「このレポート、明日までに提出してください」と言われたとき、英語で by tomorrow と書くべきか、until tomorrow と書くべきか、迷ったことはありませんか? 実はこの2つ、意味がまったく異なります。日本語の「〜までに」「〜まで」は似ているようで、英語では使う場面がはっきり分かれているのです。この違いを曖昧にしたまま使い続けると、ビジネスメールや試験で思わぬミスを招きます。まずは2つの前置詞の「コアイメージ」から丁寧に整理していきましょう。
「by」と「until」はここが根本的に違う!時間軸で見るコアイメージ
「by」=完了の締め切り点:その時刻・日付までに動作が終わっていればOK
by は「ある時点を期限として、その時点までに動作が完了している」ことを表します。動作そのものはいつ行ってもかまいません。締め切り当日の朝でも、前日の夜でも、とにかくその時点までに「終わっていること」がポイントです。
Please submit the report by Friday.
(金曜日までにレポートを提出してください。)
この文では、月曜日に提出しても木曜日に提出しても問題ありません。「金曜日という締め切りに間に合っていること」が求められているだけです。by は完了・達成という「点」のイメージを持つ前置詞です。
「until/till」=継続の終点:その時点まで状態・動作がずっと続く
until(口語では till)は「ある時点まで、状態や動作が継続している」ことを表します。動作が途中で止まってはいけません。開始時点からその時点まで、ずっと続いているイメージです。
I will wait until Friday.
(金曜日まで(ずっと)待ちます。)
「待つ」という行為が金曜日に至るまで継続していることを表しています。until は継続という「バー(線)」のイメージを持つ前置詞です。
2つの違いを一発で理解する「時間軸グラフ」で視覚化
頭の中に時間軸を描いてみてください。「by」は時間軸上の1点に打たれた「完了マーク」、「until」は始点から終点まで伸びる「継続バー」と考えると、2つの違いが一目瞭然です。
| 比較項目 | by | until/till |
|---|---|---|
| 意味のコア | 完了の期限・締め切り点 | 継続の終点 |
| 時間軸イメージ | 点(完了マーク) | 線(継続バー) |
| 相性の良い動詞 | 完結動詞(finish, submit, arrive など) | 継続動詞(wait, stay, work, sleep など) |
| 例文 | Finish it by noon. | Wait until noon. |
「by Friday」と「until Friday」は日本語では両方「金曜日まで」と訳せますが、意味はまったく別物です。文脈と動詞の種類を必ず確認しましょう。
- by = 完了・達成の期限を示す「点」。その時点までに動作が終わっていればOK
- until/till = 継続の終点を示す「線」。その時点まで状態や動作がずっと続く
- 完結動詞(arrive, finish など)には by、継続動詞(wait, stay など)には until が自然に合う
例文で徹底比較!by と until を入れ替えると意味はどう変わるか
by と until は、同じ文に入れ替えるだけで意味がガラリと変わります。「動作が完結するのか、継続するのか」という動詞の性質が、どちらを使うべきかを決める最大のポイントです。具体的な例文を使いながら、3つの場面で比較していきましょう。
日常会話での使い分け:宿題・約束・待ち合わせ
まず、日常会話でよく登場する「宿題」「約束」「待ち合わせ」の場面を見てみましょう。
by の例: Please finish your homework by 9 p.m.
(午後9時までに宿題を終わらせてください。)until の例: I will wait for you until 9 p.m.
(午後9時まであなたを待ちます。)
最初の文は「午後9時」が締め切り点で、その時点までに finish(完結動詞)する必要があります。一方、2文目の wait は「待つ」という状態が9時まで続く継続動詞です。この2つを入れ替えると、どちらも不自然または意味不明な文になってしまいます。
ビジネス場面での使い分け:締め切り・在席・対応期限
ビジネスメールでは by と until の誤用が特に目立ちます。相手に失礼な印象を与えないためにも、正しい使い方を押さえておきましょう。
締め切りを伝える(by):
Could you please submit the report by Friday?
(金曜日までにレポートをご提出いただけますでしょうか。)在席・対応可能期間を伝える(until):
I will be available until 3 p.m. today.
(本日午後3時まで対応可能です。)対応期限を依頼する(by):
Please let us know your decision by the end of this week.
(今週末までにご判断をお知らせください。)
submit(提出する)や let us know(知らせる)は一度行えば完結する動作なので by を使います。be available(対応可能な状態にある)は状態が続くので until が自然です。
「どちらでも使える」ケースと「絶対に入れ替えられない」ケース
実は、ごく一部のケースでは by と until の両方が使えることがあります。ただし意味は微妙に異なります。
| 例文 | by を使った場合 | until を使った場合 | 入れ替え可否 |
|---|---|---|---|
| Please finish this ___ Friday. | 金曜日までに完了する(締め切り) | 不自然・ほぼ使わない | 不可 |
| Please wait ___ Friday. | 「金曜日までには待ち終わる」→不自然 | 金曜日まで待つ(継続) | 不可 |
| I need to stay here ___ 5 p.m. | 5時までには(退席する含意) | 5時まで(ずっとその場にいる) | 条件付きで可(意味が変わる) |
| Please send the file ___ noon. | 正午までに送る(締め切り) | 不自然 | 不可 |
finish / submit / send / complete / let us know など「一度やれば終わる動詞」には by を使う。wait / stay / keep / remain など「状態・動作が続く動詞」には until を使う。この2つのルールを覚えるだけで、ほとんどのミスを防げます。
「継続動詞=until、完結動詞=by」この対応関係を頭に入れておけば、ビジネスメールでも日常会話でも迷わず使い分けられるようになります。
ここで差がつく!「by the time」「no later than」「as of」など発展表現を攻略
by と until の基本を押さえたら、次は実際のビジネスや試験でよく登場する発展表現に挑戦しましょう。この4つの表現を使い分けられるかどうかが、中級者と上級者の分岐点です。それぞれのコアイメージを丁寧に確認していきます。
「by the time」=「〜するころには」:節を導く接続詞的用法の落とし穴
by the time は前置詞 by とは異なり、後ろに「主語+動詞」の節(SV)を従える接続詞的な表現です。意味は「〜するころには(すでに…している)」。主節との時制のズレに注意が必要で、未来の出来事を表す場合でも by the time 節の中は現在形を使います。
By the time + S + V(現在形), S + will have + 過去分詞(未来完了)の形が基本です。例: By the time you arrive, I will have finished dinner.(あなたが着くころには、夕食を終えているでしょう。)
by the time 節が未来を指していても、節内の動詞は現在形(arrives)を使います。will arrive とするのは誤りです。時・条件を表す副詞節では未来形を使わないルールが適用されます。
主節には「すでに〜し終えている」という完了のニュアンスが伴うため、未来完了(will have done)や過去完了(had done)を使うのが自然です。
by the time 節の中で will を使うのは典型的なミスです。By the time he will come back は誤り。正しくは By the time he comes back です。TOEIC・英検でも頻出のひっかけポイントなので必ず押さえましょう。
「no later than」:ビジネス文書・公式通知で使われる強調型の締め切り表現
no later than は by とほぼ同じ意味(〜までに)ですが、文体がより硬く、公式文書・通知・契約書などで使われます。「それより遅くならないように」という強調のニュアンスが含まれており、締め切りを厳守させたい場面で効果的です。
「as of」:特定時点での状態を示す表現と by との使い分け
as of は「〜の時点で(の状態)」を表します。by が「期限・締め切り」を示すのに対し、as of は「その時点における現状のスナップショット」を示す点が根本的に異なります。例えば As of Monday, the policy has changed. は「月曜日の時点でポリシーが変わっている」という状態の基準時点を示しています。
「within」との違い:期間内 vs 期限点の感覚をつかむ
within は「〜以内に」という期間の幅を示します。by が特定の時点(点)を締め切りとして示すのに対し、within は起点から一定の幅(期間)の中での完了を意味します。
- by:特定の時点を締め切りとして示す。日常〜ビジネス全般で使える万能表現
- no later than:by と同義だが文体が硬い。公式文書・通知・契約書向け
- as of:期限ではなく基準時点を示す。「〜時点での状態」を述べるときに使う
- within:期間の幅(〜以内)を示す。起点が明示されなくても使える
迷ったときは「締め切りの点を示したいか(by / no later than)」「状態の基準時点を示したいか(as of)」「期間の幅を示したいか(within)」という視点で判断すると、自然に使い分けができるようになります。
TOEIC・英検でよく出る!by/until 選択問題のパターンと解き方
試験で by/until の選択問題が出たとき、なんとなく感覚で選んでいませんか?実は動詞の種類と文脈の2点を確認するだけで、正答率が大きく上がります。まず2つの判断パターンを整理しましょう。
試験頻出パターン①:動詞の種類で判断する(完結動詞 vs 継続動詞)
動詞には「一瞬で完結する動詞」と「時間をかけて続く動詞」の2種類があります。この区別が by/until の選択に直結します。
| 動詞の種類 | 例 | 使う前置詞 |
|---|---|---|
| 完結動詞(一度起きて終わる) | finish, submit, arrive, send | by |
| 継続動詞(状態や動作が続く) | wait, stay, work, keep, live | until |
試験頻出パターン②:文脈の「締め切り」か「継続」かを読み取る
動詞だけで判断できない場合は、文全体が「ある時点までに何かを完了させる話」なのか、「ある時点まで何かが続く話」なのかを確認します。deadline(締め切り)・due(期限)・no later than などの語句が文中にあれば by が正解になることが多いです。
- 動詞を確認する → 完結動詞なら by、継続動詞なら until
- 動詞だけで判断できない場合 → 文脈が「完了の期限」なら by、「継続の終点」なら until
実践練習問題5問(解答・解説つき)
2ステップの判断フローを使いながら、実際の試験形式で解いてみましょう。
問題1
Please submit the report _____ Friday.
- (A) until
- (B) by
- (C) during
- (D) since
問題2
She waited at the station _____ the last train arrived.
- (A) by
- (B) until
- (C) before
- (D) after
問題3
The store will stay open _____ 10 p.m.
- (A) by
- (B) until
- (C) at
- (D) on
問題4
You must complete the application _____ the end of this month.
- (A) until
- (B) since
- (C) by
- (D) for
問題5
He kept practicing _____ he could play the piece perfectly.
- (A) by
- (B) until
- (C) when
- (D) while
- 「finish by」と「finish until」、どちらでも良いのでは?
-
「finish until」は誤りです。finish は完結動詞なので必ず by を使います。「finish until」という組み合わせは英語として成立しません。「until なら継続動詞」というルールを徹底しましょう。
- 「I’ll be there by 5」と「I’ll be there until 5」は両方正しい?
-
どちらも文法的には正しいですが意味が異なります。by 5 は「5時までに到着する(完了)」、until 5 は「5時までそこにいる(継続)」です。試験では文脈をよく読んで使い分けてください。
- 動詞を見ても完結か継続か判断できない場合はどうすれば?
-
文中に deadline・due・no later than などの締め切りを示す語句があれば by、「〜し続ける」「〜の状態が保たれる」という文脈であれば until と判断してください。2ステップフローを順番に確認する習慣をつけることが大切です。
ビジネスメールで今すぐ使える!期限・締め切り表現フレーズ集
文法を理解したら、次は実際のメールで使えるフレーズに落とし込みましょう。by と until の使い分けは、実際のフレーズを場面ごとに覚えることで自然と身につきます。3つの場面に分けて整理します。
締め切りを伝える:依頼・通知・リマインダーのフレーズ
「いつまでに提出してほしい」と伝える場面では、完結動詞(submit, send, complete など)と組み合わせる by が基本です。相手に行動の完了を求めるからこそ、by を使います。
| 場面 | フレーズ例 |
|---|---|
| 依頼(カジュアル) | Please send me the file by Friday. |
| 依頼(標準) | Could you submit the report by the end of this week? |
| 通知(標準) | The deadline for submission is by 5 p.m. on Thursday. |
| 通知(フォーマル) | All applications must be received by the closing date. |
| リマインダー(標準) | Just a reminder that the form is due by tomorrow morning. |
| リマインダー(フォーマル) | Please be advised that responses are required no later than noon on Friday. |
締め切りを確認・交渉する:期限延長・確認依頼のフレーズ
期限の延長を依頼するときは until を使うのが自然です。「その日まで継続して待ってほしい」という継続のニュアンスが until にぴったり合います。
| 場面 | フレーズ例 |
|---|---|
| 期限確認(標準) | Could you confirm the deadline for this project? |
| 延長依頼(標準) | Could you extend the deadline until next Monday? |
| 延長依頼(フォーマル) | I would appreciate it if the deadline could be extended until the end of next week. |
| 猶予のお願い(標準) | Would it be possible to wait until Wednesday for my response? |
期限表現の丁寧度レベル別:カジュアル〜フォーマルの使い分け
- カジュアル(同僚・チーム内):Please ~ by ~. / Send it by ~.
- ビジネス標準(取引先・上司):Could you ~ by ~? / The deadline is by ~.
- フォーマル(公式文書・初対面):We kindly request ~ no later than ~. / All submissions must be received by ~.
相手との関係性と文書の性質で使い分けるのが基本です。迷ったら「Could you ~ by ~?」の標準形を選べば、ほとんどの場面で失礼なく使えます。
件名: Reminder: Report Submission Deadline
Hi [Name],
This is a friendly reminder that the monthly report is due by 5 p.m. this Friday. Could you confirm whether you will be able to meet the deadline? If you need more time, please let me know, and I can extend it until Monday morning.
Best regards,
まとめ:by と until の使い分けをマスターしよう
この記事では、by と until のコアイメージの違いから始まり、例文での比較、by the time・no later than・as of・within といった発展表現、試験対策の練習問題、そしてビジネスメールで使えるフレーズ集まで、「期限・締め切り」にまつわる英語表現を体系的に解説しました。
- by は「完了の期限(点)」、until は「継続の終点(線)」というコアイメージを持つ
- 完結動詞(finish, submit など)には by、継続動詞(wait, stay など)には until を使う
- by the time 節の中では未来でも現在形を使う(will は使わない)
- no later than は by の硬い言い換え、as of は基準時点、within は期間の幅を示す
- 試験では「動詞の種類」→「文脈」の2ステップで判断すると正答率が上がる
- ビジネスメールでは場面と丁寧度に合わせてフレーズを選ぶことが大切
by と until の違いは、一度コアイメージをつかんでしまえば、あとは動詞の性質を確認するだけで自然に使い分けられるようになります。ビジネスメールでも試験でも、今日から自信を持って使ってみてください。
- by と until はどちらも「〜まで」と訳せるのに、なぜ使い分けが必要なのですか?
-
日本語の「〜まで」は「期限(完了)」と「継続(終点)」の両方を表せますが、英語では by と until で意味が明確に分かれています。by は「その時点までに動作が完了している」こと、until は「その時点まで状態・動作が続いている」ことを表すため、動詞の性質に合わせて使い分けることが必要です。
- till と until はどう違いますか?
-
till と until は意味・用法ともにほぼ同じです。till は口語・カジュアルな場面でよく使われ、until はフォーマルな文書や書き言葉に向いています。試験では until が出題されることが多いので、まず until を優先して覚えておきましょう。
- by the time と when の違いは何ですか?
-
by the time は「〜するころには(すでに…し終えている)」という完了のニュアンスを含みます。一方 when は単に「〜するとき」という時点を示すだけで、完了の含意はありません。主節に完了形(will have done / had done)を使いたい場合は by the time を選びましょう。
- within と by はどう使い分ければよいですか?
-
by は「特定の時点(日付・時刻)」を締め切りとして示します。within は「〜以内に」という期間の幅を示し、起点が明示されていなくても使えます。例えば「3日以内に返信する」は Reply within three days.、「金曜日までに返信する」は Reply by Friday. となります。
- ビジネスメールで締め切りを伝えるとき、by と no later than はどちらが適切ですか?
-
日常的なビジネスメールでは by で十分です。no later than は「それより遅れてはいけない」という強調のニュアンスがあり、公式通知・契約書・重要な締め切りを伝える場面に向いています。相手との関係性や文書の性質に応じて使い分けてください。

