それが入るべき空欄の項目名は「Payment Method: _____」など、選択肢の内容と合致するものになるはずです。選択肢とフォームの項目を照らし合わせることも有効なテクニックです。

ダブル・トリプルパッセージを制する「文書間リンク」の見つけ方

ダブルパッセージ(文書2つ)やトリプルパッセージ(文書3つ)が登場すると、途端に解くスピードが落ちてしまうと感じる人は多いでしょう。単体の文書を読むのとは違い、複数の文書を行き来して情報を関連付ける力が求められるからです。ここで鍵となるのが「文書間リンク」を見つける技術です。この技術を身につければ、長く見える複数文書の問題も、関連箇所をピンポイントで探せるため、時間を大幅に節約できます。

このセクションの核心

複数文書問題では、文書全体を最初からじっくり読むのではなく、「文書同士がどうつながっているか」を素早く把握し、共通するキーワード(リンクワード)を見つけて設問を解くことが最速の解法です。

最初にやるべきは「文書同士の関係性」の把握

複数文書の問題に取りかかる際、いきなり最初の文書を読み始めるのは非効率です。代わりに、まずは各文書の種類と、それらがどのような関係にあるかを俯瞰することが重要です。

複数文書の関係性チェックリスト

以下のような関係性が典型的です。この関係性が設問の方向性を決めます。

  • 質問と回答:ある文書が質問(商品について、会議の日程について等)を投げかけ、別の文書がそれに答えています。
  • 通知とその返信・フォローアップ:会議のアナウンスメールと、それに対する参加可否の返信メールなど。
  • 広告(または記事)と問い合わせ:製品の広告や紹介記事を見た人が、詳細を問い合わせるEメールを送っています。
  • 問題報告と解決策:システムの不具合を報告するメールと、技術サポートからの解決手順が書かれた返信など。

この関係性を30秒ほどで把握できれば、「文書Aのこの部分について、文書Bではどう書いてあるか」という設問パターンが予想でき、読むべき箇所が絞りやすくなります。

リンクワードを追え:名前、日付、製品名、参照番号

文書間の関係性がわかったら、次は具体的な「リンクワード」を探します。これは、複数の文書に共通して登場する固有名詞や特定の情報のことです。設問の多くは、このリンクワードを軸に「一方の文書で言及されていることについて、他方ではどう述べているか」を問う形で出題されます。

効率的な解き方のステップ
STEP
文書の関係性を把握

各文書のタイトル、差出人、件名、冒頭部分をスキャンして、どのような関係か(問い合わせと返信、など)を把握する。

STEP
設問とオプションに目を通す

設問文と選択肢を読み、何が問われているか、どの文書に関する話かをおおまかに理解する。

STEP
リンクワードを特定する

設問や選択肢、文書中から共通するキーワード(以下のリスト参照)を見つけ、それを手がかりに該当箇所を探す。

STEP
文書間を行き来して解答

リンクワードを含む箇所を各文書で見つけ、情報を比較・統合して正解を選ぶ。

では、具体的にどのような単語が「リンクワード」になるのでしょうか? 以下のリストを意識して文書をスキャンしてみましょう。

  • 人名・会社名
    「Mr. Smith」「Ms. Tanaka」「Marketing Department」「Global Tech Inc.」など。誰が誰にメールを送ったか、どの部署が関与したかを示します。
  • 日付・時間
    「March 15」「the meeting on Friday」「by the end of this week」など。イベントの日程や期限が文書間で一致しているか、変更されたかを問う問題に頻出します。
  • 製品名・サービス名・プロジェクト名
    「Project Phoenix」「Model X200」「the new training program」など。何についての話し合いなのかの核心です。
  • 参照番号
    「Invoice #INV-78901」「Order ID: 45678」「Your reference number: A1B2C3」など。書類を特定する最も確実なリンクワードで、見つけたら必ずマークしましょう。
  • 場所・会議室
    「Conference Room B」「the main lobby」「our branch in Osaka」など。特に通知やアナウンスメント文書で重要です。

これらのリンクワードは、文書の冒頭(件名、挨拶部分)や末尾(署名、連絡先)に集中していることが多いです。まずはこれらの部分を重点的にチェックし、文書間のつながりを素早くキャッチしましょう。この技術を習得すれば、ダブル・トリプルパッセージが「面倒な長文」から「確実に点が取れる問題」に変わります。

実践トレーニング:時間配分の黄金ルールと「捨てる」勇気

文書タイプ別の読み方と、ダブル・トリプルパッセージの攻略法を身につけたあなたは、もうPart 7の「解き方」については十分な知識を持っています。最後に、それらのテクニックを制限時間内に確実に発揮するための戦略を学びましょう。リーディングセクションで最も失点する原因は「時間切れ」です。最後まで解き切るための時間配分と、時に「捨てる」勇気を持つことが、スコアアップの最終鍵となります。

Part 7専用の時間配分モデル

理想的なリーディングセクション全体の時間配分は、Part 5, 6に約20分、残りの55分以上をPart 7に確保することです。Part 7内でも、以下の目安を頭に入れてペースを管理しましょう。

  • シングルパッセージ(1文書、2-4問):1問あたり約1分を目安にします。比較的短い文書が多いため、素早く情報を拾いましょう。
  • ダブルパッセージ(2文書、5問):1セット(5問全体)に約4分を目安にします。文書を行き来する時間を見込んだ配分です。
  • トリプルパッセージ(3文書、5問):1セット(5問全体)に約4分30秒〜5分を目安にします。文書が増えるため、ダブルパッセージより少し多めに時間を取ります。
時間管理の最重要ルール

「1問に2分以上かけても答えの見当がつかない場合は、潔くマークをして次に進む」これが鉄則です。1つの難問に執着して5分も10分も費やすと、その後に解けるはずだった簡単な問題を「塗り絵」で終わらせる羽目になります。全体の正答数を最大化するためには、一時的な「捨てる」判断が必須です。

難問や時間のかかる問題への対処法

時間を浪費する最大の原因は、「解く必要のない情報まで読んでしまう」ことと、「解けない問題から離れられない」ことです。以下の2つのスキルを徹底してください。

「読まなくていい情報」を見極める力

  • 専門用語や細かい数値:製品仕様書の詳細なスペックや、財務報告書の細かい数値など、設問に直接関係ない専門情報は無視して構いません。背景知識で推測できないものは、設問で問われていない限りスキップします。
  • 文書の装飾的な部分:Eメールの長い署名欄(連絡先一覧など)、広告のキャッチコピーやスローガンの詳細な説明など、核心的な情報(誰が、何を、いつ、どうする)から外れる部分は流し読みでOKです。

「塗り絵」を防ぐ最終判断

試験終了5分前になったら、時計を確認し、まだ手をつけていない問題や、保留にしていた問題があるかチェックします。もし残っていれば、迷わず一律にマークをしてください(例えば、全てAにマークするなど)。TOEICは誤答に対する減点がないため、空白よりはマークした方が確実に当たる可能性があります。この「最終5分で一気にマークする」というルールを事前に決めておくことで、時間切れによる無回答をゼロに近づけられます。

STEP
本番でのタイムマネジメント手順
  • Part 5, 6を開始した時点で時計を確認し、20分以内に終えるペースで進める。
  • Part 7に入ったら、大問の種類(シングル/ダブル/トリプル)を見て、目安時間を頭に置く。
  • 1問解くごとに、かかった時間を大まかに意識する(「この問題は少し時間をかけすぎたな」と感じる程度でOK)。
  • 2分考えても答えが絞りきれない問題は、推測でマークをし、問題番号に印をつけて次へ進む。
  • 終了5分前になったら、未解答・保留問題に一律にマークをして解答用紙を完成させる。

まとめ:効率化のためのマインドセット

TOEIC Part 7は、英文の「読解力」だけでなく、情報を「探す力」と「取捨選択する力」を測る試験です。これまで学んできた文書タイプ別の読み方と時間管理のテクニックは、この力を最大限に発揮するための具体的な方法です。重要なのは、これらの戦略を知識として持つだけでなく、繰り返し練習し、自分のものにすることです。最初は慣れない「スキャン」や「捨てる判断」も、実践を重ねることで自然とできるようになります。Part 7で時間不足に悩むことなく、確実に得点を積み上げる力を身につけましょう。

これらのテクニックを身につけるには、どのような練習が効果的ですか?

まずは、公式問題集や模試を使って「時間を測らずに」テクニックの練習をすることから始めましょう。Eメールの問題では必ず件名と最初・最後の段落だけを読み、広告では数字や「Fine Print」だけを探すなど、各文書タイプに特化した練習を繰り返します。テクニックに慣れてきたら、徐々に時間制限を設けて本番に近い形で実践してください。

「スキャン」がうまくできず、必要な情報を見落としてしまいます。

スキャンは、キーワードを「探す」行為です。最初は、設問から抜き出した1つのキーワード(例えば、人名「Ms. Tanaka」)だけに集中して文書全体を探す練習をしましょう。一度に複数のキーワードを追う必要はありません。一つのキーワードを見つけることに慣れたら、徐々に複数の手がかりを同時に追えるようになります。

トリプルパッセージで、どの文書から読めばいいか迷います。

迷ったら、最新の文書から読むのが基本です。メールのやりとりであれば一番下のメール、一連の通知であれば発行日が最新の文書です。また、設問の最初の数問は最初の文書に関するもの、次の数問は2つ目の文書に関するもの、というように順番に出題される傾向があります。設問の順番も、どの文書を読むべきかのヒントになります。

どうしても全文を読んでしまい、時間がかかってしまいます。

これは多くの学習者が通る道です。意識改革が必要です。練習の際、文書をコピーし、設問を解くのに本当に必要だった箇所だけを蛍光ペンでマークしてみてください。ほとんどの問題が、文書のごく一部(1〜3文)だけで解けることに気づくはずです。この「視覚化」が、「全文読まなくていい」というマインドセットを強化します。

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