英語で『意志決定』を促し導く!社内会議で合意形成を加速するビジネス英会話フレーズ完全ガイド

グローバルなチームとの会議で、「これで決まりですね?」と確認したつもりが、後日「あの決定はプロジェクトには適用されない」と言われた経験はありませんか?あるいは、議論が堂々巡りで結局「次回もっと情報を集めて話し合いましょう」で終わってしまう。これは時間と機会の損失です。こうした「決まらない会議」は、単に言語の壁だけでなく、意思決定プロセスそのものの構造的な問題に起因していることが多いのです。本記事では、英語での会議で合意形成を加速するために、このプロセスの「壁」を特定し、それを突破する具体的なフレーズをご紹介します。

目次

なぜ会議は「決まらない」のか?意思決定プロセスを阻む3つの壁と英語での克服法

意思決定が停滞する会議には、共通する3つの構造的な問題があります。母語であれば、文脈や空気でなんとなく乗り切れることもありますが、英語での会議では、この「なんとなく」が通じず、問題が顕在化・増幅されます。それぞれの「壁」と、それを英語で明確化するための鍵となるフレーズを押さえましょう。

注意点

ここで挙げるフレーズは、非難や追及のためではなく、チーム全員が同じ認識を持つための「共通言語」として使うことが重要です。問題を早期に発見し、建設的に解決するためのツールと考えましょう。

壁1: 問題の定義が曖昧 (Vague Problem Definition)

「売上が伸び悩んでいる」という漠然とした課題設定では、解決策は無限に広がり、焦点が定まりません。問題を「誰が」「何を」「どの程度」困っているのか、具体的に定義することが第一歩です。

悪い例: “We need to improve sales.” (売上を改善する必要があります。)

良い例: “We are seeing a 15% decline in sales of Product A in the European market over the last quarter, compared to the same period last year.” (昨年同期比で、製品Aの欧州市場での売上が前四半期で15%減少しています。)

  • 明確化フレーズ: “To make sure we’re all aligned, could you clarify what the core problem is?” (全員の認識を合わせるために、核心的な問題は何か明確にしていただけますか?)
  • 明確化フレーズ: “When you say ‘the issue,’ are you referring to X or Y specifically?” (「問題」と言うとき、具体的にはXのことですか、それともYのことですか?)
  • 明確化フレーズ: “Let’s frame the problem as: How might we increase market share among young professionals?” (問題をこのように設定しましょう:若手プロフェッショナルの間で市場シェアをどう上げるか?)

壁2: 選択肢の評価基準が共有されていない (Unshared Evaluation Criteria)

選択肢AとBを比較するとき、Aはコストが低く、Bはスピードが速い場合、何を優先するかが決まっていなければ議論は平行線です。会議の冒頭で「今回は何を最優先で評価しますか?」と確認することが、無駄な議論を防ぎます。

  • 明確化フレーズ: “Before we discuss options, what are our key criteria for evaluation? Is it cost, speed, or long-term impact?” (選択肢を議論する前に、評価の主要基準は何ですか?コスト、スピード、それとも長期的な影響ですか?)
  • 明確化フレーズ: “It seems we’re weighing different factors. Let’s agree on the priority: First cost, then implementation time. Does that work for everyone?” (異なる要素を比較しているようです。優先順位を決めましょう:第一にコスト、次に実装期間。これで皆さん大丈夫ですか?)
  • 明確化フレーズ: “How are we defining ‘success’ for this project? Is it user growth by X% or revenue by Y?” (このプロジェクトの「成功」をどのように定義しますか?ユーザー数をX%増やすことですか、それとも収益をYにすることですか?)

壁3: 曖昧な合意と責任の所在の不明確さ (Ambiguous Agreement)

「じゃあ、それで進めましょう」で終わった会議。しかし、「それ」が何で、「誰が」「いつまでに」「何を」するのかが明確でなければ、何も決まったことにはなりません。英語では、特に “We’ll look into it.” (検討します) や “Sounds good.” (いいね) などの曖昧な表現が、合意と誤解されがちです。

  • 明確化フレーズ: “To confirm our decision, we are choosing Option B, correct?” (決定を確認しますが、私たちは選択肢Bを選んだ、ということで正しいですか?)
  • 明確化フレーズ: “Let’s summarize the action items: John will draft the proposal by Friday, and Maria will gather feedback by next Tuesday. Did I capture everything correctly?” (アクションアイテムをまとめましょう:ジョンが金曜までに提案書を起草し、マリアが来週火曜までにフィードバックを集めます。すべて正しく把握できていますか?)
  • 明確化フレーズ: “When you say ‘we’ll handle it,’ who specifically will be the owner of this task?” (「対応します」と言われましたが、具体的に誰がこのタスクの担当者になりますか?)

Step 1: 意思決定の土台を作る – 「何を決めるのか」を英語で明確に定義する

決まらない会議の最も多い原因は、「何を決めるべきか」が曖昧なまま議論が始まってしまうことにあります。会議の冒頭で、明確な決定事項 (Decision Item)とその背景を共有することで、全員の認識を一致させることが第一歩です。ここでは、その土台を英語で確立するための具体的なフレーズを学びましょう。

このステップの目標

会議の開始から5分以内に、全員が「今日は何について、どのような基準で決めるのか」を理解し、同じ土俵に立つ状態を作ることです。

STEP
「決定事項 (Decision Item)」を議題に明示する

まず、「今日は決定が目的である」ことを宣言します。「議論する」ではなく「決める」と明言することで、参加者の姿勢を変えます。

  • 決めることを宣言する: “The goal of today’s meeting is to make a decision on [topic].” (今日の会議の目的は、[トピック]について決定を下すことです。)
  • 決定事項を具体的な質問の形で提示する: “The key decision question today is: Should we A or B?” (今日の核心的な決定事項は「AとB、どちらを選択すべきか」です。)
STEP
理想状態 (Desired Outcome) と現状 (Current State) のギャップを言語化する

なぜその決定が必要なのか、背景を簡潔に説明します。理想と現実の「ギャップ」を共有することで、決定の緊急性と重要性が理解されます。

  • 背景を説明する: “To give some context, our desired outcome is to increase user engagement by 20%. However, our current data shows only a 5% growth.” (背景として、我々の理想状態はユーザーエンゲージメントを20%向上させることです。しかし、現状のデータでは5%の成長しか示していません。)
  • 決定が解決する問題を定義する: “This decision is meant to bridge that gap.” (この決定は、そのギャップを埋めるためのものです。)
STEP
決定に必要な情報と制約条件 (Constraints) を共有する

予算、期限、リソースなどの制約を最初に明らかにすることで、現実的な選択肢に集中した議論が可能になります。

  • 制約条件を共有する: “Before we dive into options, let me outline the key constraints: we have a budget of X and a deadline by the end of next quarter.” (選択肢の詳細に入る前に、主な制約条件をお伝えします。予算はXで、期限は次の四半期末までです。)
  • 成功の基準を定義する: “A successful decision will be one that meets our core objective while staying within these constraints.” (成功する決定とは、これらの制約内で核心的な目的を達成するものです。)
サンプルダイアログ

会議の冒頭での進行役 (Facilitator) の発言例です。

(Facilitator): “Good morning, everyone. Let’s get started. The goal of today’s meeting is to make a decision on our marketing channel for the upcoming campaign. The key decision question is: Should we allocate more budget to social media ads or to content marketing?

“To give you context, our desired outcome is to acquire 10,000 new qualified leads. However, with our current approach, we’re projected to reach only 6,000. We need to bridge this gap.”

“Before we discuss the pros and cons, the main constraints are: the total budget is fixed at $50,000, and we need to launch in four weeks. A successful decision today will be a clear plan that maximizes lead generation within these limits. Does everyone have the same understanding of what we’re deciding?”

この最初のステップを丁寧に行うだけで、会議の生産性は劇的に向上します。全員が同じ「決定の地図」を持って議論を始めることが、合意形成への最短ルートです。

Step 2: 選択肢を収束させる – 多様な意見から「評価可能な案」を英語で整理する

Step 1で「何を決めるか」が明確になったら、次はアイデアを出し合う段階です。しかし、ブレインストーミングで出た多くの意見は、そのままでは比較も評価もできません。ここで進行役が果たすべき重要な役割は、「意見 (Opinions)」を「選択肢 (Options)」へと昇華させることです。つまり、多様なアイデアを整理・統合し、誰もが共通の基準で評価できる明確な「案」に仕上げるのです。このステップを怠ると、会議は「A案とB案、どっちがいいの?」という曖昧な議論に陥り、結論が出なくなります。

ブレインストーミングの成果を「選択肢 (Options)」として構造化する

ファシリテーターの役割転換

議論の初期段階では、参加者から自由な意見を引き出す「促進者」であることが重要です。しかし、意見が出揃った後は、意見を整理・構造化する「編集者」へと役割を変える必要があります。この転換が、議論を収束へと導く鍵です。

まずは、出てきたアイデアを「選択肢」としてリストアップし、全員で確認します。この時、単に「〇〇さんの意見」ではなく、中立的な名称でラベルを付けることがポイントです。

  • 進行役が言うフレーズ例: “Thank you for all the great input. Let me try to summarize what we have on the table as potential options.” (多くのご意見ありがとうございます。出ているアイデアを、可能性のある選択肢としてまとめてみます。)
  • 具体的なラベリング: “So, we seem to have three main directions at this point: Option A: The phased approach, Option B: The all-in-one solution, and Option C: Partnering with an external vendor.”(現時点で主に3つの方向性があるようです。A案:段階的アプローチ、B案:オールインワン型ソリューション、C案:外部ベンダーとの提携です。)

類似案を統合し、対立案を明確化するためのファシリテーション英語

リストアップした選択肢の中には、本質的に同じことを言っている案や、対立するポイントが曖昧な案が含まれていることがあります。ここで「この二つの案はどう違うの?」と深掘りすることで、真に評価すべき選択肢を浮き彫りにします。

  • “It sounds like Sarah’s point and John’s suggestion are very similar. Can we group them together as one option?” (サラさんの指摘とジョンの提案はとても似ているように聞こえます。一つの選択肢としてまとめてもよいでしょうか?)
  • “To make sure I understand the distinction, what is the fundamental difference between Option A and Option B?” (違いを明確にするために、A案とB案の根本的な違いは何ですか?)
  • “Is Option C a variation of Option A, or is it a completely separate path?” (C案はA案のバリエーションですか、それとも全く別の道筋ですか?)

この「根本的な違い」を問う質問は、表面的な特徴ではなく、意思決定に影響する核心的なトレードオフ(例:コスト vs. スピード、内部リソース vs. 外部専門性)を明確にするのに極めて有効です。

各選択肢の核心的な長所を一言で要約する (The One-Sentence Pitch)

選択肢が明確になったら、次は各案の最大の強みを、誰もが理解できる一言で要約します。これを「The One-Sentence Pitch(一言ピッチ)」と呼びます。これにより、複雑な案の本質が凝縮され、後の評価プロセスが格段にスムーズになります。

一言ピッチの作り方

「この案を選ぶ最大の理由は、〇〇だからです」という形でまとめます。技術的な詳細ではなく、ビジネス価値や解決する課題に焦点を当てることがコツです。

選択肢 (Option)一言ピッチ (The One-Sentence Pitch)深掘り質問例
A案: 段階的アプローチ“It allows us to start quickly with minimal upfront investment and learn as we go.”
(初期投資を最小限に抑えて迅速に開始し、経験を積みながら進められる。)
“What would be the tangible outcome of the first phase?” (第一期の具体的な成果物は何ですか?)
B案: オールインワン解決策“It promises a comprehensive solution that addresses all our requirements from day one.”
(初日から全ての要件を満たす包括的な解決策を約束する。)
“How do we mitigate the risk of implementation complexity?” (実装の複雑さに伴うリスクはどう軽減しますか?)
C案: 外部ベンダー提携“It gives us access to specialized expertise without building internal capacity from scratch.”
(内部で一から能力を構築することなく、専門的な知見にアクセスできる。)
“What is our long-term strategy for knowledge retention?” (知識を社内に留める長期的な戦略は?)

進行役は、参加者からこのピッチを引き出したり、確認したりします。

“So, if I were to pitch Option A to our management in one sentence, would it be fair to say its core advantage is reduced initial risk?”
(では、A案を経営陣に一言で説明するとしたら、その核心的な強みは「初期リスクの低減」と言って間違いないでしょうか?)

このステップを経ることで、ブレインストーミングで出たばらばらの「意見」は、評価と比較が可能な明確な「選択肢」へと生まれ変わります。これで、いよいよ次のステップ「意思決定の基準に照らして評価する」ための準備が整いました。

Step 3: 客観的評価で合意の道筋を示す – 英語で「判断基準」を設定し、選択肢を比較する

Step 2までで複数の選択肢が明確になった後、多くの会議が停滞するポイントがあります。それは「どうやって選ぶのか」の基準が共有されていない状態で、主観的な意見の応酬が始まってしまうことです。会議の進行役がこの場面で最も発揮すべき価値は、客観的な評価のフレームワークを全員と共有し、論点を整理することです。感情ではなく事実に基づき、選択肢を共通の物差しで測り、トレードオフを明らかにすることで、最後の意思決定は自然と導かれます。

評価基準 (Criteria) を参加者と共に設定するフレーズ

評価基準は、会議の冒頭ではなく、選択肢が揃ったこの段階で改めて確認・設定するのが効果的です。これにより、「何を優先して決めるのか」という合意形成のコアが明確になります。

まず、基準を提案し、チームの合意を得るためのフレーズを覚えましょう。

  • “To evaluate these options fairly, let’s agree on our key criteria first.” (これらの案を公平に評価するために、まず重要な基準について合意しましょう。)
  • “What should be our decision-making framework? I suggest we consider three main aspects: cost, timeline, and risk.” (我々の意思決定の枠組みは何にすべきでしょうか?コスト、タイムライン、リスクの3つの主要な側面を考慮することを提案します。)
  • “Does everyone agree that [e.g., ‘implementation speed’] should be our top priority?” (全員、[例: 「実装の速さ」] が最優先事項であることに同意しますか?)

会議の参加者全員が認識を一致させるために、提案した基準をホワイトボードや共有画面に書き出しましょう。

覚えておきたい評価基準例
  • Cost (コスト): 初期投資、運用費、ROI (Return on Investment)
  • Risk (リスク): 技術的リスク、市場リスク、リソースの可用性
  • Feasibility (実現可能性): 技術的実現性、チームのキャパシティ、法的制約
  • Impact (影響度): 顧客満足度への影響、売上への貢献、ブランド価値
  • Time to Market (市場投入までの時間): 開発期間、リリースの速さ

定量データ (Quantitative Data) と定性評価 (Qualitative Assessment) を組み合わせて議論する

評価基準が決まれば、次は各選択肢をその基準で測ります。ここで陥りがちな落とし穴は、「数字で測れるものだけ」を議論してしまうこと。ビジネス上の重要な決定には、数字では表せない「質的」な要素が必ず含まれます。英語ではこれを Qualitative Assessment と呼び、Quantitative Data (数値データ)と組み合わせて議論します。

  • 定量データの提示: “The data shows that Option A reduces operational costs by 15%.” (データによると、A案は運用コストを15%削減します。)
  • 定性評価の導入: “Beyond the numbers, we should also discuss the qualitative aspect, such as team morale and alignment with our long-term vision.” (数字を超えて、チームの士気や長期的なビジョンとの整合性といった質的な側面についても議論すべきです。)
  • 両者のバランスを取る: “While Option B has a higher upfront cost, the qualitative benefits in customer satisfaction could be significant. How do we weigh that?” (B案は初期コストが高い一方で、顧客満足度における質的メリットは大きいかもしれません。これをどう評価しますか?)

トレードオフ (Trade-offs) を明らかにし、「どちらを優先するか」の議論に持ち込む

複数の基準で評価すると、完璧な選択肢はほとんど存在せず、トレードオフ(一方を得るために他方を犠牲にする関係)が明らかになります。進行役の役割は、このトレードオフを隠すのではなく、あえて表に出し、チームとして「何を優先するのか」という本質的な議論に誘導することです。

トレードオフを明確に言語化する定型フレーズをマスターしましょう。

  • “There’s a clear trade-off here. Option X is lower cost but carries higher risk. Option Y is more expensive but much safer.” (ここには明確なトレードオフがあります。X案はコストは低いがリスクが高く、Y案はより高価だがはるかに安全です。)
  • “We’re essentially trading speed for quality. Which one is more critical for this project?” (我々は本質的に、スピードと品質をトレードオフしています。このプロジェクトにとってどちらがより重要ですか?)
  • “Given our criteria, no option is perfect. We need to decide what we’re willing to compromise on.” (設定した基準からすると、完璧な選択肢はありません。何を妥協するのかを決める必要があります。)
トレードオフを議論するダイアログ例

Facilitator (進行役): “So, based on our analysis, Option A has a lower initial investment but requires more manual work in the long run. Option B automates more processes but has a higher upfront cost. The trade-off is between short-term cost and long-term efficiency.”

(では、分析に基づくと、A案は初期投資は少ないが長期的にはより多くの手作業が必要です。B案はより多くのプロセスを自動化しますが、初期コストが高い。トレードオフは「短期的なコスト」と「長期的な効率性」の間にある、ということです。)

Team Member (チームメンバー): “Given our goal to scale next year, maybe long-term efficiency should weigh more heavily.”

(来年の拡大を目指すという目標を考えると、長期的な効率性をより重視すべきかもしれません。)

Facilitator: “That’s a key insight. So, are we saying that for this decision, long-term efficiency is a higher priority than minimizing immediate cost?”

(それは重要な洞察です。では、この意思決定においては、「長期的な効率性」が「直近のコスト最小化」よりも優先度が高い、という認識でよろしいでしょうか?)

このように、評価基準を設定し、定量・定性の両面から評価し、トレードオフを明確にすることで、会議は「どちらが好きか」という主観的な議論から、「我々の優先順位に基づいてどちらが適しているか」という建設的な議論へと進化します。これが、客観的評価を通じて合意形成を加速させる核心的なステップです。

Step 4: 決断を下し、実行に移す – 英語で「結論」を宣言し、責任と期限を明確化する

議論を尽くし、評価基準を共有した後でも、最も重要なのは「では、これで決定します」という明確な宣言です。このステップが曖昧だと、会議は「何となく終わった」状態になり、誰が何をするのかが不明瞭になってしまいます。進行役は、合意形成された結論を全員に確認し、決定内容とその理由、そして具体的な次のアクションをセットで伝える責任があります。

合意形成を確認し、最終決定を宣言する決定的なフレーズ

まず、議論の終結と結論を宣言するフレーズが必要です。これは日本語の「では、これで決定とさせていただきます」に相当します。進行役が主導して決断を促すことで、会議の迷走を防ぎます。

決め言葉フレーズ集

Based on our discussion, I believe we have a consensus to proceed with Option A.
(議論を踏まえ、A案で進めることで合意が得られたと思います。)

Let’s make a decision. I’m going to move forward with the second proposal.
(決断を下しましょう。私は2番目の提案を採用して進めます。)

It sounds like we’re all aligned on the hybrid approach. So, we are going with that.
(ハイブリッド案で皆さん一致しているようですね。では、それを採用します。)

If there are no strong objections, I will conclude that we adopt Plan B.
(強い反対がなければ、Bプランを採用することで結論とします。)

決定内容、理由 (Rationale)、次のアクションをセットで伝える

決定を宣言したら、その直後に必ず「なぜその案を選んだのか」の理由を簡潔に説明してください。これにより、参加者は納得感を持ち、決定事項へのコミットメントが高まります。その後、即座に実行段階へと話を移します。

例文: “Alright, we’ll go with the phased rollout (決定). The main reason is that it allows us to manage risks more effectively while still meeting the Q3 deadline (理由). Now, let’s talk about the next steps (次のアクション).”

フォローアップ体制とコミュニケーションプランの確認

決定を行動に移すためには、「誰が (Owner)」「何を (Action Item)」「いつまでに (Deadline)」を明確にすることが不可欠です。英語ではこれらを「Action Items」または「Next Steps」として記録・共有します。

アクションアイテムの書き方と確認フレーズ

  • To summarize the action items:(アクションアイテムをまとめると:)
  • John, you will draft the initial project plan. The deadline is this Friday.(ジョン、初期プロジェクト計画書の草案作成を担当。期限は今週金曜日。)
  • Sarah, please contact the vendor for a quote by tomorrow EOD (End of Day).(サラ、業者に見積もりを依頼。期限は明日の業務終了時まで。)
  • I will circulate the meeting minutes with these action items by this afternoon.(本日中にこれらのアクションアイテムを含む議事録を共有します。)
  • Let’s schedule a follow-up meeting for next Tuesday to review progress.(進捗確認のためのフォローアップ会議を来週火曜日に設定しましょう。)

進行役は、各アクションアイテムの担当者と期限を口頭で確認し、全員の認識を一致させます。「John, does Friday work for you?(ジョン、金曜日の期限は大丈夫ですか?)」といった一言を加えることで、リアルタイムでの合意形成が完了します。

実践シミュレーション:予算削減策の決定会議を英語でリードする

ここまで学んだ「定義」「提案」「評価」「決定」の4ステップを、具体的な会議シナリオに当てはめて実践してみましょう。理論を具体的な言葉に落とし込むことで、あなたの会議進行力は飛躍的に向上します

シナリオ設定:3つの削減案から1つを選ぶ

あなたは、あるグローバル企業の部門マネージャーです。今期、部門全体で10%の予算削減が求められています。あなたは、メンバーから事前にアイデアを募り、以下の3つの案に絞り込みました。
1. オフィスサプライ予算の削減(文房具、コーヒーなど)
2. 外部コンサルタント契約の一部停止
3. 一部社内イベント(例:四半期ごとの懇親会)の延期または中止
この会議の目標は、上記3案の中から、チームの士気と生産性への影響を最小限に抑えつつ、確実に目標を達成できる1つの案を決定することです。

会議の流れをフレーズと共に時系列で追う

STEP
1. 意思決定のゴールを定義する

リーダー発言例: “Thank you everyone for joining. The objective of today’s meeting is crystal clear: to select one cost-saving measure from the three options we have, with the goal of reducing our departmental budget by 10% this fiscal year. The key criteria for our decision should be minimizing the impact on team morale and our core productivity.”

STEP
2. 選択肢を明確に提示する

リーダー発言例: “Let me briefly reiterate the three options on the table. Option A is reducing office supply budgets. Option B is suspending some of our external consultant contracts. Option C is postponing or cancelling some internal team events. Before we dive into evaluation, does anyone have a fundamentally different option to propose at this stage?

STEP
3. 評価基準で選択肢を比較する

リーダー発言例: “To compare these options fairly, let’s use two main criteria: 1. Impact on daily operations and productivity, and 2. Impact on team cohesion and morale. Let’s assess each option against these. For example, Option B might save the most money, but what’s the trade-off in terms of losing expert support?”

STEP
4. 結論を宣言し、実行を確認する

リーダー発言例: “Based on our discussion, it seems we have a consensus that Option A, reducing office supplies, is the most viable. It meets our savings target with the least direct impact on morale and core work. So, let’s confirm: are we all in agreement to proceed with Option A? … Great. The action item is for me to formalize this plan and communicate it by end of day Friday.”

各ステップでのリーダーの役割と言語的アプローチを分析

各ステップでリーダーが取るべき言語的アプローチは、単なる進行を超えた「合意形成のファシリテーション」です。

  • Step 1 & 2 (定義・提案): ここでの役割は「枠組みの提供者」です。”The objective is crystal clear…” のように目的を明確に言語化し、選択肢を構造化して提示します。これにより、メンバーは同じ土俵で議論を始められます。
  • Step 3 (評価): 役割は「中立の評価者」です。主観的な意見対立が起こりそうな場面で、”Let’s use two main criteria…” と客観的な物差しを導入します。感情的な議論を事実に基づく比較に昇華させる鍵となります。
  • Step 4 (決定): 役割は「決断のけん引者」です。議論が収束した瞬間を見逃さず、”Based on our discussion, it seems we have a consensus…” と合意を確認し、決定を宣言します。曖昧な終わり方を防ぎ、実行責任を明確にします。

困難な局面(強い反対意見)への対応:もし「オフィスサプライ削減では目標額に届かない」という強い反対が出たら、”That’s a valid concern about the savings amount. Let’s quantify that gap. If Option A only covers 7%, what additional minor adjustments could we consider to bridge the remaining 3% without shifting to a more impactful option?” と、反対意見を否定せず、建設的な課題解決へと導きます。

メンバー全員が納得する「完全な合意」が得られない場合はどうすれば?

完全な合意を常に求めるのは非現実的です。リーダーの役割は、「全員が最善と考える案」ではなく「全員が進むことに同意できる案」を見つけることです。”I hear that not everyone is 100% enthusiastic about Option A, but can everyone live with it and support its implementation?” と問いかけ、実行へのコミットメントを確認しましょう。異論は認めつつ、前進する意思を確認するのです。

評価基準自体についてメンバー間で意見が分かれたら?

それは健全な議論の証です。その場合は、「優先順位付け」に議論を移行させます。”It seems we value both ‘immediate cost savings’ and ‘long-term team health’. For this particular decision, which one should be our primary driver?” と問い、この決定における最重要基準を明確にします。すべての基準が常に同等の重みを持つわけではないことを共有します。

著者プロフィール

大学受験・英語資格試験塾講師。大学時代にアメリカへ1年間留学。卒業後は海外書籍を取り扱う出版社で編集職に6年間従事した後、英語教育の現場へ転身。大学受験生向けや、社会人の英語資格試験対策の講義を担当し、実践的で分かりやすい解説に定評がある。出版社時代に様々なジャンルの英語書籍を担当した経験から、法律から工学まで業界特有の英語表現やビジネス英語に関する幅広い知識を持つ。また、二児の母という立場から、実体験に基づいた子どもの英語教育に関する発信も行っている。

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