「not only A but also B」「either A or B」「both A and B」――英語の教科書で一度は目にしたことがあるはずのこれらの表現、実は全部まとめて「相関接続詞」というグループに属しています。知っているようで、いざ使おうとすると語順が崩れたり、動詞の数が合わなくなったりしてしまう。そんな経験はありませんか?この記事では、相関接続詞の仕組みを根本から整理し、日本人が陥りやすいミスを徹底的に解説します。
相関接続詞とは?「2語ひと組」で機能する仕組みを理解しよう
普通の接続詞との違い:なぜ「ペア」で使うのか
「and」や「but」のような一般的な接続詞は、1語だけで2つの要素をつなぎます。一方、相関接続詞(correlative conjunctions)は2つの語が文中の離れた位置に分かれて置かれ、セットで初めて意味をなすという点が最大の特徴です。
たとえば “She is kind and smart.” の「and」は1語で完結しています。しかし “She is not only kind but also smart.” では、「not only」と「but also」が対になって初めて「kindとsmartの両方を強調する」という意味が成立します。つまり、片方だけ書いてしまうと文が壊れてしまうのです。
相関接続詞とは、2つの語がペアになって文中に配置され、対応する2つの要素を文法的に対等に結びつける接続詞のこと。「対等に結ぶ」という点が最重要で、AとBには同じ品詞・同じ文法構造が来なければなりません(これを「並列の原則」と呼びます)。
この「並列の原則」こそが、日本人学習者が最もミスしやすいポイントです。「not only 動詞句 but also 名詞句」のように、AとBで品詞がバラバラになってしまうケースが頻出します。詳しくは後のセクションで解説しますが、まずは全体像を把握しましょう。
英語の相関接続詞5ペア一覧と基本の意味
英語でよく使われる相関接続詞は主に5ペアです。それぞれの意味と基本的な用途を確認しておきましょう。
| 相関接続詞ペア | 日本語の意味 | 主な用途・ニュアンス |
|---|---|---|
| not only A but also B | AだけでなくBも | Aに加えてBも強調したいとき。「also」は省略可 |
| both A and B | AもBも両方 | 2つの要素を同時に肯定する。複数扱いになる |
| either A or B | AかBのどちらか | 2択の選択肢を示す。否定文では「どちらも〜ない」 |
| neither A nor B | AもBも〜ない | 2つを同時に否定する。動詞はBに一致させる |
| whether A or B | AであろうとBであろうと | どちらの条件でも成立することを示す |
この5ペアを使いこなすと、英文に論理的なリズムと明確さが生まれます。「AとBの関係性」を読み手に対してクリアに伝えられるため、ビジネスメールや英作文でも非常に重宝する表現です。次のセクションからは、各ペアの使い方と注意点を1つずつ丁寧に掘り下げていきます。
5ペア徹底解説:意味・ニュアンス・よくある使用例
相関接続詞には代表的な5つのペアがあります。それぞれ意味・ニュアンス・使える場面が異なるため、一つひとつ整理していきましょう。
not only A but also B:「AだけでなくBも」強調のペア
「AだけでなくBも」という意味で、Bの内容をより強く強調したいときに使う表現です。alsoは省略可能で、but ratherに置き換えると「AというよりむしろB」という意味になります。
She is not only a talented singer but also a skilled guitarist.
(彼女は才能ある歌手であるだけでなく、ギタリストとしても優れている。)This app is not only convenient but rather essential for daily life.
(このアプリは便利なだけでなく、むしろ日常生活に欠かせないものだ。)
both A and B:「AもBも両方」肯定のペア
AとBの両方が成立することを肯定的に述べるペアです。主語に使うと動詞は複数扱いになる点に注意しましょう。
Both reading and listening are important for language learning.
(読むことも聴くことも、言語学習には重要だ。)He speaks both English and French fluently.
(彼は英語もフランス語も流暢に話す。)
either A or B:「AかBかどちらか」選択のペア
AかBのどちらか一方を選ぶ場面で使います。動詞の数はBに合わせるのがルールです(近接一致)。
You can either call me or send me an email.
(電話するかメールを送るか、どちらでも構いません。)Either you or he is responsible for this mistake.
(あなたか彼のどちらかがこのミスの責任を負う。)
neither A nor B:「AもBもどちらでもない」否定のペア
either…orの否定バージョンです。neither…norだけで否定の意味を持つため、文中に他の否定語(not, neverなど)を重ねてはいけません。動詞の数はBに合わせます。
Neither the manager nor the staff members were informed of the change.
(マネージャーもスタッフも、その変更について知らされていなかった。)I like neither coffee nor tea.
(私はコーヒーも紅茶も好きではない。)
neither…norは「二重否定」になるため、I don’t like neither coffee nor tea. のように notと組み合わせるのは誤りです。
whether A or B:「AであれBであれ」条件・譲歩のペア
whether…orは「〜かどうか」という名詞節と、「〜であれ〜であれ」という副詞節(譲歩)の両方で使われます。ifと似ていますが、ifは名詞節のみで使え、副詞節の譲歩用法はwhetherだけが担当します。
I don’t know whether she will come or not.
(彼女が来るかどうか分からない。)※名詞節Whether you agree or disagree, the decision has been made.
(賛成であれ反対であれ、決定はすでに下された。)※副詞節(譲歩)
- not only…but also → Bを強調。alsoは省略OK、but ratherで言い換え可
- both…and → 両方肯定。主語に使うと動詞は複数形
- either…or → どちらか選択。動詞はBに合わせる
- neither…nor → 両方否定。notとの二重否定は禁止
- whether…or → 名詞節・副詞節どちらにも使える。譲歩用法はifで代替不可
並列構造(parallelism)の鉄則:AとBは必ず同じ形に揃える
並列構造とは何か?なぜ揃えなければならないのか
相関接続詞を使うとき、絶対に守らなければならないルールがあります。それが「並列構造(parallelism)」です。AとBに入る要素は、品詞・句・節のレベルを必ず揃えなければなりません。たとえば「not only A but also B」のAが名詞なら、Bも名詞でなければなりません。これを守らないと、文の論理が崩れ、読み手に意味が正確に伝わらなくなります。英語ネイティブが「何か変だ」と感じる文の多くは、この並列の乱れが原因です。
品詞レベルで見る並列ルール:名詞・動詞・形容詞・句・節
並列が必要なのは特定の品詞に限りません。どんな文法カテゴリーであっても、AとBは同じ種類で揃えます。
| AとBの種類 | 例文 |
|---|---|
| 名詞と名詞 | both speed and accuracy |
| 動詞(原形)と動詞(原形) | not only read but also write |
| 形容詞と形容詞 | either hot or cold |
| 不定詞句と不定詞句 | both to study and to practice |
| that節とthat節 | not only that he lied but also that he hid it |
並列が崩れた文 vs. 正しい文:ビフォーアフターで確認
実際の誤文と修正例を見て、どこが問題なのかを確認しましょう。
相関接続詞の前半(A)が名詞なのか、動詞原形なのか、不定詞句なのかを確認します。
後半(B)がAと同じ文法カテゴリーになっているかチェックします。品詞や句・節の種類が一致しているかが判断基準です。
形がずれている場合はBをAに合わせて書き直します。AをBに合わせて変更しても構いませんが、文全体の意味が変わらないか必ず確認しましょう。
英検・大学受験・TOEICでは、並列の崩れを含む誤文を選ばせたり、正しい形に書き換えさせたりする問題が出題されます。相関接続詞が登場したら「AとBの形は揃っているか」を真っ先に確認する習慣をつけておきましょう。次のセクションでは、試験に出やすい具体的な問題パターンを取り上げます。
日本人が犯しがちな誤用パターン10選と完全攻略法
相関接続詞は「知っている」と「正しく使える」の間に大きな壁があります。ここでは日本人学習者が特に陥りやすいミスを、「なぜ間違えるのか」という視点とともに徹底解説します。
not only…but alsoでよくある3大ミス
日本語の「AだけでなくBも」という発想がそのまま英語に持ち込まれることで、以下の3つのミスが頻発します。
| ミスの種類 | 誤文 | 正文 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 品詞のずれ | She is not only kind but also a helping others. | She is not only kind but also helpful. | AとBは同じ品詞(形容詞)に揃える |
| alsoの脱落 | He can not only sing but dance well. | He can not only sing but also dance well. | but alsoはセットで覚える(alsoは省略可だが試験では要注意) |
| notの位置ミス | She not only is a teacher but also a doctor. | She is not only a teacher but also a doctor. | not onlyはBEの後、一般動詞の前に置く |
「not only」のnotを文頭に置くと倒置が起きる上級構文になります。試験で狙われやすいので注意しましょう。
either/neither構文で混乱しやすいポイント
日本語には「either/neither」に対応する明確な語がないため、混乱が起きやすい箇所です。特に「neither…nor」は二重否定のように見えますが、neither…norは「AもBも〜ない」という一つの否定表現であり、notは不要です。「not neither」のように否定を重ねるのは誤りです。
- I don’t like neither coffee nor tea. (二重否定NG)
- Either he or she are coming. (動詞の数の一致NG)
- I like neither coffee nor tea. (正しい否定)
- Either he or she is coming. (Bの「she」に動詞を合わせる)
動詞の数(単数・複数)の一致:主語が相関接続詞のとき
相関接続詞が主語になるとき、動詞の数は以下のルール(proximity rule)で決まります。
- both A and B → 常に複数扱い(動詞は複数形)
- either A or B / neither A nor B → Bの名詞の数に動詞を合わせる
- not only A but also B → Bの名詞の数に動詞を合わせる
「Both A and B」だけは例外なく常に複数扱いです。一方、「either/neither」と「not only…but also」はBに近い名詞(直前の名詞)に動詞を一致させるproximity ruleが適用されます。たとえば「Either the students or the teacher is responsible.」のように、Bが単数なら動詞も単数になります。
both…andとnot only…but alsoの使い分けミス
意味が似ているため混同されがちですが、ニュアンスに明確な違いがあります。both…andは「AもBも両方」と均等に述べる表現、not only…but alsoは「AだけでなくBも(Bをより強調)」と片方を際立たせる表現です。単に事実を列挙したいなら「both…and」、驚きや強調を加えたいなら「not only…but also」を選びましょう。
均等に2つを挙げたい → both…and/片方を強調・驚きを表したい → not only…but also/どちらか一方を選ぶ → either…or/どちらも否定 → neither…nor。この4パターンを軸に判断すると迷いがなくなります。
試験頻出問題で実力チェック!相関接続詞&並列構造の演習
ここまで学んできた相関接続詞と並列構造のルールを、実際の試験形式で確認しましょう。大学受験・英検・TOEICで頻出の3つの問題形式に挑戦してみてください。
穴埋め問題:正しい相関接続詞を選ぼう(5問)
- Q1. She is ( A ) a teacher ( B ) a writer. 彼女は教師であり作家でもある。 A: not only / B: but also A: either / B: or A: neither / B: nor
-
正解: A: not only / B: but also。「AだけでなくBも」という意味で、両方に当てはまる場合は not only…but also を使います。either…or は「AかBかどちらか」、neither…nor は「AもBも〜ない」なので文意に合いません。
- Q2. You can take ( A ) the bus ( B ) the train to get there. A: both / B: and A: either / B: or A: not only / B: but also
-
正解: A: either / B: or。「バスか電車のどちらかで行ける」という選択肢を示す文です。both…and は「両方」を意味するので、ここでは文意に合いません。either…or が「AかBか」の選択を表します。
- Q3. ( A ) Tom ( B ) his brother was invited to the party. — 二人とも招待されなかった。 A: Neither / B: nor A: Either / B: or A: Both / B: and
-
正解: A: Neither / B: nor。「トムも弟も招待されなかった」という否定の意味です。neither…nor は「AもBも〜ない」を表し、動詞は nor の後に来る主語(his brother)に合わせて単数形にします。
- Q4. ( A ) the manager ( B ) the staff members attended the meeting. — 全員出席した。 A: Both / B: and A: Either / B: or A: Neither / B: nor
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正解: A: Both / B: and。「マネージャーもスタッフも出席した」と両方を肯定する文です。both…and は複数扱いになるため、動詞は attended(過去形)で問題ありません。
- Q5. The exam tests ( A ) your grammar knowledge ( B ) your reading comprehension. A: not only / B: but also A: neither / B: nor A: either / B: or
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正解: A: not only / B: but also。「文法知識だけでなく読解力も試す」という付加的な意味を表します。not only…but also は「Aに加えてBも」というニュアンスで、試験の出題範囲を列挙する文脈に最適です。
誤文訂正問題:並列構造の崩れを見つけて直そう(5問)
並列構造の崩れは、相関接続詞の問題で最も多く失点するポイントです。AとBが同じ品詞・形になっているかを必ず確認しましょう。
- Q1. She not only sings but also is dancing well.
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正解: She not only sings but also dances well. / not only の後が「動詞の原形(sings)」なのに、but also の後が「is dancing(進行形)」になっており並列が崩れています。両方を動詞の現在形に統一します。
- Q2. Both to exercise and eating well are important for health.
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正解: Both exercising and eating well are important for health. / both の後が「to exercise(不定詞)」なのに、and の後が「eating(動名詞)」と形が不一致です。動名詞で統一するのが自然です。
- Q3. You can either call me or sending an email.
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正解: You can either call me or send an email. / either の後が「call(動詞原形)」なのに、or の後が「sending(動名詞)」になっています。助動詞 can の後に続く形として、両方を動詞原形に揃えます。
- Q4. He is not only talented but also he works hard.
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正解: He is not only talented but also hardworking. / not only の後が「形容詞(talented)」なのに、but also の後が「節(he works hard)」になっています。形容詞で統一し、hardworking とするのが正しい並列です。
- Q5. Neither the food was good nor the service.
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正解: Neither the food nor the service was good. / neither…nor は「Neither A nor B」の語順で使い、AとBに同じ品詞の要素を置きます。述語動詞(was good)は文末にまとめ、名詞句を並列させるのが正しい構造です。
英作文チャレンジ:相関接続詞を使って文を作ってみよう(3問)
次の日本語を英訳してください。模範解答と言い換えパターンも参考にして、表現の幅を広げましょう。
模範解答: She can speak not only English but also French. / 言い換え: She speaks both English and French. / She can speak French as well as English. / ポイント: not only…but also の後はどちらも名詞(言語名)で統一します。
模範解答: The plan requires neither cost nor time. / 言い換え: The plan does not require either cost or time. / ポイント: neither…nor を使う場合、動詞は肯定形(requires)にします。either…or を使う場合は動詞を否定形(does not require)にする点に注意。
模範解答: You can pay either in cash or by credit card. / 言い換え: Payment can be made either in cash or by credit card. / ポイント: 前置詞(in / by)が異なっていても、名詞句レベルで並列が成立していれば問題ありません。
演習後の自己チェックポイント
- 穴埋めで迷った → 各相関接続詞の意味(選択・付加・否定)を再確認
- 誤文訂正で見逃した → AとBの品詞が揃っているか、声に出して確認する習慣を
- 英作文で語順が崩れた → 「相関接続詞の直後に対応する要素を置く」鉄則を意識する
- neither…nor の動詞形を間違えた → 動詞は肯定形・主語の近い方に一致させるルールを復習
よくある質問(FAQ)
- 「not only A but also B」のalsoは省略してもよいですか?
-
口語・文語ともにalsoは省略可能で、「not only A but B」という形も正しい英語です。ただし、試験(特に英検・大学受験)では「but also」をセットで問う問題が多いため、省略形に慣れすぎないよう注意しましょう。
- 「either A or B」と「neither A nor B」はどう使い分ければよいですか?
-
either…orは「AかBのどちらか一方」を選ぶ肯定的な選択を表します。一方、neither…norは「AもBもどちらでもない」という二者同時否定です。文に否定の意味を持たせたいときはneither…norを使い、動詞は肯定形にします。
- 「both A and B」が主語のとき、動詞はなぜ複数形になるのですか?
-
both…andは「AとBの両方」を意味するため、主語が2つ存在することになります。そのため動詞は必ず複数形(are, wereなど)になります。これはeither…orやneither…norとは異なるルールなので、混同しないよう注意しましょう。
- 「whether」と「if」はどう違いますか?
-
名詞節(〜かどうか)を導く場合はwhether・ifどちらも使えます。しかし、「AであれBであれ」という譲歩の副詞節を作る場合はwhetherのみが使えます。ifで副詞節の譲歩を表すことはできないため、whether…orの構文を覚えておくことが重要です。
- 並列構造のミスを防ぐ最も効果的な方法は何ですか?
-
相関接続詞を書いたら、AとBの品詞・形を声に出して確認する習慣をつけることが最も効果的です。「not only 形容詞 but also 形容詞」「both 動名詞 and 動名詞」のように、AとBをラベルで置き換えてチェックするとミスを防ぎやすくなります。

