早稲田大阪高等学校、TOEFL iBT TOPプログラムの最高段階STAGE 3に認定 体験重視の英語教育が評価

早稲田大阪高等学校、TOEFL iBT TOPプログラムの最高段階STAGE 3に認定 体験重視の英語教育が評価

2026年9月8日、TOEFLテスト日本事務局(ETS Japan)は、早稲田大阪高等学校を「TOEFL iBT® Open Possibilities プログラム(TOPプログラム)」の最高段階であるSTAGE 3に認定したことを発表しました。同校で行われた認定式では、体験を通じて英語で考え伝える力を育む教育への取り組みが高く評価されました。

目次

「TOPプログラム STAGE 3」とは何か? ETS Japanが提供する高校向け支援

早稲田大阪高等学校、TOEFL iBT TOPプログラムの最高段階STAGE 3に認定 体験重視の英語教育が評価

TOPプログラムとは、ETS Japanが2025年10月に創設した、教育機関向けの無料サポートプログラムです。グローバルに活躍できる人材の育成を目指しており、参加校にはTOEFL iBT®の受験支援から、学校ごとの教育ニーズに合わせた柔軟なプログラム設計まで、段階的なサポートを提供します。

TOPプログラムの概要

2025年10月に始まった、高校や教育機関を対象とした無料支援プログラムです。TOEFL iBT®テストへの挑戦意欲を高め、アカデミックな英語力を身につけるための環境作りを、STAGE 1から3までの段階を追ってサポートします。

STAGE 1から3までの段階的サポート

このプログラムは、STAGE 1、2、3と段階的にサポート内容が深まることが特徴です。初めは受験の基本情報提供などから始まり、最終的には学校のカリキュラムや教育方針に合わせたきめ細かい支援が行われます。早稲田大阪高等学校が認定されたSTAGE 3は、その最高段階にあたり、外部との連携による特別講座の実施など、多角的な英語教育環境の構築が評価された結果です。

なぜ高校でのスコアアップ支援が重要なのか

TOEFL iBT®のスコアは、海外大学への留学や国内大学の入試・単位認定だけでなく、将来のキャリアにおいても国際的な英語力の証明として広く活用されています。高校生の段階からアカデミックな英語に触れ、体系的な学習を始めることは、単なる「テスト対策」を超えた価値があります。大学での講義を理解し、異なる背景を持つ人々と学問について議論するための基礎力を養うことができるからです。TOPプログラムは、こうした長期的な視点に立った英語力育成を、学校現場と協力して後押しする役割を担っています。

なぜ早稲田大阪高等学校が選ばれたのか? 評価された教育の特徴

TOPプログラムの最高段階であるSTAGE 3の認定が評価したのは、単なる試験対策ではなく、「使う体験」を重視した実践的な英語教育の体系です。同校は、英語を「教科」として学ぶだけでなく、実際に活用する場を数多く設けている点で際立っています。

「使う体験」を重視した英語教育

同校の英語教育の核にあるのは、模擬国連や海外・国内プログラムといった、生徒が主体的に英語を使わざるを得ない機会の提供です。これにより、試験のための英語ではなく、「考え、伝えるための道具」としての英語力を育成しています。

  • 早稲田大学の留学生と高校生が英語で議論する「ICCアウトリーチ・プログラム」
  • フィリピンやオーストラリアへのサマープログラム
  • 国内で実施するスプリングプログラム

こうしたプログラムを通じて、生徒たちは「答えのない問い」について英語で議論する経験を積みます。教員のコメントにもあるように、留学生との交流から将来の大学での学びを具体的にイメージすることで、単に会話力だけでなく、アカデミックな場面で必要な英語力への必要性を実感し、TOEFL iBTへの挑戦意欲が高まっていくのです。

ポイント

英語学習において大切なのは、動機づけです。必要だから学ぶのではなく、「使いたい」「伝えたい」という実感が、より高度な学習への持続的な意欲を生み出します。同校のプログラムは、この動機づけを非常に効果的に設計していると言えます。

早稲田大学との強力な高大連携

この「使う体験」を支えているのが、早稲田大学との強固な連携です。同校は2009年から早稲田大学の系属校としてスタートし、2025年4月に現在の校名へ変更しました。これにより、大学との連携はさらに強化されました。

具体的には、早稲田大学への推薦枠の拡大に加え、大学教員による授業の実施など、高校生のうちから大学の学問や文化に触れる機会を積極的に創出しています。英語教育における「ICCアウトリーチ・プログラム」も、この高大連携が生み出した貴重な体験の場です。

このように、早稲田大阪高等学校は、体系的で実践的な英語カリキュラムと、それを可能にする確固たる教育資源の両面において、グローバル人材育成のための優れた環境を整備していることが、TOPプログラムSTAGE 3認定の背景にあります。

教員が語る、TOEFL学習の本当の意義

TOPプログラムの最高段階認定は、単に試験対策に力を入れているからだけではありません。早稲田大阪高等学校の教員たちは、「なぜTOEFL iBTテストのスコアを目指すのか」という、より本質的な部分に生徒の動機づけの鍵があると考えています。「必要だから」という外的な動機だけでは、継続的な学習意欲は生まれにくいのです。

「必要だから」だけでは続かないモチベーション

同校の松田和也教頭は、AIや国際化が進む時代に必要な力を次のように語っています。

決められた方法をたどるだけではなく、自分はどうしたいのか、どうありたいのかを持つことが重要になります。3年間で自分がどうしたいか、どうありたいかということを、いろいろな体験に触れ、勉強も含めて見つけてほしいと考えています。

つまり、単なる「受験のため」「進学のため」ではなく、生徒自身が将来の自分の姿を具体的に思い描き、そのために必要な力として英語を捉えることが大切だというわけです。この「内発的動機」こそが、長期的な学習を支える原動力となります。

外発的動機と内発的動機

「スコアが◯◯点必要だから」というのは外発的動機です。一方、「海外の大学で学びたい」「留学生と深く議論したい」という目標から生まれる意欲は内発的動機です。英語学習を長続きさせるためには、後者の内発的動機をいかに引き出すかがカギになります。

アカデミックな英語力が未来の学びの鍵

では、具体的にどのような体験が、TOEFL学習への動機を高めるのでしょうか。米田謙三先生は、留学生との交流プログラムの意義についてこう説明します。

実際に留学生と交流すれば、大学でさまざまな背景を持つ人と学ぶ自分の姿が見えてきます。そのとき必要になるのは、会話ができるだけではなく、学問に向き合うためのアカデミックな英語です。そうした実感が、TOEFLに挑戦する動機にもなっています。

ここで重要なのは「アカデミックな英語」という言葉です。TOEFL iBTテストが測定するのは、まさにこの「大学の講義を理解し、議論に参加し、レポートを書くために必要な英語力」です。日常会話とは異なり、学術的な語彙や複雑な構文、論理的な構成力が求められます。

「アカデミックな英語」とは、講義のノートを取る、文献を読む、ディスカッションに参加する、論文を書くといった、高等教育で実際に必要とされる英語スキルの総称です。

早稲田大阪高等学校では、早稲田大学の留学生と英語で「答えのない問い」について議論するプログラムなどを通じて、生徒たちがこの「アカデミックな英語」の必要性を肌で感じ、自らTOEFLに挑戦する意欲を高めています。試験対策は、その先にある「大学での学び」という明確な目標のために行われるのです。

英語学習者への示唆 「試験対策」から「使える力」への転換

早稲田大阪高等学校の事例が明確に示しているのは、高い評価を受けた英語教育の本質が、単なる試験対策ではなく、実際に「使うこと」を通じて育まれる総合的な力にあるということです。多くの学習者が陥りがちな「スコアを取るためだけ」の学習から脱却し、持続的な成長を実現するためのヒントがここにあります。

体験が生む「本物の動機」

同校の教諭は、「必要だからTOEFLを取りなさいと言っても、なかなかモチベーションは上がりません」と語っています。これは多くの学習者に共通する課題です。しかし、同校の生徒たちは、留学生との議論や海外プログラムといった「生の体験」を通じて、自分が将来、大学で学ぶ姿や多様な人々と議論する必要性を具体的にイメージしています。この「実感」こそが、アカデミックな英語力を求め、試験に挑戦する本物の原動力に変わっています。

このメカニズムは、個人の学習にも応用できます。つまり、学習の初期段階から「試験のため」だけでなく、「英語を使って何をしたいか」という目的を具体的に設定し、小さな体験を積み重ねることが重要です。

学校の授業と外部連携の相乗効果

同校では、日常の授業で培った基礎力を土台としつつ、技能別のTOEFL講座といった外部との連携プログラムを活用しています。これは、学校の授業だけではカバーしきれない細やかなニーズや、最新の試験傾向に対応する機会を補完する効果的なモデルです。

ポイント

学習においては、「基盤となる学習(授業・自主学習)」と「実践・応用の場(外部プログラム)」を組み合わせる相乗効果が、飛躍的な成長を促します。一方だけでは不十分なことが多いのです。

STEP
実践の場を見つける

オンライン英会話で特定のトピックについて議論する、英語で日記を書いて添削してもらう、地域の国際交流イベントに参加してみるなど、「使う場」を意図的に作り出すことが第一歩です。

STEP
課題を明確化する

実践の場で「伝わらなかった」「理解できなかった」という具体的な課題(例:専門的な単語が足りない、速い会話についていけない)を、自分自身の学習目標に変換します。

STEP
対策と再挑戦

明確になった目標に基づいて、参考書での文法強化や語彙増強、あるいは試験対策用の講座を受講するなど、的を絞った学習を行います。その後、再び実践の場に戻り、成長を確認します。

このサイクルを回すことで、英語学習は「やらなければならないもの」から、「自分の可能性を広げるための手段」へと変わっていくでしょう。早稲田大阪高等学校の事例は、試験の先にある広がりを見据えた学習の重要性を、私たちに教えてくれています。

世界で通用する英語力の証明、TOEFL iBTテストとは?

早稲田大阪高等学校が最高段階認定を受けた「TOEFL iBT® Open Possibilities プログラム」の対象である「TOEFL iBT」テストは、英語学習者がその実力を測る重要な指標の一つです。このテストは、単なる日常会話の能力ではなく、「アカデミックな場面で使える英語力」を測定する国際基準の試験として、世界中で信頼されています。

世界標準のアカデミック英語能力測定試験

TOEFL iBTテストは、米国ニュージャージー州に本部を置く教育機関、ETS(Educational Testing Service)が開発・実施しています。その最大の特徴は、英語圏の大学や大学院での授業や研究を想定した内容であることです。読む、聞く、話す、書くの4技能を総合的に評価し、実際の学術環境で必要とされる英語運用能力を測ります。そのため、留学を目指す学生にとっては、現地での学習に必要な最低限の英語力があるかを判断する重要な基準となります。

TOEFLテストのグローバルな信頼性

世界160か国以上、13,000以上の大学・大学院、その他教育機関でスコアが活用されています。これは、日本だけでなく、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど、世界中の主要な留学先で通用する証明書であることを意味しています。

留学以外にも広がるTOEFLスコアの活用法

TOEFL iBTのスコアは、海外留学のためだけのものではありません。日本国内においても、その活用の場は多岐にわたっています。受験や就職など、様々な場面で英語力を客観的に証明するツールとして利用することができます。

  • 大学・大学院入試:多くの国公立・私立大学の推薦入試や一般入試、大学院の入学試験において、一定のスコアを出願資格や加点対象としています。
  • 単位認定:在籍する大学で、一定以上のスコアを取得することで、英語の必修単位として認定される制度があります。
  • 就職活動:教員採用試験や公務員試験、さらには国際機関の採用において、英語力の証明としてスコアの提出が求められることがあります。
  • 自己研鑽とレベルチェック:留学を考えていなくても、自分の英語力を定期的に客観的に測り、目標を持って学習を進めるための指標として活用できます。

このように、TOEFL iBTテストは、グローバルに活躍するための「使える英語力」を証明する、非常に汎用性の高い資格と言えるでしょう。早稲田大阪高等学校のように、このテストの学習を「体験」と結びつけることで、生徒たちは単なるスコアアップではなく、将来にわたって役立つ本物の力を身につけていくことができます。

関連リンク

本記事は「ETS Japan合同会社」が配信したプレスリリースを元に執筆しています。

著者プロフィール

大学受験・英語資格試験塾講師。大学時代にアメリカへ1年間留学。卒業後は海外書籍を取り扱う出版社で編集職に6年間従事した後、英語教育の現場へ転身。大学受験生向けや、社会人の英語資格試験対策の講義を担当し、実践的で分かりやすい解説に定評がある。出版社時代に様々なジャンルの英語書籍を担当した経験から、法律から工学まで業界特有の英語表現やビジネス英語に関する幅広い知識を持つ。また、二児の母という立場から、実体験に基づいた子どもの英語教育に関する発信も行っている。

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