東京大学松尾研の英語AI講座GCI Worldが世界100カ国2万5千人に提供

東京大学松尾研の英語AI講座GCI Worldが世界100カ国2万5千人に提供

2026年7月27日、東京大学松尾・岩澤研究室は、同研究室が提供するデータサイエンス・AI講座「GCI」の英語版プログラム「GCI World」が、世界約100カ国から約25,000名の受講を開始したと発表しました。日本で培った教育プログラムが世界的な規模で展開され、大きな注目を集めています。

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GCI Worldとは?英語で学ぶAI教育プログラム

東京大学松尾研の英語AI講座GCI Worldが世界100カ国2万5千人に提供

「GCI World」は、東京大学松尾・岩澤研究室が海外の学生向けに英語で提供する、AIとデータサイエンスの教育プログラムです。もともと国内の学生向けに展開していた人気講座を英語化し、全世界の学生がアクセスできる形に発展させました。講座はオンラインを中心に展開され、現地の大学キャンパスでの特別講義や実践的なハッカソン(短期集中型の開発イベント)も組み合わせられています。

GCI Worldの基本情報

提供元:東京大学松尾・岩澤研究室
講座言語:英語
内容:AI・データサイエンスの基礎と応用
対象者:全世界の大学生等
特徴:オンライン講座+現地キャンパスでの特別講義・ハッカソン

日本発のAI教育が世界へ、プログラムの具体的な内容と実績

このプログラムの背景には、松尾研が国内で積み重ねてきた実績があります。同研究室の講座は累計受講者数が15万人を突破しています。このノウハウを基盤に、2026年4月から本格的にグローバル版「GCI World」の提供を開始しました。

その成長は目覚ましく、初年度は世界33カ国、436の大学から7,000名を超える申し込みがありました。そして今回発表された2期目では、その規模が大幅に拡大。ODA(政府開発援助)対象国を中心に、約100カ国から約25,000名もの学生が受講を開始しています。これは、世界が日本の先端的なAI教育に強い関心を寄せている証と言えるでしょう。

プログラムはオンライン学習だけでなく、現地での対面授業も重視しています。例えば、2026年5月にはフィリピンのUniversity of the Philippines Dilimanで、7月にはバングラデシュのBRAC Universityで、それぞれ現地講義と「1Dayハッカソン」が実施され、多くの学生が参加しました。このように、知識の習得と実践的な応用力の育成を両輪で進めている点が特徴です。

なぜ今、世界でAI人材育成が求められるのか

東京大学松尾研の英語AI講座GCI Worldが世界100カ国2万5千人に提供

人工知能(AI)技術の急速な発展は、産業や社会のあり方を根本から変えつつあります。この変化に対応するため、世界中で高度なAIスキルを持つ人材の需要がかつてないほど高まっています。しかし、その供給はまだ十分とは言えず、特に発展途上国では教育機会の格差が大きな課題となっています。

グローバルなAI人材不足の背景

AI分野では、研究論文や最新の技術ドキュメント、開発者コミュニティの中心言語が英語です。このため、最先端の技術を学び、国際的なコラボレーションに参加するためには、英語での学習とコミュニケーション能力が不可欠です。言語の壁が、多くの才能ある人材がAI分野に参入する際の障壁となっているのが現状です。

英語がデファクトスタンダード

AIやデータサイエンスの分野では、英語が事実上の共通言語です。最新の情報にアクセスし、グローバルなコミュニティで活躍するためには、英語での学習が強力な武器になります。

日本の取り組みと国際協力

こうした世界的な課題に対し、日本の研究機関も積極的な役割を果たそうとしています。東京大学 松尾・岩澤研究室は、国際協力機構(JICA)と連携し、アフリカやASEAN地域を中心とした国々の学生に向けて、AI学習の機会を提供する「GCI World」という取り組みを進めています。

この取り組みは、単なる知識の提供にとどまりません。現地の大学キャンパスでの対面講義や1Dayハッカソンを開催することで、実践的なスキルを身につけ、現地の学生同士や講師との人的なネットワークを築く場を創出しています。

さらに、先日のTICAD(アフリカ開発会議)では、石破総理が松尾研と連携しアフリカで3万人のAI人材育成を進める方針を発表するなど、国を挙げた支援の枠組みも動き出しています。これらの取り組みは、単に技術を教えるだけでなく、持続可能な開発目標(SDGs)の達成や、日本を含む国際社会全体のイノベーション基盤の強化につながるものとして期待されています。

グローバルなAI人材育成は、単なる技術教育ではなく、未来の国際協力と産業発展の基盤づくりです。

英語学習者にとってのメリットと学びの価値

このプログラムは、単に英語を学ぶだけでなく、「英語で何かを学び、生み出す」という理想的な学習環境を提供しています。英語学習者、特に将来的に国際的な分野で活躍したいと考える方にとって、具体的にどのような価値があるのでしょうか。

技術英語と実践スキルを同時習得

専門的な分野を英語で学ぶ最大の利点は、「生きた技術英語(Technical English)」に触れ、実践的な語彙力を身につけられることです。教科書や一般的な英会話では学びにくい、人工知能やデータサイエンスに関連する専門用語、論文や開発現場で使われる自然な表現を、実際の講義や教材を通じて吸収できます。

さらに、受講者は単に知識を受け取るだけでなく、現地での「1Dayハッカソン」のような実践的なプロジェクトに参加する機会もあります。ここでは、学んだことを英語で「アウトプット」し、問題解決する力が求められます。英語はあくまでツールであり、それを使って何かを創造する経験は、語学学習のモチベーションを大きく高めます。

英語学習者にとっての具体的な価値
  • 最先端の専門分野を英語で学ぶことで、実用的な語彙と表現が身につく。
  • ハッカソンなどの実践プロジェクトを通じて、英語でのアウトプット能力を鍛えられる。
  • 単なる語学学習を超え、「英語で何かを成し遂げる」自信が得られる。
  • 日本のトップレベルの研究内容を、世界標準の言語で直接学べる貴重な機会となる。

グローバルなコミュニティへの参加

この講座のもう一つの大きな魅力は、そのグローバルな広がりです。約100カ国から集まる受講生と共に学ぶ環境は、まさに「小さな地球」のようなものです。異なる文化的背景を持つ仲間と、英語という共通言語を使って議論し、協働する経験は、単に語学力を超えた「国際的な対話力」と「異文化理解力」を育みます。

こうしたネットワークは、将来のキャリアを考える上でも大きな財産となります。世界の様々な国にいる同じ志を持つ仲間とつながることで、グローバルな視野が広がり、新たな可能性を見出すきっかけとなるでしょう。語学学習の最終目標の一つは、世界とつながり、価値を共創することです。このプログラムは、その第一歩を踏み出すための絶好の舞台を提供していると言えます。

今後の展開と参加方法

東京大学松尾研の英語AI講座GCI Worldが世界100カ国2万5千人に提供

東京大学 松尾・岩澤研究室によるAI教育プログラム「GCI World」は、今後も継続的に展開される予定です。このプログラムは、海外の学生向けだけでなく、国内の学生向けの選択肢も用意されており、学習環境や目標に合わせて柔軟に参加することができます。

次期講座の募集が進行中、国内向けプログラムも選択可能

松尾研では、次期の受講生募集を既に開始しています。新たに開講される講座には、主に海外の学生を対象とした英語でのプログラムと、国内の学生を対象とした日本語でのプログラムの2つのコースがあります。

2つの参加コース

プログラムは、対象者と使用言語によって2種類に分かれています。

  • 英語プログラム (GCI World 2026 September): 海外の学生向け。講座の言語は英語です。開講時期は2026年9月17日です。
  • 日本語プログラム (GCI 2026 Winter): 国内の学生向け。講座の言語は日本語です。開講時期は2026年10月6日です。

どちらのプログラムも、公式の情報ページで詳細な内容や申込方法を確認することができます。英語学習者にとっては、英語プログラムに挑戦することで、AIという専門分野を「英語で学ぶ」という貴重な実践経験を積む機会となります。一方、まずは日本語で基礎を固めたい、あるいは英語での学習に不安があるという方には、日本語プログラムが適しています。

このように、自分の現在の英語力や学習目標に合わせて最適なコースを選択できる点が、このプログラムの大きな魅力のひとつと言えるでしょう。世界規模で展開される学びのコミュニティに参加することで、同じ志を持つ仲間と出会い、刺激を得られることも期待できます。

英語プログラムに参加するには、どの程度の英語力が必要ですか?

講座は英語で行われますので、大学レベルの専門的な内容を理解できる英語力が望ましいでしょう。ただし、講義資料や字幕などの学習サポートが用意されている可能性もあります。具体的な英語力要件については、公式の情報ページで確認することをお勧めします。

国内在住ですが、英語プログラムを受講することはできますか?

プログラムの対象は主に海外の学生となっていますが、募集要項によっては国内在住者でも受講可能な場合があります。逆に、海外在住者が日本語プログラムを受講できるかどうかも同様に、公式の募集要項を確認してください。

受講料はかかりますか?

プレスリリースには受講料に関する具体的な記載がありません。無料なのか有料なのか、またその金額については、申し込み先の公式ページで必ず最新情報を確認してください。

英語力に自信がなくても大丈夫?学習を始める前に知っておきたいこと

海外の大学や研究室が提供する英語の講座に興味はあるけれど、自分の英語力でついていけるか不安に感じる人は多いでしょう。重要なのは、講座の内容を理解し、他の参加者と交流するための最低限の英語力と、それを補う工夫を事前に知っておくことです。

必要な英語力の目安

一般的に、大学レベルの専門講義を英語で理解するためには、TOEICで700点以上、もしくは英検準1級程度の英語力が一つの目安となりやすいといわれています。これはあくまで目安であり、特定のプログラムを規定するものではありません。しかし、このレベルであれば、講義の大筋を追い、必要な専門用語を拾いながら学習を進める基礎が整っていると考えられます。

すべてを完璧に理解する必要はありません。重要なのは、講義資料や予習教材を活用し、分からない部分を後から復習できる環境を整えることです。

この講座の特徴

今回紹介している講座では、AIやデータサイエンスといった専門分野を英語で学ぶ機会が提供されています。このような講座に参加することで、専門知識と英語力を同時に鍛えることが可能です。

効果的な受講のためのアドバイス

  • 専門用語の事前予習
    講座のシラバスや紹介資料から、頻出する専門用語をリストアップし、事前に意味を確認しておきましょう。これだけで講義の理解度が大きく向上します。
  • 動画教材の活用
    多くのオンライン講座では、録画された講義動画を繰り返し視聴できます。一度で理解できなくても、速度を調整したり、字幕を活用したりしながら、自分のペースで学習を進めることが可能です。
  • 積極的な参加を心がける
    ディスカッションやグループワークは、英語でのコミュニケーション能力と専門知識を同時に伸ばす絶好の機会です。最初から完璧な英語を話す必要はありません。シンプルな表現でも、「理解し、伝えようとする姿勢」が何よりも大切です。
リスニングが苦手で、講義の内容がほとんど聞き取れないかもしれません。

まずは講義資料(スライドや配布資料)を事前に見て、講義の流れやキーワードを把握しておきましょう。講義中は、講師の話す内容をすべて書き取ろうとするのではなく、資料と照らし合わせながら「今、このスライドの説明をしている」と追うようにすると負担が減ります。録画がある場合は、後から確認できるので安心してください。

グループワークでうまく発言できず、沈黙してしまいそうです。

「I agree with that.(それに賛成です)」「Could you explain that again?(もう一度説明してもらえますか?)」など、シンプルな定型表現をいくつか準備しておくことをおすすめします。また、発言が難しい場合は、相手の話を聞きながら相槌を打ったり、メモを取ったりするだけでも、積極的な参加姿勢を示すことができます。多くの受講生が同じような不安を抱えているものです。

英語で書かれた課題やレポートの提出が心配です。

文法や表現の細かい正確さよりも、内容や自分の考えを伝えることが優先されます。まずは日本語で構成を考え、それをシンプルな英語に置き換えるところから始めてみましょう。また、多くの講座では、提出前に同僚や友人と内容を確認し合うピアレビューの機会が設けられていることもあります。そのような場を活用して、お互いに改善点を見つけ合うことも有効です。

関連リンク

本記事は「東京大学 松尾・岩澤研究室」が配信したプレスリリースを元に執筆しています。

著者プロフィール

大学受験・英語資格試験塾講師。大学時代にアメリカへ1年間留学。卒業後は海外書籍を取り扱う出版社で編集職に6年間従事した後、英語教育の現場へ転身。大学受験生向けや、社会人の英語資格試験対策の講義を担当し、実践的で分かりやすい解説に定評がある。出版社時代に様々なジャンルの英語書籍を担当した経験から、法律から工学まで業界特有の英語表現やビジネス英語に関する幅広い知識を持つ。また、二児の母という立場から、実体験に基づいた子どもの英語教育に関する発信も行っている。

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