英語学習を進めると、「for + 名詞」と「to不定詞」のどちらを使えば意図が正しく伝わるのか、迷う場面に出くわします。例えば「材料を買いに行く」は “go to buy ingredients” なのか “go for buying ingredients” なのか、混乱した経験はありませんか。この選択は単なる好みではなく、両者が伝える「目的」や「理由」の性質に根本的な違いがあるからです。本記事では、この核心的な違いを理解し、自信を持って使い分けられるよう、20のパターンを詳しく解説していきます。
なぜ「前置詞+名詞」と「to不定詞」で迷うのか? 構造の違いが生む意味のニュアンス

「for + 名詞/動名詞」と「to不定詞(副詞的用法)」は、どちらも日本語では「〜するために」と訳されることが多く、そのことが学習者を混乱させます。しかし、ネイティブスピーカーは無意識のうちに、この二つの構造が持つコアイメージの違いに基づいて使い分けています。その違いを一言で表すと、「for」は「対象・手段としての目的」を、「to」は「向かう先・達成すべき目標」を示す傾向があるのです。
「手段」と「目標」を区別する:for + 名詞/動名詞の核心
前置詞「for」の基本的なイメージは「〜のために」「〜に向けて」です。これが目的を表す場合、その行為自体が「手段」や「用途」「一般的な理由」として捉えられます。つまり、「何かのために存在する」という静的な関係性を表すことが多いのです。
- This tool is for cutting paper. (この道具は紙を切るためのものです。)
- I went to the store for some milk. (私は牛乳を買いに店へ行った。)
- She apologized for being late. (彼女は遅刻したことを謝った。)
上の例では、「切る」という行為が道具の「用途」であり、「牛乳」が行き先の「対象」、「遅刻」が謝罪の「理由」となっています。これらは主語の直接的な行動目標というよりは、状況や物事の目的・原因を示していると言えます。
「直接的な目的」を示す:to不定詞(副詞的用法)の役割
一方、「to不定詞」の「to」には「〜へ向かって」という方向性のイメージがあります。副詞的用法では、主語の意図や意志が明確に反映され、未来に向けた具体的な行動の「目標」や「結果」を表現します。主語が「何かを成し遂げようとしている」という能動的なニュアンスが強くなります。
- I study hard to pass the exam. (私は試験に合格するために一生懸命勉強する。)
- He stopped to talk to his friend. (彼は友達と話すために立ち止まった。)
- We need more time to finish this project. (このプロジェクトを終わらせるためには、もっと時間が必要だ。)
ここでは、「合格する」「話す」「終わらせる」ということが、主語が目指す直接的な行動のゴールです。主語の意志や意図が前面に出ていることが特徴です。
混同しやすい3つのケースを比較検証
両者の違いが最も明確になるのは、同じ動詞の後に両方の表現が続く場合です。以下の比較表で、意味のニュアンスの違いを感じ取ってみましょう。
| 表現 | コアイメージ | 例文と意味の違い |
|---|---|---|
| go for + 名詞/動名詞 | 「〜を取りに行く」「〜をするために(一般的な目的で)行く」 | I went to the kitchen for a drink. (飲み物を取りにキッチンへ行った。) → 飲み物が「目的物」。 |
| go to + 動詞の原形 | 「〜しに行く」 | I went to the kitchen to get a drink. (飲み物を取りにキッチンへ行った。) → 「取りに行く」という行動そのものが目的。 |
| use A for B | 「AをB(という用途)に使う」 | I use this app for learning vocabulary. (私はこのアプリを語彙学習に使っている。) → アプリの一般的な用途・目的。 |
| use A to do B | 「Aを使ってBする」 | I use this app to learn new words every day. (私はこのアプリを使って毎日新しい単語を学んでいる。) → アプリを用いた具体的な行動。 |
| sorry for | 「〜したことについて申し訳なく思う」 (過去の行為・状態が理由) | I’m sorry for disturbing you. (お邪魔してすみません。) → 既に行った「邪魔した」行為について謝罪。 |
| sorry to | 「〜することを残念に思う」 (これから伝える内容について) | I’m sorry to tell you this bad news. (この悪い知らせをお伝えするのは残念です。) → 今から「伝える」という行為について述べている。 |
「for + 名詞/動名詞」は、行為自体が目的や理由、手段となる「静的な関係性」を表します。一方、「to不定詞」は、主語が意図的に目指す「動的な目標」や「具体的な行動の結果」を表します。この「手段 vs 目標」「静的な理由 vs 動的な意図」という根本的なイメージの違いを理解することが、迷いを解く第一歩です。



パターン別徹底解説:目的を表す「for」と「to」の使い分け8選



前置詞「for」と不定詞「to」は、どちらも「目的」を表すことができますが、その焦点は大きく異なります。「for」は目的に向かう「対象」や「理由」に視点があり、「to」は目的を達成するための「行動」そのものに視点があります。この根本的な違いを理解することで、迷いなく使い分けられるようになります。ここでは、特に混同しやすい4つの代表的なペアを取り上げ、例文とともにそのニュアンスの違いを解説していきます。
「準備」と「意図」の違い:prepare for と prepare to
「準備する」という意味の「prepare」は、「for」と「to」の両方を取ります。どちらを使うかで、準備の対象が「状況」なのか「具体的な行動」なのかが明確に変わります。
- prepare for + 名詞: ある状況や出来事に対して広く備えることを意味します。準備の対象は、その状況そのものや、それに伴う全般的な対策です。
例: I need to prepare for the exam. (試験に備えて準備をしなければならない。)
→ 試験という「イベント」全般に対して、勉強や心構えなど総合的に準備するニュアンスです。 - prepare to + 動詞の原形: これから起こす具体的な行動を意図して準備することを意味します。準備の焦点は、直後に続く「動詞」が表す行為そのものにあります。
例: I need to prepare to take the exam. (試験を受けるために準備をしなければならない。)
→ 「受験する」という具体的な行動を実行するための準備に焦点が当たっています。
「prepare for the meeting(会議に備える)」は、会議という状況に対して資料や心構えを整えることです。「prepare to start the meeting(会議を始める準備をする)」は、「開始する」という具体的な動作に移る段取りを指します。後続が「名詞(状況)」か「動詞(行動)」かをまず確認しましょう。
「理由」の焦点:thank you for と be glad to
感謝や喜びの気持ちを表す表現でも、「for」と「to」の選択は感情の向け先を明確にします。
- thank you for + 名詞/動名詞: 感謝の「理由」や「対象」が何であるかを示します。通常、既に行われた行為や与えられたものを指し、過去の事柄に焦点があります。
例: Thank you for your help. / Thank you for helping me. (手伝ってくれてありがとう。)
→ 「手伝ってくれた」という過去の事実・行為に対して感謝しています。 - be glad to + 動詞の原形: 喜んで〜する、という「意志」や「未来の行為」を示します。感情の理由よりも、これから行うことへの前向きな気持ちが前面に出ます。
例: I’m glad to help you. (喜んでお手伝いします。)
→ 「手伝う」という未来の行為に対して、進んで行う意志を示しています。
この区別は「sorry for」と「sorry to」にも当てはまります。「I’m sorry for being late.(遅れてごめん)」は過去の行為を謝罪し、「I’m sorry to hear that.(それを聞いて残念だ)」は聞いたことへの現在の感情を表します。
「適性」と「目的」:be used for と be used to
「use」から派生したこの2つの表現は、見た目は似ていますが、全く異なる意味と構造を持っています。混乱しやすいので注意が必要です。
- be used for + 名詞/動名詞: 物の「用途」や「目的」を説明します。「〜のために使われる」という意味で、受動態の「use」です。
例: This knife is used for cutting vegetables. (このナイフは野菜を切るのに使われます。)
→ ナイフという道具の一般的な機能・用途を説明しています。 - be used to + 名詞/動名詞: 「〜に慣れている」という状態を表す慣用表現です。ここでの「to」は前置詞であり、後ろには名詞または動名詞が続きます。
例: I am used to getting up early. (私は早起きに慣れています。)
→ 「早起きする」という状況や習慣に対して適応していることを表します。動作を表す場合は「動名詞(〜ing)」が必要です。
「be used to」の「慣れている」という意味では、後ろに動詞の原形を置くことはできません。「used to + 動詞の原形(以前は〜したものだ)」という、過去の習慣を表す別の表現と混同しないよう気をつけましょう。
「時間」と「機会」:time for と time to
日常会話で頻繁に使われる「time」も、「for」と「to」で意味合いが変わります。習慣的なタイミングと、行動を起こすべき機会を見分けましょう。
- It’s time for + 名詞: 何かを行うべき習慣的な「時間帯」や「時刻」が来たことを告げます。焦点は、その活動自体が行われる時間にあります。
例: It’s time for lunch. (昼食の時間です。)
→ 昼食をとる習慣的な時間帯になった、という事実を伝えています。 - It’s time to + 動詞の原形: 何かを始めるべき時、行動を起こす「機会」が熟したことを示唆します。行動への促しや提案のニュアンスが含まれます。
例: It’s time to start the meeting. (会議を始める時です。)
→ 「始める」という具体的な行動を実行に移すべきタイミングである、と行動を喚起しています。
この違いは、「It’s time for bed.(寝る時間だ)」が就寝時刻を指すのに対し、「It’s time to go to bed.(寝床につく時だ)」が実際に布団に入る行動を促す、という対比で考えるとわかりやすいでしょう。
ここで見てきた4つのペアに共通するのは、「for」が指し示すのは「対象・理由・状況」という名詞的な概念であり、「to」が導くのは「行動・意志・変化」という動詞的な概念だということです。次に「for」と「to」のどちらを使うか迷った時は、自分が伝えたい核心が「何に対して(for)」なのか、それとも「何をすること(to)」なのかを自問してみてください。この視点の切り替えが、自然で正確な英語表現への第一歩となります。



「方向・目標」を表す前置詞と不定詞の組み合わせ6選



目標を表現するとき、「何を目指すのか」という成果そのものと、「何をするのか」という行動のどちらに焦点を当てるかで、使うべき表現が変わります。「for + 名詞」は達成したい状態や物事を、「to + 動詞の原形」は実行したい具体的な行為を指すことが基本です。ここでは、方向や目標を表す動詞と前置詞の代表的な組み合わせを、4つのペアに分けて比較しながら見ていきましょう。
「努力の方向」:strive for と strive to
「努力する、奮闘する」という意味の動詞 strive は、for と to の両方を取ります。この選択が、努力の方向性のニュアンスを決定づけます。
strive for (success) は、「成功」という状態や目標そのものを継続的に目指す姿勢を表します。一方、strive to (succeed) は、「成功する」という具体的な行為や結果を達成しようとする努力に焦点があります。
| 表現 | 後続する内容 | 焦点 | 例文 |
|---|---|---|---|
| strive for + 名詞 | 目指す状態・目標物 | 「何を」目指すか | We must strive for excellence in our work. (私たちは仕事で卓越性を目指さなければならない。) |
| strive to + 動詞の原形 | 達成したい具体的な行為 | 「何をし」ようとするか | She strives to improve her language skills every day. (彼女は毎日、語学力向上を目指して努力している。) |
どちらも目標に向かう姿勢を表します。抽象的な概念や状態を目指す場合はforが自然です。例えば、strive for peace(平和を求める)がこれにあたります。一方、strive to finish the project on time(プロジェクトを時間通りに終わらせようと努力する)のように、具体的なタスクの達成を指す場合はtoを使う傾向があります。
「要求と希望」:ask for と ask to
「求める、頼む」という意味のaskも、forとtoの使い分けで求めている内容の性質が明確になります。
- ask for + 名詞:求めている「物」や「許可」などの対象を表します。例えば、ask for permissionは「許可というもの」を求める行為です。
- ask (someone) to + 動詞の原形:誰かに「〜するよう」依頼する、つまり具体的な行為そのものを要求する表現です。例えば、ask to leaveは「去る(という行為の)許可」を求めることを指します。
この違いは、ask for help(助けを求める)とask someone to help you(誰かに助けを頼む)を比べるとわかりやすいでしょう。前者は「助け」というものを一般的に求めるニュアンスで、後者は「助ける」という具体的な行動を誰かに依頼しています。
「許可と目的」:wait for と wait to
「待つ」というwaitにも、注目すべき違いがあります。多くの学習者が混同しがちなポイントです。
wait for の後には、「何を」待っているのかという対象(通常は名詞)が来ます。例えば、wait for the bus(バスを待つ)やwait for a reply(返事を待つ)です。これは、バスや返事という「物事」の発生や到着を待つ状態を表します。
一方、wait to の後には動詞の原形が続き、「〜するのを待つ」という意味になります。wait to board the bus(バスに乗るのを待つ)は、バスに乗るという「行為」の時機を待っている状況です。バス自体は目の前にあるかもしれませんが、乗るタイミングを待っているのです。
「移動の目的」:go to の後ろは名詞か不定詞か?
最も基本的な動詞の一つであるgoにも、toの後に続くもので意味が分かれます。これは「場所」に行くのか、「目的」のために行くのかの違いです。
- go to + 名詞 (場所):「〜へ行く」という移動の目的地を表します。例: go to school(学校へ行く)、go to the station(駅へ行く)。
- go to + 動詞の原形 (不定詞):「〜しに行く」という移動の目的を表します。例: go to study(勉強しに行く)、go to buy groceries(食料品を買いに行く)。
ここで注意が必要なのは、「go to」の直後に動詞の原形が来る場合、それは必ず不定詞のtoだということです。前置詞のtoの後は名詞(または名詞相当語句)しか続かないため、動詞が来る時点で不定詞であると判断できます。
go for も「〜を取りに行く」「〜を求めて行く」という意味で使われますが(例:go for a walk=散歩に行く)、これは「for + 名詞」のパターンです。動詞の原形を目的として使いたいときは、go to doの形を覚えておきましょう。
これらの違いを理解することで、単に「何かを目指す」という漠然とした表現から、「何を目指し、そのために何をしようとしているのか」という具体的で意図が明確な英語表現へと一歩前進できます。
実践力アップ! 選択問題でわかる自然な表現の感覚



前置詞と不定詞の使い分けは、文法を学ぶだけでは不十分です。実際の文脈の中で、どちらがより自然に響くのかを判断できる「感覚」を養うことが重要です。ここでは、TOEICや英検で頻出する選択問題を通じて、その感覚を磨く練習を行いましょう。正解と誤答の理由を分析することで、自分で英文を組み立てる際の確かな判断基準を身につけます。
TOEIC・英検頻出の選択問題に挑戦
まずは、実際の問題形式に近い4択問題に挑戦してみましょう。各問題では、空欄に入る最も自然な表現を選ぶ必要があります。
以下の各問題の空欄(______)に入る最も自然な表現を、a) から d) の中から選んでください。
問題1: She went to the library ______ the latest research paper.
a) to borrow
b) borrowing
c) for borrowing
d) for borrow
問題2: This software is designed ______ data analysis.
a) to perform
b) performing
c) for perform
d) for performing
問題3: We need to apply ______ the grant by the end of this month.
a) to get
b) for getting
c) for
d) to
少し考えてみましたか? ここでは、いきなり答えを出すのではなく、なぜその選択肢が正しいのか、そして他の選択肢がなぜ間違いに感じられるのかを考えるプロセスが大切です。さっそく、各問題の答えとその理由を見ていきましょう。
なぜその選択肢が正解なのか? 誤答の理由を分析
答え合わせと詳細な解説
- 問題1の正解: a) to borrow
「彼女は最新の研究論文を借りるために図書館に行った」という意味です。ここでの目的は「借りる」という行動そのものです。したがって、行動を表す不定詞「to borrow」が適切です。
誤答分析:
– b) borrowing: 「動名詞」は前置詞の目的語としては使えますが、ここでは「行った」の目的を直接示すために不定詞を使うのが自然です。
– c) for borrowing: 「for + 動名詞」は目的を表すこともありますが、この文脈では「借りるための」というやや回りくどい印象を与えます。
– d) for borrow: 「for」の後には名詞(または動名詞)が必要です。「borrow」は動詞の原形なので、この形は文法的に誤りです。 - 問題2の正解: d) for performing
「このソフトウェアはデータ分析を行うために設計されている」という意味です。目的は「データ分析(を行うこと)」という用途・対象に焦点があります。「be designed for + 名詞/動名詞」は「〜用に設計されている」という決まった表現です。
誤答分析:
– a) to perform: 「be designed to + 動詞の原形」は「〜するように設計されている」という意味で、例えば「This software is designed to be user-friendly.(このソフトは使いやすいように設計されている)」のように使います。ここでは「データ分析」という用途を指すので「for」が適切です。
– b) performing: 「design」の直後に動名詞を置くことはできません。
– c) for perform: 先ほどと同様、「for」の後には動詞の原形は来られません。 - 問題3の正解: c) for
「私たちは今月末までにその助成金に申請しなければならない」という意味です。ここでの「apply」は「申請する」という意味の自動詞で、申請の対象(助成金)を示すには「apply for + 名詞」という形を使います。「for」の後には名詞「the grant」が続いています。
誤答分析:
– a) to get: 「apply to get」とすると「得るために申請する」という意味になり、文法的には可能ですが、意味が重複し冗長です。通常、単に「apply for the grant」で十分です。
– b) for getting: 「apply for getting」も同様に冗長で、自然な表現ではありません。
– d) to: 「apply to」は「〜に申し込む(機関など)」という意味で使います(例:apply to a university)。ここでは対象が「物(助成金)」なので、「for」が正解です。
これらの分析からわかることは、単に「前置詞か不定詞か」ではなく、動詞が何を求めているか(後ろに行動か対象か)、そして文脈が何に焦点を当てているかが選択の鍵だということです。
スピーキングとライティングでの応用方法
選択問題で正解を選べるようになったら、次は自分で英文を構成する場面でこの知識を活用しましょう。迷ったときに立ち返るべき、シンプルな判断フローを以下にまとめます。
「strive」「prepare」「use」など、目的を表すことができる動詞を使おうとしているか確認します。その動詞と相性の良い組み合わせ(例:apply for, designed for, strive to)を思い出します。
- 目的が具体的な行動(何をするか)なら → to + 動詞の原形(不定詞)を選ぶ。
(例:I study hard to pass the exam.) - 目的が対象・理由・用途(何のためか)なら → for + 名詞(または動名詞)を選ぶ。
(例:This tool is for cutting paper.)
- 「for」の直後は名詞か動名詞(〜ing)であることを確認する。
- 「to」の直後は動詞の原形であることを確認する(「to」が前置詞でない場合)。
このステップに従うことで、感覚だけに頼らず、論理的に適切な表現を選ぶことができます。特にライティングでは、書いた後に声に出して読んでみて、不自然に感じないかチェックするのも有効な方法です。実際に使われる自然な英語のリズムが、あなたの感覚をさらに研ぎ澄ましてくれるでしょう。



応用編:目的・理由以外の重要な組み合わせと例外パターン
これまで見てきた目的や理由を表すパターンに加えて、英語の表現力を大きく左右する「結果」や「難易度」を表す構文、そして前置詞の直後に動名詞が必須となるイディオムも、使いこなす必要があります。ここでは、TOEICや英検でも頻出するこれらの重要なパターンを、具体的な文例と共に整理していきましょう。
「十分すぎる」と「あまりにも〜」:enough to と too…to
「〜するのに十分な」という結果を表すのが “enough to” 構文です。一方、「あまりにも〜なので…できない」という否定的な結果を表すのが “too…to” 構文です。語順を間違えやすいので、基本のルールを押さえることが重要です。
- 形容詞・副詞 + enough + to + 動詞の原形
例: This question is easy enough to answer. (この問題は答えられるほど簡単です。) - enough + 名詞 + to + 動詞の原形
例: We have enough time to review the lesson. (そのレッスンを復習するだけの時間があります。) - too + 形容詞・副詞 + to + 動詞の原形
例: He was too tired to walk. (彼は疲れすぎて歩けませんでした。)
形容詞や副詞を修飾する “enough” は必ず後ろに置く点に注意しましょう。日本語では「十分に簡単」と言うため、 “enough easy” としてしまいがちですが、これは誤りです。正しくは “easy enough” です。
「簡単・難しい」を表す構文:easy to と easy for
「easy to understand」のような表現は日常的によく使いますが、ここに “for + 人” が加わると意味がどう変わるのでしょうか。この違いは、行為者が一般的か特定の人物かによって決まります。
「This book is easy to read.」は、本そのものが一般的に読みやすい性質を持っていることを表します。対して、「It is easy for me to read this book.」は、「私」という特定の人物にとって読みやすいという意味です。”for A” を使うことで、不定詞の動作を行う意味上の主語(A)を明示しているのです。
この “for A” の構造は、too…to 構文でも同様に使われます。例えば、「その箱はあまりに重くて私には運べなかった」は、「The box was too heavy for me to carry.」と表現できます。
「前置詞+名詞+to不定詞」の複合構造(for A to B)
「for A to B」という形は、不定詞の意味上の主語を明確に示すための重要な構造です。これは、主節の主語(S)と不定詞の動作主(A)が異なる場合に使われます。
「The box was too heavy for me to carry.」という文では、主語は “The box” ですが、実際に「運ぶ」動作をするのは “me” です。このように、動作主が主語と異なる場合、「for + 動作主」を不定詞の直前に置いて区別します。
この構造は、何かを依頼したり、状況を説明したりする場面で非常に便利です。
- It is important for students to understand this rule. (学生がこのルールを理解することは重要です。)
- I arranged for a taxi to come at 8 o’clock. (8時にタクシーが来るように手配しました。)
「動詞+前置詞+動名詞」で固定されるイディオム
最後に押さえておきたいのが、前置詞の直後に動名詞(-ing形)が続くことを絶対条件とするイディオムの存在です。前置詞の後ろには名詞(句)が来るのが原則ですが、その名詞の役割を「動名詞」が担っていると考えれば理解しやすくなります。
- look forward to doing (〜することを楽しみにしている)
- object to doing (〜することに反対する)
- be used to doing (〜することに慣れている)
- be committed to doing (〜することに専念している)
これらのイディオムでは、”to” は不定詞の “to” ではなく、完全な前置詞です。そのため、後ろには必ず名詞または動名詞が来ます。「楽しみにしている」対象が「行為そのもの」なので、動名詞を使うのです。このルールを覚えておけば、「look forward to do」という誤りを防ぐことができます。










