2026年8月18日、Socra AI Inc.は、進学や留学を目的とする18歳から25歳の学生406名を対象に実施した調査結果を発表しました。生成AIが急速に普及する中、英語の試験学習においてもAIツールを利用する学習者が増えています。しかし、便利さの一方で、多くの学習者がAIの回答の正確性に一抹の不安を感じているのではないでしょうか。今回の調査は、まさにそんな学生たちの実態と本音に迫るものです。
調査の背景:英語学習に広がるAI活用と、その信頼性への問い

近年、誰もが手軽にAIを利用できる環境が整ったことで、英語学習の風景は大きく変わりつつあります。単語帳や参考書だけではなく、AIに質問しながら学ぶスタイルが、特にデジタルネイティブの若い世代を中心に浸透しています。同社は、そうした学習者が実際にAIをどのように使い、何を便利と感じ、またどんな課題を抱えているのかを明らかにするために、本調査を実施しました。
生成AIとは、人間の言語を理解し、新たな文章を作り出すことができる人工知能技術です。英語学習では、対話を通じて疑問を即座に解決できたり、無限に例文を作成してもらえたりする点が大きな魅力です。しかし、AIはあくまで膨大なデータから統計的に「もっともらしい」回答を生成するため、専門的な試験の採点基準や、最新の出題傾向を完全には反映していない可能性もあります。
調査結果1:英語試験学習にAIを活用する学生は54%、用途は多岐にわたる



この調査で明らかになったのは、進学・留学を目的とする学生の半数以上が、既に英語学習にAIを活用しているという事実です。具体的には、「積極的に使っている」と回答した学生が19%、「時々使っている」が35%で、合計54%に上りました。AIが学習ツールとして急速に定着しつつある現状が浮き彫りになりました。
学習の様々な局面で活用されるAI
では、学生たちは具体的にどのようにAIを使っているのでしょうか。調査では、AIを活用している学生たちに、その用途を尋ねています。最も多かったのは「単語の意味や使い方を教えてもらう」で26%でした。これは、わからない単語に出会った時、辞書を引く代わりにAIに質問するという、手軽で即時性のある使い方を反映していると言えるでしょう。
- 単語の意味や使い方を教えてもらう (26%)
- 問題文の翻訳をしてもらう (24%)
- 模範的な解答例を出してもらう (14%)
- 解答の添削をしてもらう (13%)
- 解答のアイデア出しをしてもらう (13%)
この結果から、AIの活用は単なる「単語調べ」や「翻訳」に留まらず、より能動的で高度な学習シーンに広がっていることがわかります。ライティングやスピーキングの練習において、アイデア出しから添削まで、24時間対応の仮想チューターとしての役割を期待されている側面が見て取れます。特に、解答の「添削」を依頼する学生が一定数いることは、AIが単なる情報提供ツールを超え、学習プロセスの一部として組み込まれ始めていることを示唆しています。
AIを活用することで、学習者は自分のペースで、特定の苦手分野に集中した練習を繰り返すことが可能になります。例えば、英作文の添削を何度でも気軽に依頼できる環境は、従来の学習環境ではなかなか実現が難しかったものです。このような「個別対応性」と「即時性」が、多くの学習者を惹きつけている理由と考えられます。
調査結果2:AI活用の光と影、3人に1人が回答の「正確性」に不安
英語学習にAIを活用する学生が増える一方で、その便利さの裏側にある「信頼性」という大きな課題が浮かび上がりました。AIを学習に取り入れている学生のうち、約3人に1人にあたる31%が、「生成された問題や解説が正しいかわからない」と回答しています。これは、単にAIが間違えるかもしれないという漠然とした不安ではなく、学習ツールとして使う際の具体的なジレンマを示しています。また、19%が「添削や解説が公式の採点基準に沿っているかわからない」と回答しており、本番の試験で通用する力を養うために、AIの判断が適切かどうかという点にも懸念を持っていることがわかります。
さらに、AIを活用した学習と実際の試験との間に「使われる表現や単語が異なる」と感じている学生も24%いました。これは、AIが生成する解答例や模擬問題が、特定の試験で求められる、自然で試験特有の表現から外れてしまう可能性を意味しています。試験対策では、単に「文法的に正しい」だけでなく、「試験で高得点につながる適切な表現」が求められるからです。
- 回答の正確性を常に疑い、別の情報源で裏付けを取る習慣を。
- AIの添削が、目指す試験の公式採点基準と一致する保証はない。
- AIが生成する表現が「試験向き」かどうかは、公式教材で確認が必要。
これらの結果は、AIが優れた学習サポートツールである一方で、まだ万能ではないことを示唆しています。特に、最終的な学習成果を「試験の点数」という形で求めている学習者にとって、AIの判断を100%盲信することはリスクを伴います。AIを活用する際には、あくまで学習の「補助輪」として捉え、その回答の正確性を常に検証する姿勢が重要です。この点について、学習者は非常に敏感に感じ取っていると言えるでしょう。
調査結果3:教材選びで重視されるのは「信頼性」と「本番に近い学習環境」



調査では、AIの活用が進む一方で、学習者が教材やサービスを選ぶ際の最終的な判断基準も浮き彫りになりました。学生たちは、便利さや価格以上に、「信頼性」と「本番に近い学習環境」を強く求めていることが明らかとなったのです。
具体的に、「英語の試験学習の教材やサービスを選ぶ際、どんなことを最も重視しますか?」という質問では、以下のような回答結果となりました。
- 「実践(本番の試験)に近い問題や学習ができること」:26%
- 「公式の問題や教材であること」:20%
これら二つを合わせると、回答者の46%が「実践性」や「公式教材」を最も重視していることになります。これは、価格や問題の量といった要素を大きく上回る結果です。AIの回答に不安を感じる学習者の声と合わせて考えると、学習の最終的なゴールである「試験本番での成功」を見据えて、最も確実な方法を選択したいという心理が働いていると言えるでしょう。
4人に3人が公式教材・サービスを希望
この傾向は、「公式の教材やサービスを利用したいと思いますか?」という質問への回答でも顕著に表れています。「とてもそう思う」と「そう思う」を合わせた肯定派は、全体の75%に達しました。つまり、AIを活用する学生が半数以上いる一方で、その4人に3人は同時に公式教材への強いニーズを持っているのです。
公式教材を利用したい理由としては、「信頼できるから」が47%で最多でした。次いで、「本番に最も近い学習ができると思うから」が40%に上りました。ここから、学習者がAIツールに求めているのは「効率化」や「手軽なサポート」であり、学習の基盤となる「信頼できる情報源」や「正確な採点基準」については、やはり公式のコンテンツに期待していることが読み取れます。
調査結果は、AIツールと公式教材が対立するものではなく、むしろ学習者が両者の特性を理解して使い分けようとしている現状を示しています。AIは単語調べやアイデア出しなど学習の「サポート役」として活用し、一方で学習の軸や最終確認には「信頼性の高い公式教材」を据える。このような、ハイブリッドで賢い学習スタイルが広がりつつあるのかもしれません。
解説:AI学習と公式教材、英語学習者はどう使い分けるべきか



調査結果が示すのは、AIを便利なツールとして活用しつつも、学習の核となる「信頼性」は公式教材に求めるという、現実的な学習者の姿勢です。AIと公式教材は、対立するものではなく、異なる役割を持つ補完的な学習リソースとして捉えることができます。
では、具体的にどのように使い分ければ、効率的に学習を進められるのでしょうか。調査では、AIの活用方法として「単語の意味や使い方を教えてもらう」「問題文の翻訳をしてもらう」が上位を占めていました。これは、AIが反復的で補助的な学習に適していることを示しています。一方、解答の添削や模範解答の作成には、公式の採点基準に沿っているかどうかへの不安がつきまといます。
この段階では、AIを積極的に活用しましょう。分からない単語の意味や例文を即座に調べたり、長文を大まかに翻訳して内容を把握したりするのに役立ちます。学習のハードルを下げ、継続の手助けをしてくれる「学習サポート役」としての活用がおすすめです。
ライティングやスピーキングの解答を作成する、あるいは問題を解いた後の最終確認には、公式教材や公式模擬試験を中心に据えましょう。AIによる解答のアイデア出しや文法チェックは参考にしつつも、最終的な採点基準や出題傾向は、信頼性の高い公式情報で確認することが、スコアアップへの近道です。
学習者が教材選びで最も重視したのは、「実践に近い問題や学習ができること」「公式の問題や教材であること」でした。これは、AIがいくら便利でも、試験本番で通用する力を測る「信頼の基盤」として、公式コンテンツの価値が揺るがないことを意味しています。
AIは、学習の「速度」や「継続性」を高めるサポートツールとして。公式教材は、学習の「正確性」や「方向性」を保証する基盤ツールとして。この2つを目的に応じて組み合わせることで、不安の少ない、効率的な学習環境を構築できます。
調査を踏まえた新たなサービス動向:AIと公式コンテンツの融合
このような調査結果を受けて、英語試験対策の分野では、学習者が抱える「AIの便利さ」と「公式教材の信頼性」という二つのニーズを融合させたサービスが登場しています。調査を実施したSocra AI社は、AI教育分野のスタートアップとして、その回答とも言えるサービスを提供しています。
ETS公式パートナーによるAI活用TOEFL対策アプリ「Santa TOEFL」、信頼性と効率性を両立する学習サポート
同社は、TOEFLテストなどを開発・運営するETSの公式パートナーとして、AIを活用したTOEFL対策アプリ「Santa TOEFL」を提供しています。このアプリの最大の特徴は、ETSの公式模擬試験や公式採点モデルを搭載している点です。これにより、学習者はAIの利便性を享受しながらも、本番の試験に忠実な問題と信頼性の高い採点基準に基づいて学習を進めることができます。
- AIチューターによる添削・フィードバック:ライティングやスピーキングの問題に対して、回数制限なくAIが添削と詳細なフィードバックを提供します。
- 個別最適化された学習提案:AIが目標スコアや苦手分野、受験予定日を分析し、毎日パーソナライズされた学習プランを提案します。
- 受験と学習の一括サポート:3か月プラン(税込32,000円)では、TOEFL iBTの受験チケットが初回特典として付帯。学習費と受験費をまとめて計画できます。
調査で明らかになった「AIの回答が正しいか不安」という声に対しては、公式採点モデルを基にした添削で信頼性を担保し、「本番に近い学習環境を求める」というニーズには、ETS公式のコンテンツで応えています。これは、AIを単なる便利ツールとしてではなく、公式教材という確かな基盤の上で効率性を高める「学習パートナー」として位置づけた、新しい学習サービスの形と言えるでしょう。
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