英検®学習支援サービス「スタスタApps」は2026年9月11日、ライティングAI採点機能の累計利用回数が62万回を突破したと発表しました。特に注目されるのは、本会場一次試験の直前28日間に利用が急増する傾向で、過去4回の試験では前の28日間に比べ約3.1倍から最大約5.1倍に増加しています。試験直前期に、多くの受験生がライティングの仕上げ練習にAI採点を活用している実態が浮かび上がりました。
AI採点の利用、試験直前は最大約5倍に

英検の一次試験が近づくにつれ、ライティングAI採点の利用回数が大きく増える傾向が、同社の集計データから明らかになりました。これは、受験生が試験直前期に自分の答案を客観的に評価し、弱点を克服するための手段としてAI採点を積極的に活用していることを示しています。
試験前28日間で利用が急増
過去4回分の本会場一次試験について、試験日の1日から28日前の利用回数と、その前の29日から56日前の利用回数を比較したデータが公表されています。どの回も試験前の期間の利用が顕著に増えており、試験対策の追い込み期におけるAI採点の重要性がうかがえます。
試験前28日間の利用増加率:
2025年度第1回 約4.9倍
2025年度第2回 約3.1倍
2025年度第3回 約5.1倍
2026年度第1回 約3.5倍
- 2025年度第3回試験:増加率が最も高く、試験前28日間の利用がその前の28日間に比べて約5.1倍に。
- 最も低い回でも約3倍:増加率が最も低かった2025年度第2回でも、約3.1倍の増加を記録。
- 一貫した傾向:4回連続で試験前の利用が急増しており、受験生の学習パターンの一端を示すデータとなっています。
英検のライティングは、単語や文法の知識だけでなく、論理構成や課題への適切な応答が求められます。試験直前期にAI採点を利用する利点は、自分の答案をすぐに評価し、構成の甘さや表現のくせなどの「気づき」を得られる点にあります。これを繰り返すことで、本番までに弱点を効率的に補強することが可能です。
直近でも増加傾向
2026年度第2回の本会場一次試験(10月4日実施)を目前に控えた直近のデータでも、利用増加の傾向は続いています。2026年9月3日から9日までの1週間の利用回数は12,690回で、その前の週(8月27日から9月2日)の11,122回から約14.1パーセント増加しました。準会場の試験が9月25日から始まることもあり、今後さらに利用が増えることが予想されます。
累計62万回を突破、最も使われている形式は「論述」
このAI採点サービスでは、英検ライティングの3つの出題形式を練習できます。発表によると、2025年1月22日から2026年9月9日までの間に、累計で62万回以上の採点依頼が行われました。
累計利用回数621,953回の内訳は、次のようになっています。
- 論述:351,611回
- 要約:212,155回
- Eメール:58,187回
このデータから、「自分の意見と理由を述べる」論述形式が最も多くの学習者に選ばれていることがわかります。論述は多くの級で一次試験の必須課題であり、対策の重要性が反映された結果と言えるでしょう。
サービス概要と利用方法
スタディスタジオ株式会社によると、このサービスは、英検の受験級とライティング形式を選択し、自分で書いた答案を提出するだけでAIによる評価コメントが得られる仕組みです。公式試験の合否を示すものではありませんが、学習を支援するための具体的なフィードバックとして活用できます。
「論述」「要約」「Eメール」の3つの形式から、練習したいものを選択します。利用できる形式は受験級によって異なります。
選択した形式に沿って、実際に英文を書きます。論述なら意見と理由、要約なら原文の内容、Eメールなら相手のメールへの返答を考えて仕上げます。
提出した答案に対して、AIが評価コメントを生成します。このコメントを参考に、自分の答案の課題や改善点を客観的に振り返ることができます。
このような手軽なフィードバックループを繰り返すことで、試験直前期に特に効果的な集中練習が可能になります。ただし、AIによる採点はあくまで学習支援ツールであり、公式試験の採点基準を完全に再現したものではない点には留意が必要です。
なぜ試験前にライティングAI採点の利用が増えるのか?



英検の一次試験が近づくと、ライティングAI採点の利用が急増する傾向がデータから明らかになりました。これは、多くの受験生が試験直前期に特にライティング対策を強化していることを示しています。では、なぜ試験直前期にこのようなサービスが重宝されるのでしょうか。
英検のライティングセクションは、リーディングやリスニングと異なり、独学で客観的で具体的なフィードバックを得ることが難しい分野です。自分では「書けた」と思っても、論理構成が適切か、指定語数を適切に使えているか、文法や語彙に誤りがないかを一人で正確に判断するのは容易ではありません。試験直前期は、特に実践的な演習と弱点の洗い出しが重要になります。
| 独学での課題 | AI採点を活用するメリット |
|---|---|
| 自分の答案を客観的に評価するのが難しい | 24時間いつでも、形式に応じた評価を即時に得られる |
| 「意見と理由の整合性」など、採点基準に沿った指導を受けられない | 「論述」「要約」「Eメール」ごとの課題を、評価コメントで具体的に確認できる |
| 弱点を特定し、効率的に改善するのが難しい | 繰り返し練習し、改善点を次の答案に生かす学習サイクルを構築できる |
この比較から分かるように、AI採点サービスは、独学のライティング練習における最大のハードルを解消する手段として機能しています。試験直前期は時間が限られているため、効率的に弱点を補強したいというニーズが高まります。その結果、本会場一次試験の約1ヶ月前から利用回数が大きく増加するという傾向が生まれているのです。
多くの受験生は、試験直前期の「仕上げ」として、AIによる客観的な評価を活用して自信をつけ、本番に臨んでいることが考えられます。
英検ライティングの3形式「論述」「要約」「Eメール」とは
多くの学習者が利用しているAI採点サービスでは、英検ライティングの3つの主要な形式を練習できます。これらの形式は、受験する級によって出題される内容が異なります。それぞれの特徴と、AI採点でどのようなポイントが評価されるのかを知っておくことは、効果的な対策の第一歩です。
ライティングAI採点で練習できる形式は、受験する級によって異なります。主な対応は以下の通りです。
- 論述:主に2級、準1級、1級で出題
- 要約:主に準1級、1級で出題
- Eメール:主に準2級、2級で出題
3つの形式の特徴とAI採点のポイント
それぞれの形式で求められる内容と、AI採点で確認できる主な評価項目を見ていきましょう。
- 論述
与えられたトピックについて、自分の意見とそれを支える理由を明確に書く形式です。「論理構成」「主張の一貫性」「適切な語彙と文法」が重要な評価ポイントになります。結論・理由・具体例を筋道立てて展開できるかが鍵です。 - 要約
与えられた英文の内容を、指定された語数で簡潔にまとめる形式です。「原文の要点を正確に捉えているか」「重要な情報の網羅性」「独自の解釈を加えていないか」がチェックされます。客観性と正確さが求められます。 - Eメール
架空の相手からのメールに対して返信する形式です。「適切な挨拶と結びの表現」「質問や依頼への適切な対応」「フォーマルまたはカジュアルな口調の使い分け」など、実用的なコミュニケーション能力が評価されます。
これらの形式を練習する際、AI採点は単に点数をつけるだけでなく、それぞれの形式に特化した評価コメントを返してくれます。例えば論述では「結論と理由の関連性」について、要約では「内容の抜け漏れ」について具体的なフィードバックを得ることができます。自分が挑戦する級の主要な形式を中心に、AIの評価コメントを参考にしながら繰り返し練習することで、試験本番で求められるライティング力を効率的に高められるでしょう。
試験直前期の効果的なライティング対策に活用するには
一次試験が近づくと、多くの学習者がライティングの総仕上げに取り組みます。AI採点サービスは、時間の限られる直前期に、答案作成から評価確認、改善、再挑戦という実践的な学習サイクルを効率的に回せる点で大きな助けとなります。ただ、漫然と使うのではなく、試験対策として効果的に活用するためのポイントを押さえましょう。
AI採点を学習サイクルに組み込む
まず重要なのは、AIの評価を単なる点数確認で終わらせず、具体的な改善サイクルに組み込むことです。苦手な形式や、過去問分析で出題頻度が高いトピックに集中して練習するのが効果的です。
過去問や予想問題など、特定のトピックについて制限時間内に答案を書きます。
提出した答案について、構成や文法、語彙などに関する評価コメントを読みます。「意見と理由の論理性」「原文の要約の正確さ」「メールへの適切な返答」など、形式ごとの評価ポイントを意識して確認しましょう。
評価コメントを参考に、自分の答案の弱点を特定します。同じトピックで書き直すか、別のトピックで改善点を意識して新たに答案を作成します。
利用時の注意点
AI採点を試験対策に活用する際には、以下の点に留意することが大切です。
- AIの評価コメントはあくまで参考意見です。特に、細かい文法やより自然な表現については、可能であれば学校の先生やネイティブスピーカーによるチェックも併用することが理想的です。
- 多くのサービスでは、ログインの有無やプラン(無料や有料)によって、利用できるAIモデルや採点回数に上限がある場合があります。直前期に計画的な練習をするためにも、事前に利用条件を確認しておきましょう。
- AIによる採点結果は学習支援を目的としたものであり、公式試験の合否や成績を示すものではありません。あくまで「練習のためのフィードバック」と捉え、本番での実力発揮に結びつけることが目標です。
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