2026年9月14日、AI教材を提供するatama plus株式会社は、同社のサービス「atama+」において実用英語技能検定(英検®)の対策機能を2027年3月から提供開始することを発表しました。これは、学習塾向けに提供されてきたAI教材が、英検対策という新たな領域に本格的に参入する大きな一歩です。
なぜ今、AI教材での英検対策が注目されるのか
今回の発表には、近年の英語学習を取り巻く大きな環境変化が背景にあります。AIによる個別最適化が進む中で、英検対策に特化した機能が求められている理由を探ります。
大学入試で広がる「外部検定利用」の現状
英検対策の重要性が高まっている背景の一つは、大学入試における「英語外部検定利用入試(外検入試)」の広がりです。2026年度入試では、国公私立大学全体の約65%がこの制度を採用しており、英語力の証明として外部検定のスコアを活用しています。
2026年度入試において英語の外部検定(外検)を利用する大学は国公私立全体の65%に達し、その内、ほぼすべての外検入試で英検®が利用可能、かつ、受験生が利用した外検は9割以上が英検®という結果となりました。
このように、大学入試という重要な局面において、英検のスコアは非常に重要な意味を持つようになっています。多くの受験生にとって、効率的な英検対策は大学合格への近道と言えるでしょう。
英検受験者数の増加と低年齢化の傾向
もう一つの大きな潮流は、受験者層の拡大です。少子化が進む中でも、英検の受験者数、特に小学生の受験者数は大きく増加しています。
英検の小学生受験者数はこの10年で約1.5倍に増加し、約38万人に達しています。これは英語学習の早期化を反映しており、幅広い年齢層が英検を目標に学習している現状を示しています。
この傾向は、英語学習のスタートが早まっていることの証左です。小学生のうちから資格取得を目指す学習ニーズが高まる中、従来の学習塾の指導体制では対応が難しい面も出てきています。
学習塾現場での英検対策の課題
- 定期テストとは形式が異なる英検独特の問題への対策が難しい。
- 面接(二次試験)など、高い専門性を要するスピーキング・ライティング対策が特に課題。
- すべての級や技能に対応できる講師が限られている。
こうした課題を背景に、AI教材による英検対策への期待が高まっています。生徒一人ひとりの理解度に合わせて学習を進められるAIなら、講師の負担を軽減しつつ、より効果的で継続的な対策が可能になると考えられます。
「atama+」英検対策機能の具体的な内容
2027年3月から提供が開始される英検対策機能は、学習塾の現場で感じられていた課題を解決するために開発されました。具体的には、旺文社の信頼性の高い教材コンテンツをベースに、AIによる個別最適化とフィードバック機能を組み合わせた学習が可能になります。ここでは、その学習内容を詳しく見ていきます。
AI教材による英検対策の核となるのは、基礎力の徹底的な定着です。対策したい級に必要な文法事項を講義動画と演習問題で学べる「文法」機能と、重要度別に単語・熟語を学習できる「語彙」機能が用意されています。これらは従来の教材にはない、生徒一人ひとりの理解度に合わせた学習を可能にします。
さらに、実践力を養うためのツールとして、旺文社の「英検®過去6回全問題集」シリーズと「7日間完成 英検®予想問題ドリル」シリーズが搭載されます。過去問演習は6回分の問題を大問ごとに取り組むことができるため、苦手な問題形式を集中的に対策できるのが特徴です。
AIを活用した4技能の学習とフィードバック
ライティングとスピーキングは、外部試験対策において特に専門的な指導が求められる分野です。この新機能では、これらの技能についてもAIの力で自律学習をサポートします。
- ライティング:旺文社の予想問題ドリルに基づいた演習に加え、AIによる添削機能が搭載されます。
- スピーキング:同様に、AIによる自動採点機能が予定されています。これにより、自分の解答に対する客観的なフィードバックをすぐに得ることが可能になります。
| 対応級 | 主な学習内容 |
|---|---|
| 準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級 | 文法、語彙、過去問演習、4技能(ライティングAI添削、スピーキングAI自動採点) |
| 4級・5級 | 文法、語彙、過去問演習(一次試験)、英検4級・5級スピーキングテスト対応 |
発表によれば、このAIによる添削・採点機能は、公益財団法人日本英語検定協会の承認や推奨、監修、指導を受けたものではなく、採点の品質についても同協会から認められたものではないと明記されています。これは、学習の補助ツールとしての位置づけであることを理解しておくことが大切です。
AI教材「atama+」とは? 学習者にとってのメリット
AI教材「atama+」は、全国4,500教室以上の学習塾に提供されている個別最適化型の学習サービスです。このサービスが2027年3月から英検対策機能を搭載することで、学習者はどのようなメリットを得られるのでしょうか。従来の学習方法との違いと合わせて解説します。
一人ひとりに最適化された学習カリキュラム
この教材の最大の特徴は、AIが生徒一人ひとりの理解度や学習の進捗を分析し、その人に最適な学習カリキュラムを自動で作成することです。例えば、文法の特定分野が苦手な生徒には、その部分の解説動画や演習問題を集中的に提示します。これにより、効率的に弱点を克服し、得意分野をさらに伸ばす学習が可能になります。
- 自分のペースで学習可能:時間や場所に縛られず、理解できるまで繰り返し学習できます。
- 苦手分野を重点的に対策:AIが弱点を自動診断し、必要な学習コンテンツを優先的に提示します。
- AIによる即時フィードバック:ライティングの添削やスピーキングの採点をAIが行い、すぐに結果がわかります。
従来の教材や学習法との違い
従来の英検対策では、市販の問題集を自分で解き進めたり、講師の指導を受けることが一般的でした。しかし、これらの方法には限界がありました。問題集では自分で弱点分析をしなければならず、また講師による二次試験(面接・ライティング)対策には高い専門性と時間が必要でした。
特に、ライティングやスピーキングの対策は、従来は適切な指導者を見つけることが大きな課題でした。
AI教材の英検対策機能は、これらの課題を補完する可能性を秘めています。旺文社の信頼性の高い過去問や予想問題に加え、ライティングのAI添削とスピーキングのAI自動採点機能を搭載する予定です。これにより、生徒は自分のペースで自律的に、4技能すべての対策を進めることができるようになります。講師の負担軽減にもつながり、より多くの生徒に質の高い英検対策を提供できる環境が整えられるでしょう。
英検受験を考えている読者へのアドバイス
新たに発表されたAI教材の英検対策機能は、2027年3月から提供が開始されます。受験を考えている学習者にとって、これはどのように活用できるツールなのでしょうか。ここでは、この機能の効果的な活用法と、利用する際に心がけたいポイントについて解説します。
新しい学習ツールをどう活用するか
この機能を利用する第一歩は、自分が通っている、または通おうと考えている学習塾・予備校が導入予定かどうかを確認することです。導入されていれば、塾の授業と連動して基礎から実践までを効率的に進められるでしょう。
まずは、AIが提示する「文法」と「語彙」の学習カリキュラムに沿って、目標級に必要な基礎力を着実に身につけます。自分の苦手な部分を重点的に復習できる点が強みです。
基礎が固まったら、搭載されている過去問集で演習を開始します。大問ごとに取り組めるので、苦手な問題形式を集中的に練習する計画を立てやすくなります。
リーディング・リスニングだけでなく、AI添削・採点機能を活用してライティングとスピーキングの練習も定期的に行い、4技能を総合的に伸ばす学習習慣を身につけましょう。
AI教材を使う際の留意点
- AIによる添削・採点はあくまで補助ツールと捉え、最終的には本番と同じ形式の模擬試験や、経験豊富な講師によるチェックも受けることが望ましい。
- ツールに任せきりにならず、自分自身で学習計画を立て、進捗を管理する主体性を保つことが重要です。
この機能は、単語や文法の基礎固めと過去問演習をシームレスに結びつけ、学習計画の立案と実行をサポートしてくれる強力なツールです。しかし、ツールはあくまで「活用するもの」。合格への近道は、ツールの特徴を理解し、自分の学習スタイルにどう取り込むかを考えながら、継続的に努力を重ねることにあると言えるでしょう。
- この機能は英検のどの級に対応していますか?
-
atama plusによると、準1級、2級、準2級プラス、準2級、3級、4級、5級に対応しています。準1級から3級は4技能すべて、4級と5級は一次試験に加えてスピーキングテストにも対応しています。
- AIによる添削や採点はどのくらい信頼できますか?
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同社によると、ライティングにはAI添削機能、スピーキングにはAI自動採点機能を搭載予定です。ただし、これらの機能は日本英語検定協会による監修や品質の認証を受けたものではないと注記されています。学習の補助として活用しつつ、最終的には講師のチェックや公式の模擬試験も併用することが推奨されます。
- 個人で直接契約して利用することはできますか?
-
このAI教材「atama+」は、学習塾や予備校を通じて提供されるサービスです。個人での直接契約は想定されておらず、利用を希望する場合は導入している学習塾に通う必要があります。
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