英検2級の一次試験で、リーディングとリスニングはそこそこできたのに、最後のライティングで手が止まってしまった…。そんな経験はありませんか?実は、ライティングはたった1問で一次試験全体の約3分の1の配点を占める、合否を左右する最重要パートです。しかし、逆に言えば、ここでしっかり得点できれば、リーディングやリスニングが少し足りなくても合格の可能性がぐっと高まる「救世主」にもなります。この記事では、ライティングを最短で攻略し、英検2級を確実に突破するための『型』と表現集を徹底解説します。まずは、ライティングの基本と採点の仕組みを一緒に確認していきましょう。
英検2級ライティングの基本と配点戦略を知る
ライティングは一次試験突破の『鍵』
英検2級の一次試験は、リーディング、リスニング、ライティングの3技能で構成されています。多くの受験者がリーディングやリスニングの勉強に注力しがちですが、配点バランスを見ると、ライティングの重要性が一目瞭然です。
| 技能 | 問題数 | CSEスコア(満点) | 一次試験全体に占める割合 |
|---|---|---|---|
| リーディング | 38問 | 650 | 約33% |
| リスニング | 30問 | 650 | 約33% |
| ライティング | 1問 | 650 | 約33% |
たった1問でリスニング30問分、リーディング38問分と同じスコアが与えられます。つまり、ライティングを対策することは、一次試験全体の得点を最も効率的に上げる方法なのです。ライティングを「後回しにしがちなパート」ではなく、「確実に得点できる得点源」と捉えることが、最短合格への第一歩です。
出題形式の基本を押さえる
- 課題: 社会的な話題について、あなたの意見とその理由を述べる。
- 指示文: TOPICについて、あなたの意見と2つの理由を書きなさい。POINTSから2つ選び、理由として使うことができます。
- 語数の目安: 80語〜100語
- 時間配分の目安: 20分〜25分
例)
TOPIC: Some people say that it is better to work for a large company than for a small company. Do you agree with this opinion?
POINTS: Career / Salary / Job security / Working hours
POINTSは「使っても使わなくてもよい」ヒントです。自分の書きやすい理由をPOINTSから2つ選んで書くのが最も効率的で確実です。無理にPOINTS以外の理由を考える必要はありません。
採点基準から見る『正しい』英作文とは?
英検2級のライティングは、「何を書くか」だけでなく、「どのように書くか」も非常に重要です。採点は以下の4つの観点に基づいて行われ、各観点で0〜4点の5段階で評価されます(満点は各4点×4観点=16点、これがCSEスコア650点に換算されます)。
- 内容 (Content): TOPICに対して、適切な意見と理由が述べられているか。
- 構成 (Organization): 意見、理由、まとめが論理的な構成で書かれているか。
- 語彙 (Vocabulary): 課題にふさわしい語彙が適切に使われているか。
- 文法 (Grammar): 文法的に正しい英文が書かれているか。
高得点を取るためには、各観点で「満点を狙う」のではなく、「確実に基準点を超える」ことを意識しましょう。以下の表は、合格ラインをクリアするための目標点の目安です。
| 採点観点 | 評価のポイント | 目標点(合格の目安) |
|---|---|---|
| 内容 | 意見が明確で、2つの理由がTOPICと関連しているか。 | 3点 |
| 構成 | Introduction (意見) → Body (理由×2) → Conclusion (まとめ) の流れが整っているか。 | 3点 |
| 語彙 | POINTSの語彙を正しく使い、スペルミスが少ないか。 | 3点 |
| 文法 | 基本的な文型(SVOなど)や時制が揃っており、大きな誤りがないか。 | 3点 |
「内容」「構成」「語彙」「文法」のすべてで完璧を目指す必要はありません。それぞれで3点(5段階中)を安定して取れれば、合計12点。これはCSEスコアに換算すると十分合格圏内の高得点となります。まずは、無理のない範囲で「型」に沿って確実に書くことを最優先に練習しましょう。
ライティングの壁を破る!3ステップ思考プロセス
ライティングで最も失敗するパターンは、「いきなり英語で書き始めてしまう」ことです。焦って問題文をざっと読み、なんとなく自分の意見を思い浮かべ、そのまま英語に翻訳しようとする。これでは、論理が破綻したり、語数が足りなかったり、途中で何を書いているのかわからなくなったりします。そこで、絶対に外してはいけないのが、最初に日本語でしっかりと思考を整理することです。下記の3ステップに従って、あなたの思考を「型」にはめ込みましょう。
まずは、何について書くべきかを正確に把握します。問題文の冒頭にある「質問」と、その下に並ぶ4つの「POINTS」を、必ず日本語で意味を理解してください。ここで重要なのは、単語レベルで理解するのではなく、質問全体が何を求めているのかを掴むことです。
- 質問のキーワードを丸で囲む: 「Do you think…?」「What do you think about…?」の後の主題(例: online shopping, studying abroad)を特定します。
- POINTSを日本語で要約する: 各POINTSの内容を自分の言葉で短く言い換えます。これにより、後で選択肢やすくなります。
質問に対して「Yes/No」または「賛成/反対」の立場を決めます。この時、自分が本当に思っていることよりも、説明しやすい方を選ぶというのも戦略です。次に、4つのPOINTSの中から、自分の立場を支えるのに最も説得力のある2つを選びます。
POINTSは「どれでも使ってよい」のではなく、「自分の意見をサポートするために使う」材料です。自分の立場と関係の薄いPOINTSは選ばないようにしましょう。
- 選ぶ基準1: 具体例が思い浮かびやすいか
- 選ぶ基準2: 自分自身の経験や知識と結びつけやすいか
選んだ2つのPOINTSそれぞれについて、「理由」と「具体例」を分けて考えます。これが論理的な文章を書くための最大のコツです。「POINTS → 理由(なぜそう言えるのか) → 具体例(実際にはどういうことか)」の流れを日本語で組み立てます。
POINTSが “save time” (時間の節約) の場合:
理由:「なぜ時間を節約できると言えるのか?」→ 例:「買い物に行く移動時間が不要だから」
具体例:「具体的にはどのような場面か?」→ 例:「例えば、通勤電車の中でスマートフォンから日用品を注文できる」
このステップで、日本語で文章の骨組み(アウトライン)が完成します。あとはこの日本語の思考を、次に紹介する「型」と「表現」を使って英語に変換していくだけ。日本語で考えを固めておくことで、英語を書いている最中に迷子になることを防ぎ、スムーズに80〜100語を埋められるようになります。
絶対に押さえたい!『4段落構成』の黄金の型
前のセクションで、日本語で考える重要性を学びました。次は、その思考を最も論理的で、採点者にわかりやすく伝わる形に整えるための「型」を身につけましょう。英検2級ライティングは、80〜100語で意見を述べる形式です。この語数をバランス良く埋め、説得力のある文章を書くための最強の構成が「4段落構成」です。
| 段落 | 役割 | 語数目安 | 内容 |
|---|---|---|---|
| Introduction (導入) | 意見の明示 | 約20語 | 質問に対する自分の立場をはっきり述べる。 |
| Body Paragraph 1 (本論1) | 1つ目の理由の展開 | 約30語 | 1つ目の理由と、それを支える具体例・説明。 |
| Body Paragraph 2 (本論2) | 2つ目の理由の展開 | 約30語 | 2つ目の理由と、それを支える具体例・説明。 |
| Conclusion (結論) | 意見の再確認 | 約20語 | 導入で述べた意見を別の表現で繰り返し、まとめる。 |
この型に沿って書くだけで、論理構成と語数の両方の課題を一気に解決できます。
最初の段落では、問題文の質問に対して「Yes/No」または「賛成/反対」を明確に答えましょう。ダラダラと前置きを書く必要はありません。以下のような定型パターンを使えば、瞬時に書き始められます。
採点者は最初の1文で「この受験者は質問を理解しているか」をチェックします。問題文のキーワードを必ず入れ、自分の意見を一言でズバリ述べることが最優先です。ここで迷う時間はありません。
導入で述べた意見を支える、最も強力な理由をここで展開します。構成は「理由の提示 → その理由の説明または具体例」の2段構えが基本です。
【展開の例】
1. 理由の提示: First, … (第一に、…)
2. 具体例・説明: For example, … / This is because … (例えば、… / なぜなら…だからです)
【英文サンプル構造】
First, studying abroad allows students to experience a new culture directly.
For example, by living in another country, they can learn about local customs,
food, and ways of thinking that cannot be understood from textbooks alone.
「For instance,」「One reason is that…」など、理由を始める表現を覚えておきましょう。具体例は、自分自身や一般的な学生の経験に基づいたもので十分です。無理に壮大な例を考える必要はありません。
2つ目の理由を展開します。1つ目とは異なる観点から理由を挙げることで、意見の説得力が格段に上がります。
【展開の例】
1. 理由の提示: Second, … / Moreover, … (第二に、… / さらに、…)
2. 具体例・説明: For instance, … / Therefore, … (例えば、… / したがって、…)
【英文サンプル構造】
Second, it helps improve their language skills quickly.
For instance, they have to use English every day for shopping,
making friends, and attending classes, which is much more effective
than just studying in a classroom.
2つ目の理由が1つ目と内容的に重複しないよう気をつけましょう。例えば、1つ目が「文化的学習」なら、2つ目は「語学力向上」や「自立心の育成」など、別のメリットを考えます。
最後の段落では、導入で述べた意見を別の言葉で言い換えて再確認します。ここで新しい理由や情報を追加してはいけません。あくまで「以上が私の意見です」と締めくくるだけです。
【使える定型パターン】
• For these reasons, I believe that … (これらの理由から、私は…だと信じています)
• Therefore, I think that … (したがって、私は…だと思います)
• In conclusion, I agree with the idea that … (結論として、私は…という考えに賛成です)
型に当てはめるデモンストレーション
実際の質問例で、この「4段落構成」がどのように機能するか見てみましょう。
質問: Do you think it is a good idea for high school students to study abroad? (高校生が留学するのは良い考えだと思いますか?)
- この質問に対して「Yes」と答える場合、型に沿ってどのように書く?
-
以下のように展開できます。
Introduction (意見の明示): I think it is a very good idea for high school students to study abroad.
Body 1 (理由1と具体例): First, they can experience a different culture directly. For example, living with a host family helps them understand local customs.
Body 2 (理由2と具体例): Second, it improves their language skills quickly. They have to use English every day in real situations.
Conclusion (意見の再確認): For these two reasons, I believe studying abroad is beneficial for high school students.
このように、型に当てはめることで、迷うことなく論理的な英文が組み立てられます。次のセクションでは、各段落で使える便利な表現をさらに詳しく紹介していきます。
得点を積み上げる!使える表現・フレーズ集
「4段落構成」の型が頭に入ったら、次はその型に肉付けするための「使える表現」をストックしましょう。いつも同じ表現を使っていると、語彙・表現の観点で高評価を得るのは難しくなります。ここでは、導入、理由の展開、具体例、結論に分けて、シンプルで覚えやすく、採点者に好印象を与える表現を厳選しました。
これらの表現を丸暗記するのではなく、実際に何度も書いて体に染み込ませることが大切です。まずは1つか2つ、自分の「得意ワザ」として確実に使えるようになりましょう。
意見を述べる『導入』の決め文句
問題に対して自分の立場(賛成か反対か)を明確に述べる部分です。I think that...は間違いではありませんが、バリエーションを持つことで文章に深みが出ます。
| 表現 | 意味・使用例 |
|---|---|
| I believe that… | (私は…だと信じている)「think」より強い信念を感じさせる。 例: I believe that studying abroad is very beneficial. |
| In my opinion, … | (私の意見では、…)非常に定番で、確実に使える表現。 例: In my opinion, public transportation should be improved. |
| I agree with the idea that… | (…という考えに賛成だ)賛成の立場をはっきり示すときに最適。 例: I agree with the idea that schools should have more sports events. |
| It seems to me that… | (私には…のように思われる)控えめで客観的な印象を与える。 例: It seems to me that young people today read fewer books. |
理由を展開する『接続表現』
第2段落、第3段落の冒頭で、理由を順序立てて述べるときに使います。First, / Second,だけでは単調なので、以下の表現も取り入れてみましょう。
| 表現 | 意味・使用例 |
|---|---|
| To begin with, … | (まず第一に、…)「First」の代わりに使える、少しフォーマルな表現。 例: To begin with, it helps us understand different cultures. |
| Another reason is that… | (もう一つの理由は…です)「Second」の代わり。理由の追加が明確。 例: Another reason is that it is good for our health. |
| Moreover, … Furthermore, … | (さらに、…)前の理由に追加する形で、論点を強化する接続詞。 例: Moreover, we can make friends from around the world. |
| In addition, … | (それに加えて、…)「Moreover」と同様、情報を追加するときに便利。 |
具体例を導く『表現のバリエーション』
理由を述べた後は、それを支える具体例が必要です。For example,の繰り返しを避け、説得力のある展開を心がけます。
| 表現 | 意味・使用例 |
|---|---|
| For instance, … | (例えば、…)「For example」とほぼ同じ意味で、バリエーションとして使える。 例: For instance, many students become more independent. |
| Take … as an example. | (…を例にとると)特定の事物を例に挙げるときの表現。 例: Take online learning as an example. It allows flexible schedules. |
| This means that … | (これは…を意味する)理由から具体的内容へと自然につなげる。 例: This means that we can access information anytime, anywhere. |
| Let’s say … / Imagine … | (例えば…だとしよう/想像してほしい)読者を仮定の状況に引き込む表現。 |
結論を締める『まとめの表現』
最後の段落では、これまで述べた内容を簡潔にまとめ、自分の意見を再度主張します。説得力のある締めくくりが、最終的な印象を決めます。
| 表現 | 意味・使用例 |
|---|---|
| For these reasons, … | (これらの理由から、…)最もオーソドックスで使いやすい結論の導き方。 例: For these reasons, I believe that the policy is necessary. |
| In conclusion, … | (結論として、…)エッセイなどでよく使われる、明確な結論の合図。 例: In conclusion, I am against building a new shopping mall. |
| Therefore, I believe that… | (したがって、私は…だと考える)理由から自然に結論を導く接続詞。 例: Therefore, I believe that we should protect the environment more. |
| Overall, … | (全体的にみて、…)少しカジュアルだが、まとめの表現として使える。 |
- これらの表現を全て覚える必要がありますか?
-
いいえ、必要ありません。各カテゴリーから1つか2つ、自分が確実に使いこなせる表現を選んで「お守り」にしましょう。例えば、「導入はIn my opinion,」、「理由の展開はTo begin with,とAnother reason is that…」、「具体例はFor instance,」、「結論はFor these reasons,」と決めておけば、本番で迷うことはなくなります。まずはこの組み合わせで書き、余裕が出てきたら他の表現にも挑戦してみてください。
これが差をつける!語彙・文法のレベルアップ術
前のセクションで、文章の型と使える表現を学びました。次は、その表現をさらに「2級らしいレベル」に引き上げる具体的な技術を習得しましょう。語彙と文法の正確さは、採点基準の大きな柱です。ここを疎かにすると、せっかくの良い内容も評価されません。加点を狙い、減点を防ぐための実践的な方法をご紹介します。
加点ポイントを狙う『語彙の工夫』
同じ単語の繰り返しは、語彙力の低さを示してしまいます。ほんの少しの言い換えで、文章の印象は格段に良くなります。
簡単にできる!「言い換え」テクニック
- 動詞の言い換え: “get” や “have” をより具体的に。
例:get information → obtain information / gather information - 形容詞の言い換え: “good” や “bad” をレベルアップ。
例:a good idea → an effective idea / a beneficial idea - 名詞の言い換え: 同義語や関連語句で変化を。
例:problem → issue / challenge
さらに、形容詞や副詞を効果的に使うと、表現に深みが出ます。2級レベルで使いこなしたいものを覚えましょう。
| カテゴリー | 基本語 | レベルアップ語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 程度を表す副詞 | very | extremely(極めて), highly(非常に) | It is extremely important.(それは極めて重要です。) |
| プラスの形容詞 | important | essential(不可欠な), valuable(貴重な) | This experience is valuable.(この経験は貴重です。) |
| 結果を表す形容詞 | good | positive(前向きな), effective(効果的な) | It will have a positive effect.(それは前向きな効果をもたらすでしょう。) |
減点を防ぐ『文法チェックポイント』
書き終えたら必ず確認!3大チェック項目
- 三人称単数現在の「s」:主語がHe, She, It, 単数名詞の時、動詞にs/esを付ける。最も多いミスの一つです。
- 時制の一致:主節の動詞が過去形なら、従属節の動詞も過去形に。未来の話でも「〜だろうと思った」は過去形で始まります。
- 可算名詞の複数形:複数のものを指す時は、名詞に「s」を付けるか、不定冠詞「a/an」を外す。
また、文は短くシンプルに保つことを心がけましょう。長く複雑な文は、文法ミスや論理の混乱を招きがちです。一つの文に伝えたいことは一つ。接続詞(and, but, because, so)で文をつなぐ時は、文の関係を明確にします。
- 主語と動詞の不一致
× Many student is… → ○ Many students are… - 時制の不一致
× I thought it is good. → ○ I thought it was good. - 不可算名詞に複数形「s」を付ける
× many informations, many advices → ○ much information, some advice - 接続詞の重複使用
× Because it is fun, so I like it. → ○ Because it is fun, I like it. / It is fun, so I like it.
最後に、試験直前に必ず見直してほしい文法項目のチェックリストです。ライティングを書き終えた後の見直し時間(残り2-3分)に、このリストを頭の中でなぞるだけで、多くのミスを防げます。
- すべての文に主語と動詞はあるか?
- 三人称単数現在形の動詞に「s」は付いているか?
- 時制は文中で統一されているか?(特に過去形)
- 複数のものを指す名詞に「s」は付いているか?
- 冠詞(a/an/the)は正しく使えているか?
- 前置詞(in, on, at, forなど)は適切か?
語彙と文法の基礎を固めることは、ライティングの「土台」を強くすることです。この土台の上に、これまで学んだ型と表現を組み立てれば、高得点を狙える確かな答案が完成します。
実践演習:質問に答えてみよう
これまで、「型」と「使える表現」、「語彙・文法の工夫」を学んできました。ここでは、それらを総動員して、実際に解答を作る練習をしましょう。頭で理解するだけではなく、手を動かして書く経験こそが、本番でのスピードと確実性を養います。
質問例と解答のプロセス
TOPIC
Do you think it is better for people to live in a house or an apartment?
POINTS
• Cost
• Community
• Space
質問は「一戸建てとアパート、どちらが良いと思いますか?」です。POINTS(Cost, Community, Space)を考慮して、「アパートの方が良い」という立場を取ることにします。
「私は、アパートに住む方が良いと考えます。」という明確な意見で始めます。POINTSを2つ選んで、これから論じることを示します。
POINTSの一つ目「Cost(費用)」について論じます。最初に主張文(主題文)を書き、その後で具体的な説明を加えます。
POINTSの二つ目「Community(コミュニティ)」について論じます。こちらも主張文と具体例の構成を守ります。
導入部で述べた意見を、別の表現で繰り返し、2つの理由を簡潔にまとめて文章を締めくくります。
模範解答例と解説
上記のプロセスに従って書いた解答がこちらです。単語数を意識しつつ、語彙を工夫した表現を使ってみましょう。
模範解答(91語)
I believe that living in an apartment is better than living in a house for two main reasons. First, apartments are usually more economical. The initial cost and monthly expenses are often lower compared to houses, which allows people to save money for other purposes. Second, apartment buildings offer a stronger sense of community. Residents frequently interact with their neighbors in shared spaces like hallways and laundries. This can prevent loneliness, especially for elderly people. In conclusion, I think apartments are a wiser choice because they are more affordable and provide better opportunities for social connection.
- 内容:質問に対して明確に立場(アパート賛成)を示し、指定されたPOINTS(Cost, Community)に基づいて論じています。「Space」は論点を絞るためにあえて使用していませんが、2つのPOINTSで十分に論じられています。
- 構成:導入→理由1→理由2→結論の4段落構成が完璧です。各段落の最初の文がその段落の主張(主題文)になっており、論理の流れが非常に明確です。
- 語彙:「economical」「initial cost」「expenses」「sense of community」「interact」「prevent loneliness」「wiser choice」「affordable」「social connection」など、2級レベルにふさわしい語彙が適切に使われています。同じ単語の繰り返しも少なく、バリエーションがあります。
- 文法:関係代名詞(which allows…)、副詞(frequently, especially)、比較級(more economical, lower compared to)など、多様な文法構造が正確に使われています。重大な文法ミスはありません。
この解答は、前のセクションで学んだ「型」と「表現」を忠実に再現しています。例えば、導入部の「for two main reasons」、理由の展開の「First, … Second, …」、結論の「In conclusion, …」は、学んだ「型」そのものです。
もちろん、「一戸建ての方が良い」という立場で書くことも可能です。その場合は、POINTSの「Space(広さ・プライバシー)」と「Community(静かで落ち着いた環境)」などを組み合わせて論じると良いでしょう。例えば、「Houses provide more private space for families.」や「They are usually located in quieter neighborhoods.」といった理由が考えられます。重要なのは、どちらの立場を取るかではなく、その立場をPOINTSを使って一貫して論理的に説明できるかです。
本番までの効果的な学習計画と練習法
「型」と使える表現を覚え、語彙・文法を磨き、実践演習もこなしたあなた。最後のステップは、限られた時間を最大限に活かす学習計画と、本番で確実に力を発揮するための準備です。ここでは、短期間でライティング力を確実に伸ばす練習法と、試験当日の戦略的な時間配分・見直しのコツを詳しく解説します。計画的な練習こそが、最短合格への近道です。
短期間で実力をつける3つの練習法
漫然と英作文を書くのではなく、効果を最大化するためには段階的な練習が不可欠です。以下の3ステップで進めましょう。
まずは、学んだ「Introduction → Reason 1 → Reason 2 → Conclusion」の型を、何も見ずに書けるまで繰り返し練習します。過去問や予想問題のTOPICを見て、日本語で構成(主張と2つの理由のポイント)を考えるだけで構いません。この段階では、英語を書くことよりも「型に沿って論理を組み立てる思考回路」を作ることが目的です。
STEP1で考えた日本語の構成をもとに、実際に英文を書いていきます。この時、時間制限は設けず、辞書やノートを見ながらでOKです。使える表現集から適切な接続詞や定型フレーズを選び、語彙・文法の工夫をしながら完成させます。書いた後は必ず、スペルや文法の間違いがないか、語数が適切か(80〜100語)を確認しましょう。
最終ステップは、本番を想定した実践練習です。タイマーを20分にセットし、辞書や参考資料は一切見ずに一気に書き上げます。この練習で、構成を考える時間、書く時間、見直す時間のバランス感覚を養います。過去問や市販の予想問題集を活用し、様々なトピックでこの練習を繰り返すことで、どんな問題が出題されても動じない対応力が身につきます。
問題集は1回解いて終わりではもったいない! 同じ問題を数日空けて2回、3回と解き直すことで、使える表現が確実に定着します。また、自分が書いた解答を「語彙を1ランク上げる」「理由をもう少し具体的にする」などと改善する「リライト」も非常に効果的です。解答例と見比べて、良い表現は積極的に取り入れましょう。
時間配分と本番での見直しチェックリスト
本番では、リーディングやリスニングの後でライティングに取り組むため、集中力と時間管理がカギとなります。以下の時間配分を目安に、余裕を持って進められるように練習を重ねてください。
ライティングに充てる時間の目安:20分
- 構成を考える(約5分):TOPICを正確に読み、自分の主張(賛成/反対)を決めます。次に、説得力のある2つの理由を簡潔にメモ。ここでしっかり考えられれば、書き出すのが格段に楽になります。
- 書き上げる(約12分):構成メモに従い、迷わず書き進めます。細かい文法やスペルは気にせず、まずは「Introduction → Reason 1 → Reason 2 → Conclusion」の流れを完成させることを最優先に。
- 見直し・最終チェック(約3分):書き終えたら、必ず最後の3分は見直しに充てます。以下のチェックリストを順に確認し、減点を防ぎましょう。
「書き上げる」時間が足りなくなりがちな人は、練習の段階から「12分で書き切る」ことを目標にしてください。本番では、「見直し時間を絶対に確保する」という強い意志を持って臨みましょう。不完全でも最後まで書き切った解答の方が、途中で終わってしまった解答よりも評価されます。
最後の見直しで確認すべき項目を、効率的にチェックできるリストにまとめました。本番では、この順番でサッと確認しましょう。
- スペルミス:特に、三単現のs、複数形のs、過去形・過去分詞の綴りは要注意。
- 時制の一致:主張文(I think…)は現在形が基本。理由内での過去の出来事には過去形を使っているか。
- 主語と動詞の一致:主語が三人称単数なら動詞にsがついているか。代名詞(he/she/it)は適切か。
- 語数の確認:解答用紙の行数を数え、80〜100語の範囲内に収まっているか。
- 質問への対応:TOPICで問われていること(AgreeかDisagreeか)にきちんと答えているか。
- 大文字・ピリオド:文の最初は大文字、最後はピリオド(または疑問符)で終わっているか。
自信を持って試験に臨むためのマインドセット
ここまで準備を積み重ねてきたあなたは、すでに合格に必要な力を持っています。本番では、「完璧な英文を書かねば」と力まず、「学んだ型に沿って、自分の意見をシンプルに伝える」という基本に立ち返りましょう。少しくらいミスがあっても、論理的に構成された解答は十分に高い評価を得られます。深呼吸をして、これまでの練習の成果を信じて、落ち着いて問題用紙に向かいましょう。
ライティング対策 よくある質問
- POINTSから選んだ理由の順番は重要ですか?
-
厳密な順位はありませんが、より説得力があると思われる理由や、書きやすい理由を先に持ってくると、文章全体の流れが良くなります。一般的には、個人的・具体的な理由よりも、社会的・一般的な理由を先に書くことが多いです。しかし、最も重要なのは「迷わず書ける順番」です。
- 語数がどうしても80語に届きません。どうすれば増やせますか?
-
理由の後に「具体例」や「説明」を必ず追加することを意識してください。「For example, …」「This means that…」「Therefore, …」などの表現を使って、理由の内容をより詳しく展開しましょう。また、形容詞や副詞を加える(例: very → extremely, good → beneficial)だけでも語数は増えます。
- 本番でどうしても意見が決まらない時はどうすればいいですか?
-
焦らずに、POINTSを見て「説明しやすい理由が2つ思い浮かぶのはどちらの立場か」で判断しましょう。自分の本当の意見ではなく、「書きやすい方」を選ぶのが戦略的です。どちらを選んでも、論理的に書けば評価されます。
- 難しい単語を使った方が高得点になりますか?
-
必ずしもそうではありません。むしろ、スペルや使い方を間違えるリスクの方が大きいです。確実に使いこなせる単語を正しく使うことが最も重要です。この記事で紹介した「レベルアップ語」の中から、自信のあるものを1〜2個取り入れる程度で十分です。
- 練習はどのくらいの頻度で、何問くらい解けば良いですか?
-
試験まで時間があるなら、週に2〜3回、1回につき1問を丁寧に解くのが理想的です。まずは「型」の練習を繰り返し、その後で時間制限を設けた練習に移ります。過去問や予想問題を合計10〜15問ほど解き、様々なトピックに触れることで、対応力が身につきます。

