英文Eメールを自然に仕上げる!ビジネスで頻出する定型イディオム・句動詞20選と場面別使い分けガイド

英文メールを書くとき、単語の選択が悩ましい経験はありませんか。日常会話で使える「句動詞」と、フォーマルな文書に登場しがちな「単体動詞」。どちらを選べば、自然で適切なメールになるのでしょうか。実は、この使い分けこそが、あなたのメールの第一印象を決めます。

目次

メールで使える句動詞・イディオムを学ぶ前に押さえるべき2つの視点

句動詞と単体動詞 どちらを選ぶ?。フォーマル度で使い分ける、関係性でトーンを調整、前後の言葉遣いも重要

句動詞を効果的に使いこなすためには、まず大きな視点を知ることが近道です。ここでは、メールのトーンを左右する核となる考え方を二つ解説します。

句動詞と単体動詞、どちらがメールに適しているのか

句動詞は、動詞に前置詞や副詞が組み合わさって、元の動詞とは異なる意味を持つフレーズです。一方、単体動詞は一語で動作や状態を表します。メールでは、どちらが適しているかは、文脈とフォーマル度によって決まります。一般的に、単体動詞のほうがよりフォーマルで、文書らしい硬い印象を与えます。

カジュアル寄り(句動詞)フォーマル寄り(単体動詞)ニュアンスの違い
check outexamine / verify「調べる」。check outは確認のニュアンスが強く、verifyは厳密に確認や検証をする。
find outdiscover / ascertain「見つけ出す」。find outは自然に知る、ascertainは確かめるために努力して調べる。
get back to (you)reply / respond「返事をする」。get back toは口語的で柔らかく、replyは事務的な返信。
go overreview / examine「見直すや検討する」。go overはざっと目を通す、reviewは詳細に再検討する。
look intoinvestigate「調査する」。look intoは調べてみる、investigateは本格的に調査する。

重要なのは、句動詞が必ずしもビジネスメールに不適切というわけではないことです。親しい同僚や長年の取引先など、関係性が築かれている相手へのメールでは、句動詞を使うことで友好的で自然なトーンを作れます。一方、初めての相手や非常に公式な場面、契約書類に関わる連絡では、単体動詞を選ぶ方が無難です。

丁寧度を左右するメール特有の表現の原則

メールの丁寧さは、動詞の種類だけでなく、前後の言葉遣いで大きく変わります。特に、前置詞や副詞の選択が、文章の堅さを決める鍵です。

  • 「〜してください」の表現:Pleaseを文頭に置くよりも、「Could you possibly…?」や「I would appreciate it if you could…」のように間接的な依頼形を使うと、より丁寧な印象になります。
  • 前置詞の選び方:場所や方向を示す場合、「at」「to」「for」など、最もシンプルな前置詞を選ぶと明確でフォーマルな文章になります。一方、「around」「about」「over」を使うと、やや緩い印象を与えます。
  • メールの構成とイディオム:冒頭の挨拶、本文の展開、結びの言葉には、それぞれ定番のイディオムがあります。例えば、本文を始める「I am writing to…」は非常に一般的です。結びの「I look forward to…」は相手への期待を示す丁寧な表現です。これらの定型フレーズを場面に応じて使い分けることで、全体の流れが整います。
重要な視点のまとめ

句動詞か単体動詞かは、相手との関係性とメールの目的で判断します。親密さを出したい時は句動詞を、厳格さが必要な時は単体動詞を選びましょう。また、丁寧さは個々の単語よりも、依頼の仕方や前置詞の選択、メール全体の構成フレーズでコントロールできます。次のセクションからは、この視点を踏まえて、実際に使えるフレーズを見ていきます。

スムーズな関係構築に効く!書き出し・結びで使える定番イディオム4選

書き出しと結びの 定番フレーズ。万能な書き出しはない、返信時は感謝から始める、結びは印象を左右する

メールの最初と最後には、相手との関係を円滑にするための定型表現が欠かせません。これらのイディオムを適切に使い分けることで、プロフェッショナルな印象を損なわず、丁寧さと親しみやすさのバランスを取ることができます。ここでは、書き出しと結びに分けて、頻出する4つの定番フレーズとその使い分けのポイントを解説します。

関係を円滑に始める「書き出し」の定番フレーズ

多くのビジネスメールで使われる書き出しの表現には、それぞれ異なるニュアンスがあります。万能に見える表現でも、場面によっては不自然に聞こえることがあるので注意が必要です。

  • I hope this email finds you well.(お元気でお過ごしのことと存じます。)
    非常にポピュラーな表現ですが、初めて連絡する相手や、具体的な問題を相談する場面では、少し形式的すぎる場合があります。既に良好な関係が築けているビジネスパートナーや、定期的な連絡を取る相手に使うのが最も自然です。
  • Thank you for your email.(ご連絡いただきありがとうございます。)
    返信メールの書き出しとして最も一般的で安全な選択肢です。相手からの連絡に対する感謝を伝え、前向きなトーンを設定します。受信したメールの内容に応じて、「Thank you for your prompt reply.(迅速なご返信ありがとうございます。)」や「Thank you for your inquiry.(お問い合わせいただきありがとうございます。)」のように具体化すると、より好印象です。
「I hope this email finds you well.」は万能か?

この表現は確かに便利ですが、万能ではありません。例えば、緊急の連絡や、懸念事項を伝えるメールの冒頭で使うと、内容との間にトーンのズレが生じることがあります。また、あまりにも多用されすぎているため、相手によっては「決まり文句」として特に印象に残らない可能性もあります。初めての連絡では、シンプルに「My name is [Your Name] from [Company Name]. I am writing to…」で始めるのも一つの方法です。

好印象を残して締める「結び」の定番フレーズ

メールの結びは、最後に残る印象を大きく左右します。丁寧さと行動への促しをバランスよく含んだ表現を選びましょう。

  • I look forward to hearing from you.(ご連絡をお待ちしております。)
    相手からの返信を期待する、最も標準的な結びの表現です。特に強い感情を込めず、丁寧に締めくくりたいときに適しています。
  • Thank you for your time and consideration.(お時間とご検討をいただきありがとうございます。)
    提案書や申請書、何らかのアクション(検討・承認など)を依頼するメールの結びとして非常に適しています。相手の労力に対して事前に感謝を示すことで、好意的な検討を促す効果があります。単なる情報提供のメールでは少し重すぎる印象を与える可能性があるので、使用場面を選びましょう。

「I look forward to ~ing」と「I am looking forward to ~ing」には、ごくわずかなニュアンスの差があります。前者(単純形)はやや形式的で客観的な印象を与え、後者(進行形)は少しだけ個人的な親しみや期待感を込めた印象になります。ただし、この差は非常に小さく、どちらを使っても大きな問題はありません。気にしすぎる必要はないでしょう。

Please feel free to contact me if you have any questions.
(ご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。)

上記の表現は、「Please do not hesitate to contact me.」の代わりによく使われる、より自然で現代的なフレーズです。「do not hesitate(ためらわないで)」は少し堅苦しく、場合によっては「ためらうかもしれない」というネガティブな状況を暗に示していると感じる人もいます。「feel free to(お気軽に)」の方が、オープンで親しみやすい印象を与えることができます。

結びの表現を組み合わせる

これらの結びの表現は、状況に応じて組み合わせて使うこともできます。例えば:
「Thank you for your time. I look forward to your reply.」
(お時間をいただきありがとうございます。ご返信をお待ちしております。)
このように、感謝の気持ちと今後のアクションへの期待を両方伝えることで、より丁寧で完成度の高いメールを締めくくることができます。

依頼・確認・進捗管理に不可欠な句動詞6選と使い分け実例

ビジネスメールでは、何かを依頼したり、状況を確認したり、進捗を管理する場面が頻繁に訪れます。このようなコミュニケーションを円滑に進める鍵は、適切な句動詞や表現を選ぶことです。同じような意味を持つ表現でも、丁寧さやニュアンスが異なれば、相手に与える印象も大きく変わります。ここでは、依頼と確認・追跡の場面で特に重要な6つの表現を、その使い分けの実例とともに解説します。

「依頼する」ときの丁寧な表現:ask for, request, reach out

ポイント

「ask for」と「request」はどちらも「依頼する」という意味ですが、丁寧さの度合いが明確に異なります。メールでは相手との関係や依頼内容の重要度によって、どちらを使うべきかを判断する必要があります。

「ask for」は日常会話でもよく使われる句動詞で、カジュアルで直接的な依頼に適しています。社内の同僚や親しい取引先に対して、比較的軽い内容を依頼する場面で自然です。

Could you please ask for an update from the design team? (デザインチームに進捗状況を確認してもらえますか?)

一方、「request」は単体動詞で、よりフォーマルで公式な響きを持ちます。公式文書や、重要な資料の提出、クライアントへの正式な申し入れなど、丁寧さと重みが求められる場面で選択しましょう。

We kindly request that you submit the signed contract by the end of this week. (今週末までに署名済みの契約書をご提出いただけますようお願い申し上げます。)

「reach out」は「手を差し伸べる」というニュアンスから派生し、「連絡を取る」「接触する」という意味で使われます。これは、相手に何かを強く依頼するというよりも、協力を求めたり、相談を持ちかけたりするフレンドリーな表現です。新規の取引先へのアプローチや、社外の専門家に軽く問い合わせる際に適しています。

表現カジュアル度合い適した場面
ask for高い(日常的)社内・親しい関係者への軽い依頼
reach out中(フレンドリー)新規接触・協力依頼・相談
request低い(公式)クライアントへの正式な依頼・重要書類の要請

「確認する・追跡する」ときの強弱の付け方:check on, follow up, look into

進捗管理や問題の調査では、確認の「強さ」を調整することが重要です。軽すぎると相手に緊急性が伝わらず、強すぎるとプレッシャーを与えすぎてしまうからです。

「check on」は「〜の様子を見る」という意味合いで、軽く状況を確認するときに使います。相手を急かすニュアンスはほとんどありません。進行中のプロジェクトが順調かどうか、同僚の体調を気遣うときなど、気軽に使える表現です。

I’ll check on the status of your order and get back to you shortly. (ご注文の状況を確認し、すぐにご連絡いたします。)

「follow up」は「追跡する」「フォローアップする」という意味で、より積極的で公式な確認・催促を表します。以前のメールや会議での合意事項に対して、その後の進捗や結果を尋ねる際に用います。プロジェクト管理や商談の場面で頻出する、ビジネスらしい表現です。

I’m writing to follow up on our discussion last week regarding the proposal. (先週の提案に関する議論について、フォローアップのご連絡を差し上げます。)

注意点

「check on」と「follow up」を使い分ける判断基準は、「事前の約束や合意があるかどうか」です。単に状況を知りたいだけなら「check on」、以前のコミュニケーションに基づいて進捗を求めるなら「follow up」が自然です。

問題や課題について「調べる」「調査する」と伝える際によく使われるのが「look into」です。これは「中を覗き込む」イメージで、原因を探ったり、詳細を調査することを約束するニュアンスがあります。フォーマルな場面では「investigate」も使えますが、「investigate」は警察や内部監査など、より大がかりで公式な調査を連想させます。一般的な業務上の問題点を調べる場合は、「look into」の方が自然で適切です。

Thank you for reporting the issue. Our technical team will look into it immediately. (問題をご報告いただきありがとうございます。技術チームがすぐに調査いたします。)

  • check on: 気軽な状況確認。プレッシャーをかけない。
  • follow up: 合意事項に基づく積極的な追跡・フォローアップ。
  • look into: 問題の調査を約束する。investigateよりカジュアルで広く使える。

これらの表現を場面に応じて使い分けることで、あなたのメールは目的に沿った適切なトーンで書かれ、業務をスムーズに推進する強力なツールとなります。

問題発生時や提案時に信頼感を醸す句動詞・イディオム5選

プロジェクトの遅延やトラブルを報告するとき、あるいは新しい解決策を提案するとき、使う表現一つで相手からの信頼度が大きく変わります。ここでは、問題に対処する姿勢を示し、前向きな提案を行うための5つのキーフレーズを、その細かいニュアンスと使い分けのコツとともに解説します。状況を悪化させるのではなく、信頼を築く表現を選びましょう。

謝罪と状況説明で使う「問題に対処する」表現

問題が起きたとき、単に状況を伝えるだけでは不十分です。現在の対応状況や、今後どのように対処していくのかという姿勢を示すことが重要です。

信頼感を高めるポイント

問題報告のメールでは、「起きた事実」と「これからの対応」をセットで伝えることが信頼を得る鍵です。謝罪だけで終わらず、原因調査や再発防止の具体的なアクションを示しましょう。

まず、「対処する」という意味でよく使われる2つの表現を見てみましょう。

表現主なニュアンス使用例
deal with「処理する」「対応する」という一般的な表現。日常的で幅広い問題に使える。We will deal with the customer complaints promptly.
(顧客からの苦情には迅速に対応します。)
address「真剣に取り組む」「本質的な解決を目指す」という前向きな姿勢を含む。よりフォーマルでプロフェッショナル。We need to address the root cause of this issue.
(この問題の根本原因に取り組む必要があります。)

「deal with」は「片付ける」というニュアンスで、タスクとして処理する印象です。一方、「address」は問題の核心に目を向け、前向きに解決しようとする積極性が感じられます。重大な問題や、根本的な改善が必要な課題について話すときは「address」を使うことで、責任感のある姿勢を伝えられます。

遅延を報告する際は、「run into delays」が自然です。「遭遇する」「直面する」という意味の「run into」を使い、「予期せぬ遅延に直面している」と説明することで、不可抗力であるニュアンスを加えられます。

例文で比較してみましょう。

  • We are sorry for the delay in the project. (プロジェクトの遅延についてお詫びします。)
  • We apologize as we have run into some unexpected delays with the delivery. We are actively working to address this and will provide a revised schedule by tomorrow. (納品で予期せぬ遅延が生じており、お詫び申し上げます。この問題に対処すべく積極的に取り組んでおり、明日までに改訂されたスケジュールをご連絡します。)

アイデアや解決策を「提案する・持ち寄る」表現

問題解決のため、または業務を改善するためにアイデアを提案する場面では、表現の丁寧さと、そのアイデアがどのように生まれたのかを示すことが重要です。

最もよく使われる表現は「come up with」です。これは「(考えを)思いつく」「閃く」というニュアンスが強く、ゼロから新しいアイデアを生み出したという創造性や努力をほのめかせます。

My team member came up with an excellent solution. (私のチームメンバーが素晴らしい解決策を思いつきました。)

「come up with」を使ってチームメンバーの功績を称えると、協力的な職場環境をアピールできます。単に「suggested」と言うよりも、その人の創造性を評価する印象を与えられます。

よりフォーマルな提案には「propose」が適しています。「suggest」も提案を表しますが、「propose」の方が正式で、具体的な計画や案を提示する際によく使われます。特にクライアントや上司への重要な提案では「propose」が好まれる傾向があります。

  • I would like to propose a new meeting schedule. (新しい会議のスケジュールを提案させてください。)→ 変更案として正式に提示。
  • I suggest we take a short break. (少し休憩を取るのはどうでしょうか。)→ 気軽な提案や意見。

問題が複雑で、すぐに答えが出ない場合は、work out a solutionという表現が有効です。「work out」は「(努力して)解決策を見つけ出す」「作り上げる」という意味で、協力しながら答えを導き出そうとする協調的な印象を与えます。一人で解決するのではなく、相手と共に取り組む姿勢を示せます。

Let’s discuss this further so we can work out a solution together. (さらに話し合い、一緒に解決策を見つけ出しましょう。)

情報共有と調整を円滑にする句動詞5選とNG例

プロジェクトを進めるうえで、資料を送ったり、日程を調整したりするメールは日常茶飯事です。このような実務的なコミュニケーションでは、適切な句動詞を使い分けることで、作業の円滑さとプロフェッショナルな印象が大きく向上します。ここでは、情報を「送付する・共有する」場面と、日程や詳細を「調整する・まとめる」場面に分けて、自然で効果的な5つの表現と、避けるべきカジュアルすぎる表現を解説します。

情報を「送付する・共有する」ときの自然な表現

資料をメールに添付して送る際、単に「I will send you the document.」と言うこともできますが、状況に応じた句動詞を使うと、より自然で具体的な印象を与えられます。

ポイント

「send over」は内部のチームメンバー向けのカジュアルな送付に、「find attached」は添付ファイルがあることを丁寧に伝える定型イディオムとして覚えておきましょう。

最も頻繁に使われるのが「send over」です。これは「(こちらから向こう側へ)送る」というニュアンスで、特に内部のチームメンバーや親しい同僚に対して、資料やリンクを送る際に便利です。例えば、「I’ll send over the meeting minutes shortly.」(すぐに議事録を送ります)のように使います。ただし、初対面のクライアントや上司に対しては、やや砕けた印象を与える可能性があるため、「I will send you…」の方が無難です。

添付ファイルを送る際の定番表現が「find attached」です。「Please find attached the proposal.」(提案書を添付いたします)という形で使います。これは「添付された書類を見つけてください」というよりも、「添付ファイルをご確認ください」という丁寧な定型句として定着しています。「I attach」と言うよりも、洗練されたビジネスメールらしい響きがあります。

さらに、送った資料に対してフィードバックや確認を依頼するときには「go over」が活躍します。「Could you go over the draft I sent over?」(送付した草案に目を通していただけますか?)というように、「(内容を)確認する、レビューする」という意味で使います。「check」よりも、より深く内容を検討するニュアンスを含みます。

日程や詳細を「調整する・まとめる」ときの表現

打ち合わせの設定やプロジェクトの最終段階では、物事を整え、まとめ上げる表現が必要です。

ミーティングや電話会議を「設定する」ときは「set up」が一般的です。「Let’s set up a call next week.」(来週、電話会議を設定しましょう)のように使います。一方、「arrange」はより公式な手配や調整を意味します。外部のベンダーとの会食を手配する、複雑なスケジュールを調整するような場面では、「arrange」の方が適切です。例えば、「I will arrange the venue and catering.」(会場とケータリングを手配します)となります。

プロジェクトの終盤で「まとめる、完了させる」という意味で使われるのが「wrap up」です。これは単に「終わる」ではなく、「(残り少ない作業を)きちんと片付けて完了に近づける」という積極的なニュアンスがあります。「We need to wrap up this project by Friday.」(金曜日までにこのプロジェクトをまとめなければなりません)のように、締め切りを意識した進捗管理メールで効果的です。

これらの表現を適切に使い分けることで、単なる事務連絡から、協調的で前向きなコミュニケーションへと昇華させることができます。

使える表現 vs 避けるべき表現

ビジネスメールでは、カジュアルすぎる表現やスラングは信頼性を損なう可能性があります。以下の比較表を参考に、適切な表現を選びましょう。

場面使える自然な表現避けるべきカジュアルな表現理由と代案
資料を送るI’ll send over the file. (内部向け)
Please find attached the report.
I’ll hit you up with the file.「hit someone up with」は「連絡を取る」意味のスラング。資料送付には不適切。「send」が無難。
確認を依頼するCould you go over this?Can you check this out?「check out」は「(面白いものを)見てみる」ニュアンス。業務書類のレビューには軽すぎる。
ミーティングを設定するLet’s set up a meeting.Let’s chill and talk about it.「chill」は「くつろぐ」意味の非常にカジュアルな表現。ビジネスシーンでは不適切。
物事を完了させるWe should wrap up the discussion.Let’s call it a day on this.「call it a day」は「今日はここまでにする」意味。特定の作業完了より、勤務終了のニュアンスが強い。
実践例文でニュアンスを掴む

以下は、実際のメールで使える例文です。文脈に応じた表現の選択をイメージしてみてください。

  • 「send over」の使用例 (カジュアルなチーム内連絡):
    Hi Team, I’ve just sent over the updated project timeline. Please review it at your earliest convenience.
  • 「find attached」の使用例 (クライアントへの丁寧な連絡):
    Dear Mr. Smith, Thank you for your inquiry. Please find attached our detailed quotation for your review.
  • 「wrap up」の使用例 (プロジェクトリーダーからの進捗報告):
    We are on track to wrap up Phase 2 by the end of this month. A final review meeting will be arranged next week.

情報共有と調整のメールでは、相手との関係性とメールの目的に合わせて表現を選ぶことが大切です。内部のチームメンバーとは効率を優先したカジュアルな表現を、外部の関係者や公式な場面では丁寧で確実な表現を使い分けることで、プロフェッショナルなコミュニケーションを実現できます。

実践演習:シチュエーション別で最適なフレーズを選択する

ここまで学んだ句動詞やイディオムを実際のメールでどのように活用するか、シチュエーションごとに考えてみましょう。状況(相手との関係性、緊急度、メールの目的)に応じて、最も適切な表現を選び抜くことが重要です。以下のケーススタディを通じて、単なる暗記ではなく、適切な表現を選択する思考プロセスを身につけましょう。

ケーススタディ1:新規クライアントへの提案メール

あなたは、あるサービスの営業担当です。初めてコンタクトを取る企業に対して、自社の新しいソリューションを提案するメールを書く必要があります。この場面での目的は、第一印象で信頼感を与え、前向きな検討を促すことです。

思考プロセス

新規クライアントへの初回メールでは、丁寧さとプロフェッショナリズムが最優先です。馴れ馴れしさや押しつけがましさを避けつつ、提案内容に価値があることを明確に伝える表現を選びます。

まず、書き出しの表現を考えます。相手の課題に言及する時、どの表現が適切でしょうか。

  • A. We’re reaching out because we’ve been looking into challenges in your industry.
  • B. We’re hitting you up ‘cause we heard you might have some problems.
  • C. We’re writing to you as we have identified potential areas for improvement.

選択肢Bの「hitting you up」は非常にカジュアルなスラングで、ビジネスメールには不適切です。

適切なのは選択肢AまたはCです。「reach out to」は連絡を取る際の丁寧な表現です。さらに具体的な提案へつなげる時は、「look into」(調査する、検討する)や「identify」(特定する)といった前向きな動詞を使うと効果的です。

次に、提案の核心部分です。解決策を提示する際は、押し売りではなく協業の姿勢を示すことが大切です。

  • 「We believe our solution can address these challenges effectively.」
    (「address」は「〜に対処する、取り組む」の意で、フォーマルで信頼感のある表現です。)
  • 「We would like to set up a brief meeting to walk you through the details.」
    (「set up」は日程を「設定する」、「walk through」は丁寧に「説明する、案内する」という意味で、相手の時間を尊重した提案になります。)

結びの言葉では、次のアクションを明確に促します。「We look forward to hearing from you.」が定型ですが、学んだ句動詞を使うとより自然です。

「Please feel free to reach out if you have any questions.」
「We hope to follow up with you soon.」

ケーススタディ2:進行中のプロジェクトにおける問題報告メール

あなたは、既存のクライアントとのプロジェクトを担当しています。予期せぬ技術的障害が発生し、納期に遅れが出る可能性が出てきました。この事実を、クライアントのプロジェクトマネージャーに報告しなければなりません。

思考プロセス

問題報告メールでは、事実を隠さず伝える誠実さと、すでに対処を開始しているという前向きな姿勢の両方が必要です。責任転嫁や言い訳ではなく、「問題を認識し、解決に向けて動いている」ことを伝える表現を選びます。

いきなり悪い知らせから始めるのではなく、まずは件名と書き出しで状況を明らかにします。

件名: Update on Project X Timeline / Issue Regarding Project X Deliverables
本文: 「I’m writing to inform you that we have run into an unexpected technical issue.」
(「run into」は「〜に遭遇する」の意で、予期せぬ問題が発生した事実をストレートに、かつ少し和らげて伝えます。)

次に、現在の対応状況を伝えることが信頼を損なわない鍵です。ここで使える句動詞を選択しましょう。

  • 「Our team is currently looking into the root cause.」
    (原因を「調査中」であることを伝えます。)
  • 「We are working on a solution and will keep you posted on our progress.」
    (「work on」は解決に「取り組んでいる」、「keep 人 posted」は「随時連絡する、最新情報を伝え続ける」という約束を示します。)
  • 「To make up for the delay, we are exploring ways to accelerate subsequent phases.」
    (「make up for」は「埋め合わせる、挽回する」の意で、遅れへの具体的な対応策を示唆します。)

ここで避けるべき表現は「We are stuck with this problem.」です。「stuck with」は「〜に閉じ込められている、行き詰まっている」というネガティブで無力感を伝える表現なので、ビジネスでの問題報告には適しません。

最後に、謝罪と今後の方針で結びます。単なる「I’m sorry」ではなく、状況を認め、次に何をするかを述べましょう。

「We apologize for any inconvenience this may cause. We will follow up with a detailed update by tomorrow EOD.」
(「cause」は「引き起こす」、「follow up」は「追って連絡する」という具体的なアクションを示します。)

まとめ

適切な句動詞の選択は、メールの目的と相手との関係性から導かれます。新規提案では丁寧さと価値の提示を、問題報告では誠実さと前向きな対応姿勢を表現するフレーズを選びましょう。フレーズを単体で覚えるのではなく、「この状況では、このニュアンスを伝えたいからこの表現を使う」という思考プロセスを繰り返すことで、自然で効果的な英文Eメールを書く力が身につきます。

著者プロフィール

大学受験・英語資格試験塾講師。大学時代にアメリカへ1年間留学。卒業後は海外書籍を取り扱う出版社で編集職に6年間従事した後、英語教育の現場へ転身。大学受験生向けや、社会人の英語資格試験対策の講義を担当し、実践的で分かりやすい解説に定評がある。出版社時代に様々なジャンルの英語書籍を担当した経験から、法律から工学まで業界特有の英語表現やビジネス英語に関する幅広い知識を持つ。また、二児の母という立場から、実体験に基づいた子どもの英語教育に関する発信も行っている。

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