関係代名詞の『見分け方』と『使い方』を完全マスター!which, that, who, whose の違いをスッキリ整理して、正確な英文を書くための実践ガイド

英文を読んでいて「, which」や「that」が出てくるたびに、一瞬考え込んでしまうことはありませんか?英文を書くときに、どの関係代名詞を選べばいいのか迷った経験は?関係代名詞は、英語学習者にとって一度はぶつかる壁であり、多くの方が「which, that, who, whose… どれを使えばいいのかわからない」と感じています。しかし、その混乱の原因は、関係代名詞の本質的な「役割」と「修飾対象」をしっかりと理解していないことにあるのです。この記事では、関係代名詞の見分け方と使い方を、構造から丁寧に整理し、あなたが「迷わず」「正確に」使えるようになるための実践ガイドをお届けします。

目次

関係代名詞は「名詞の説明役」。混乱は「役割」と「修飾対象」の理解不足から

関係代名詞とは、一言で言えば「名詞の説明役」です。日本語で「私が昨日買った本」と言うとき、「本」という名詞を「私が昨日買った」という情報で後ろから詳しく説明していますね。英語でも全く同じです。ある名詞(先行詞)を、後ろから関係代名詞で始まる節(文のかたまり)で詳しく説明する。この「説明する」という働きこそが、関係代名詞節の核心です。

関係代名詞節は「形容詞」と同じ働きをします。名詞を詳しく説明する形容詞の役割を、節(文のかたまり)の形で果たしているのです。

なぜ関係代名詞が必要?2つの文をスマートに1つにする仕組み

関係代名詞が登場する背景には、情報を効率的にまとめたいという要求があります。例えば、次の2つの単文を見てください。

  • I have a friend. (私は友達がいます。)
  • My friend lives in London. (その友達はロンドンに住んでいます。)

この2つの文には「a friend」と「my friend」という共通の名詞があります。関係代名詞は、この共通部分を「接着剤」のように使って、2文を1つに結合します。「私にはロンドンに住んでいる友達がいます」という、より情報量が多く洗練された1文を作り出すのです。

関係代名詞の3つの核心理念
  • 役割: 先行詞(説明される名詞)を後ろから詳しく説明する「説明役」。
  • 正体: 関係代名詞節は、形容詞と同じ働きをする形容詞節である。
  • 第一歩: 和訳に頼らず、英文の構造(主語・動詞・目的語)に注目する。

関係代名詞を使う最大のメリット:情報量が増えても文がクリアになる

2つの文を単に「and」でつなぐのとは根本的に異なります。「and」でつなぐと文が単純に長くなるだけですが、関係代名詞を使うと、主要な情報(主節)と補足的な情報(関係代名詞節)が明確に区別され、文の骨格が見えやすくなるのです。これが、関係代名詞を使う最大のメリットです。

比較で理解する:関係代名詞の効果

関係代名詞を使わない場合:

I read a book yesterday. The book was very interesting. (私は昨日、本を読みました。その本はとても面白かったです。)


関係代名詞を使った場合:

The book that I read yesterday was very interesting. (私が昨日読んだ本は、とても面白かったです。)

関係代名詞を使うことで、「The book」という主語についての補足情報(「私が昨日読んだ」)が後ろにスッキリと収まり、主文「…was very interesting」の核心が際立ちます。

Which/That/Who/Whoseを見分ける!たった2つの質問で選択が一気にクリアに

関係代名詞の選択で迷うのは、多くの方が「先行詞」と「関係代名詞節の中での役割」という2つの軸を同時に考えていないからです。複雑に考えず、次の2つの質問に順番に答えるだけで、ほぼ間違いなく正しい関係代名詞を選べるようになります。

STEP
質問1:説明したいのは「人」?それとも「人以外」?

最初に、説明したい名詞(先行詞)が「人」なのか「人以外のもの」なのかをはっきりさせます。これで選択肢が一気に絞り込まれます。

  • 先行詞が「人」 → 候補は who, whom, whose
  • 先行詞が「人以外」 → 候補は which, that(所有格はwhoseも使える)
STEP
質問2:関係代名詞節の中で、先行詞はどんな「役割」をしている?

次に、その関係代名詞節の中で、説明したい名詞(先行詞)が「主語」「目的語」「所有格(〜の)」のどれとして機能しているかを確認します。これで最終的に1つの関係代名詞が決定します。

  • 主語の役割who (人), which/that (人以外)
  • 目的語の役割whom/who (人), which/that (人以外)(※省略可能なことが多い)
  • 所有格(〜の)の役割whose (人・人以外共通)

この2ステップの判断を視覚的にまとめると、以下のようなフローになります。迷ったときはこの図を思い出してください。

関係代名詞選択の決定フロー

先行詞は「人」?
Yes → さらに「先行詞の役割は?」
 → 主語 → who
 → 目的語 → whom/who(省略可)
 → 所有格 → whose
No (人以外) → さらに「先行詞の役割は?」
 → 主語 → which / that
 → 目的語 → which / that(省略可)
 → 所有格 → whose

このフローを具体的な例文で確認しましょう。ここで注目すべきは、先行詞が関係代名詞節の中で「主語」になっているか「目的語」になっているかです。主語の場合は必ず関係代名詞が必要ですが、目的語の場合は関係代名詞を省略できるという重要なルールがあります。

先行詞の種類節内での役割使う関係代名詞例文
人 (Person)主語whoThe woman who lives next door is a teacher. (隣に住んでいる女性は教師です。)
目的語whom / who (省略可)The person (whom) you met yesterday is my boss. (あなたが昨日会った人は私の上司です。)
所有格 (~の)whoseI have a friend whose father is a famous musician. (父親が有名な音楽家である友人がいます。)
人以外 (Thing/Animal)主語which / thatThe book which/that is on the table is mine. (テーブルの上にある本は私のです。)
目的語which / that (省略可)The movie (which/that) we saw last night was exciting. (私たちが昨夜見た映画は刺激的でした。)
所有格 (~の)whose / of which*I live in a house whose roof is red. (屋根が赤い家に住んでいます。)

*「人以外の所有格」は「whose」が一般的ですが、特に格式ばった文章では「of which」が使われることもあります(例: a house the roof of which is red)。日常会話や一般的な文章では「whose」で問題ありません。

表の例文で特に重要なのは、目的語の役割を果たす関係代名詞が括弧()で囲まれている点です。これは「あってもなくても文が成立する(省略可能)」ことを意味します。英文を読むときは「目的語の関係代名詞は見えないかもしれない」と意識し、書くときは「目的語なら省略してシンプルにできる」と覚えておくと実践的です。

絶対に押さえたい!『制限用法』と『非制限用法』の決定的な違い

正しい関係代名詞を選べるようになったら、次にマスターすべきは「用法」の違いです。これは、関係代名詞節が先行詞に対してどのような説明をしているかを分類するもので、たった一つの記号「カンマ」の有無で意味が大きく変わる重要なルールです。この違いを理解すれば、英文を読む精度も書く正確さも格段に向上します。

カンマ「,」の有無が意味を大きく変える!

関係代名詞の用法は、カンマの有無によって大きく2つに分かれます。

  • 制限用法(カンマなし):先行詞がどれを指すかを限定する、なくてはならない情報
  • 非制限用法(カンマあり):先行詞について補足情報を付け加える、なくても文が成り立つ情報

この「カンマがあるか、ないか」は、単なる飾りではなく、文の意味そのものを決定づけるものです。

重要なルール

非制限用法では「that」は使えません。 カンマが必要な時は、which, who, whose, whom のいずれかを使います。これは絶対的な文法ルールです。

制限用法と非制限用法の違いを理解する最良の方法は、具体例を見比べることです。

比較:カンマの有無で意味が変わる例

同じ文章でも、カンマがあるかないかで、先行詞が指す対象が変わります。

  • 制限用法(カンマなし)
    My sister who lives in Tokyo is a doctor.
    (東京に住んでいる姉は医者です。)

→ 姉が複数いる可能性があり、「東京に住んでいる」という情報でどの姉かを特定しています。この説明がないと、どの姉の話か分かりません。

  • 非制限用法(カンマあり)
    My sister, who lives in Tokyo, is a doctor.
    (私の姉は医者で、彼女は東京に住んでいます。)

→ 姉は一人だけです。「東京に住んでいる」というのは、姉に関する追加情報です。この部分を削除しても「My sister is a doctor.」という文の核心は変わりません。

もう一つの例で、意味の違いがどれほど大きくなるか確認してみましょう。

注意:意味が180度変わる例
  • 制限用法
    The employees who had completed the training received a bonus.
    (研修を修了した従業員はボーナスを受け取った。)

→ 研修を修了した従業員だけがボーナスを受け取り、修了していない従業員は受け取っていないことを意味します。

  • 非制限用法
    The employees, who had completed the training, received a bonus.
    (従業員は全員ボーナスを受け取った。彼らは研修を修了していた。)

→ 従業員は全員研修を修了しており、そして全員がボーナスを受け取ったことを意味します。カンマがあるだけで、「全員」なのか「一部」なのかという根本的な解釈が逆転します。

このように、制限用法は「範囲を絞り込む」、非制限用法は「情報を付け加える」と区別して考えることが、正確な理解への第一歩です。英文を書く際は、自分が伝えたい意図に合わせて、カンマを置くべきかどうかを必ず確認する習慣をつけましょう。

英作文で迷わない!関係代名詞を使うための3ステップ実践ワーク

理論がわかっても、実際に英文を書く段階で「あれ、whichだっけ?thatだっけ?」と迷うことはありませんか?その迷いは、頭の中でルールを探すのではなく、「手順」に沿って機械的に判断する練習で解消できます。ここでは、誰でも確実に正しい関係代名詞を選べる実践的な3ステップを紹介します。

STEP
ステップ1:説明したい名詞(先行詞)を決める

まず、あなたが説明したい「メインの名詞」を特定します。例えば、「昨日会った男性はとても親切だった」という文で強調したいのは「男性」です。この「男性」が先行詞です。この段階では関係代名詞は考えず、主語や目的語を明確にしましょう。

STEP
ステップ2:説明文の中で、その先行詞がどんな役割かを確認する

次に、その先行詞について追加したい説明文(関係代名詞節)の中での、先行詞の役割を考えます。ここが最大のポイントです。

説明文を「彼は私の上司です」としたい場合、「男性」はその説明文の中で「主語(が)」の役割です。
説明文を「私が彼を尊敬しています」としたい場合、「男性」は説明文の中で「目的語(を)」の役割です。
説明文を「彼のアイデアが素晴らしい」としたい場合、「男性」は説明文の中で「所有格(の)」の役割です。

日本語の「〜が」「〜を」「〜の」に注目すると、文法上の役割が見分けやすくなります。

STEP
ステップ3:先行詞の種類と役割から、関係代名詞を選択(省略も検討)

ステップ1の「先行詞の種類(人/物・事)」とステップ2の「役割(主語/目的語/所有格)」を組み合わせて、以下の表に当てはめます。

先行詞の役割人を説明する場合物・事を説明する場合
主語(〜が)who / thatwhich / that
目的語(〜を)whom / that (省略可)which / that (省略可)
所有格(〜の)whosewhose

目的語の役割の場合、関係代名詞を省略できる選択肢があることを覚えておきましょう。所有格のwhoseは「whose + 名詞」の形で使います(例:whose idea)。

この3ステップを頭の中で素早く回すことで、感覚や推測に頼らず、論理的に関係代名詞を選べるようになります。

実践練習:ステップを踏んで英作文してみよう

以下の日本文を、3ステップに従って英文に直してみましょう。解答例と解説を見る前に、自分で考えてみることが上達の近道です。

  1. これは私が昨日買った本です。(先行詞:本 / 説明文:私が昨日それを買った)
  2. 彼女が紹介してくれた男性はカナダから来ました。(先行詞:男性 / 説明文:彼女がその男性を紹介してくれた)
  3. これは、著者の意見が非常に明確な記事です。(先行詞:記事 / 説明文:その記事の著者の意見が非常に明確だ)
解答例と解説
  1. This is the book (which/that) I bought yesterday.
    先行詞「book」は物。説明文「I bought it yesterday」の中で、it(=book)は目的語(を)の役割。よって which または that を使い、目的語なので省略可能。
  2. The man (whom/that) she introduced is from Canada.
    先行詞「man」は人。説明文「she introduced him」の中で、him(=man)は目的語(を)の役割。よって whom または that を使い、目的語なので省略可能。口語ではwhomよりthatまたは省略形が一般的。
  3. This is the article whose author’s opinion is very clear.
    先行詞「article」は物。説明文「the article’s author’s opinion is very clear」の中で、articleは所有格(の)の役割。よって whose を使い、「whose author’s opinion」の形で所有関係を表す。

このワークを通して、関係代名詞の選択が「先行詞の種類」と「節内での役割」という2つの情報を組み合わせるシンプルな作業であることを実感できたはずです。あとはこの手順を身体に覚えこませるだけです。

関係代名詞でよくある間違いとその回避法|あなたの疑問を解消

これまで関係代名詞の基本ルールを学んできましたが、実際に英文を書く際には、いくつかの「落とし穴」があります。特に、和文英訳や自由英作文で間違いやすいパターンを知り、それを回避する方法を身につけることが、正確な英文を書くための近道です。ここでは、学習者がつまずきやすい3つの典型的な間違いと、その解決策を見ていきます。

間違い例1:先行詞が「人」なのに「which」を使ってしまう

「人」の先行詞には「who」、「物・事」には「which」という基本は多くの方が知っています。しかし、先行詞が「会社の社員」「学校の生徒」など「人」が集まった集合名詞の場合、少し注意が必要です。集合名詞そのものが組織としてのひとまとまりの「もの」を指す場合は、「which」を使うのが正しいのです。

ポイント

「チーム」「会社」「委員会」などの集合名詞。そのメンバー(人)に注目する場合はwho、組織そのもの(物・事)に注目する場合はwhichを使います。

誤: The team which won the championship is celebrating. (優勝したのは「チームメンバーたち」なので、人に注目)

正: The team who won the championship is celebrating.

正: The company, which is located in Tokyo, announced a new policy. (所在地を説明しているのは「会社」そのもの)

間違い例2:非制限用法なのに「that」を使ってしまう

前のセクションで学んだ「制限用法」と「非制限用法」の違いは、関係代名詞の選択にも直結します。最も重要なルールの一つは、カンマで区切られた非制限用法では「that」は使えないということです。カンマが付いたら、選択肢は「which」「who」「whose」「whom」に限られます。

  • カンマなし(制限用法): which / that / who / whose が使える。
  • カンマあり(非制限用法): which / who / whose / whom のみが使える。

誤: My laptop, that I bought last year, has stopped working.

正: My laptop, which I bought last year, has stopped working.

間違い例3:関係代名詞節の中の主語・動詞の数が合わない

関係代名詞節とは、関係代名詞以降の説明部分のことです。この節の中の動詞は、関係代名詞自体ではなく、先行詞(説明される名詞)に合わせて単数形・複数形を決めます。関係代名詞が主格(who, which, that)で節内の主語として機能する場合、この点を見落としがちです。

確認のコツ

関係代名詞節を一時的に外して、先行詞だけに動詞を合わせてみましょう。「A person who…」なら「A person is/does…」と考えると、動詞の形が見えてきます。

誤: She is one of the students who is always prepared. (先行詞は「the students」で複数)

正: She is one of the students who are always prepared.

正: The book that contains valuable data is on the shelf. (先行詞「The book」は単数)

先行詞が「チーム」や「家族」の場合はwho?which?どちらが自然ですか?

文脈によります。メンバー一人ひとりの行動や特性を強調する場合は「who」、組織としての性質や決定を述べる場合は「which」が自然です。例えば、「My family, who live in Osaka, are very close.」は家族のメンバーが大阪に住んでいることを、「The committee, which meets weekly, decided the matter.」は委員会という組織が週次で会合を開くことを表します。話し手が集団を「人の集まり」と見るか「一つの単位」と見るかの意識の違いが反映されます。

「The only thing that…」と「The only thing which…」はどちらも正しいですか?

「the only」「the very」「all」「every」などが先行詞を修飾する場合、制限用法では通常「that」が好まれます。したがって、「The only thing that matters is your effort.」の方がより一般的な表現です。「which」を使っても文法的に誤りではありませんが、特に強調や限定の意味が強い場合には「that」が選択される傾向があります。非制限用法(カンマあり)の場合は「which」のみが可能です。

著者プロフィール

大学受験・英語資格試験塾講師。大学時代にアメリカへ1年間留学。卒業後は海外書籍を取り扱う出版社で編集職に6年間従事した後、英語教育の現場へ転身。大学受験生向けや、社会人の英語資格試験対策の講義を担当し、実践的で分かりやすい解説に定評がある。出版社時代に様々なジャンルの英語書籍を担当した経験から、法律から工学まで業界特有の英語表現やビジネス英語に関する幅広い知識を持つ。また、二児の母という立場から、実体験に基づいた子どもの英語教育に関する発信も行っている。

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