夏休みは、子どもたちにとって自由な時間がたっぷりある貴重な期間です。共働き家庭が増える中、その長い放課後や夏休みをどのように過ごさせるかは、多くの保護者にとって関心の高いテーマとなっています。そんな中、東京・神奈川を中心に民間学童保育施設を展開する株式会社東急キッズベースキャンプ(以下「KBC」)は、この夏、全20施設で約600本ものイベントプログラムを実施し、延べ約1万人の参加を見込んでいると発表しました。
「預かる」から「育てる」へ:KBCが目指す新しい学童の形

KBCは、単なる預かり場所ではなく、子どもの成長そのものに「投資」する場を掲げる民間学童保育施設です。その基本理念は、「放課後の時間を“消費”から“投資”へ」という言葉に集約されています。子どもたちがそこで過ごす時間が、単に時間を埋めるものではなく、将来の生きる力につながる価値ある経験となることを目指しています。
放課後の時間を“消費”ではなく“投資”と捉え、子どもたちの「社会につながる人間力」を育むことを目的としています。これは、単に知識を教えるのではなく、多様な体験を通じて自ら考え、行動する力を養うことを重視したアプローチです。
「放課後の時間を“消費”から“投資”へ」というコンセプト
同社が育成を目指すのは「社会につながる人間力」です。これは、子どもたちが将来、自分らしい人生を切り開いていくための土台となる力とされています。小学生という多感な時期に、小さな成功体験の積み重ねを通じて「自分軸」(自立心など)を育て、異なる年齢の子どもたちとの共同生活や活動を通じて「社会軸」(コミュニケーション力や思いやりなど)を育むことを大切に考えています。
「ティーチング」ではなく「コーチング」で育む人間力
この理念を実現するための重要な手法が、指導スタイルです。子どもたちとともに過ごすキッズコーチは、一方的に知識を教える「ティーチング」ではなく、一人ひとりと向き合い、その個性を引き出しながら自ら答えを見つけられるよう導く「コーチング」を意識しています。子どもたちと同じ目線に立ち、共に考え、学び、遊ぶ姿勢が、主体性や非認知能力の発達を後押しするのです。
国内最大級の規模で実施!サマーキャンプは2種類



夏の体験プログラムの中でも、特に多くの人気を集めるのが「サマーキャンプ」です。同社が提供するサマーキャンプは、全5か所で計16回開催される、延べ約1,000人が参加する国内最大級の規模を誇っています。親元を離れて過ごす2泊3日は、子どもたちにとって普段とは異なる環境での大冒険となります。このプログラムの特徴は、単なるレクリエーションではなく、子どもたちの精神的な自立や社会性を育むことに重きを置いている点です。
異学年交流で育むコミュニケーション力:通常サマーキャンプ
通常のサマーキャンプでは、小学校1年生から6年生までの異なる学年の子どもたちが混合で班を編成します。ウォークラリーやキャンプファイヤーなど、協力を必要とする活動を通じて、年上の子はリーダーシップや思いやりを、年下の子は協調性や挑戦する心を自然と学んでいきます。共同生活の中で、一つの目標に向かって協力する経験は、コミュニケーション能力や公共心を育てる貴重な機会となります。
挑戦と成長に特化したアドベンチャーキャンプ
一方、今回新たに設定されたのは、2年生以上を対象とした「アドベンチャーキャンプ」です。これはより多くの挑戦を求める子どもたちの声に応えた、人数限定の特別プログラムです。五感をフルに使った自然体験や、仲間と協力して課題を解決する活動に重点を置き、課題解決力や忍耐力、創造性といった「非認知能力」の育成を強く意識しています。
| プログラム名 | 対象年齢 | 主な目的 |
|---|---|---|
| サマーキャンプ | 小学1〜6年生 | 異学年交流を通じた社会性・協調性の育成、自然体験 |
| アドベンチャーキャンプ | 小学2年生以上 | 五感を使った体験による非認知能力(課題解決力等)の重点育成 |
学力テストなどでは測りにくい、意欲や忍耐力、社会性、創造性などの能力のことを指します。これらの力は、将来、困難に直面した時の乗り越える力や、他者と協働する力の基盤になると考えられており、近年、子どもの成長においてその重要性が注目されています。
どちらのキャンプも、子どもたちが日常の枠を超え、新しい自分や可能性を発見するきっかけとなることを目指しています。単に「預かる」のではなく、遊びや共同生活の中で成長を促す「コーチング」の姿勢が、これらのプログラムの根底に流れています。
本物に触れ、興味の幅を広げる「職業体験型イベント」



大自然の中でのキャンプに続く、夏の体験プログラムのもう一つの柱が、第一線で活躍するプロフェッショナルとの出会いや、本物の現場を体験する機会です。東急キッズベースキャンプでは、年間を通じて独自のキャリア教育プログラム「キッズMBA」を実施しており、夏休みはそのエッセンスを凝縮した特別版として、多様な職業体験型イベントを用意しています。
これらのプログラムの狙いは、単なる「遊び」ではなく、子どもたちが自分の興味や関心の幅を広げ、「好き」や「将来の夢」を見つけるきっかけを提供することにあります。
プロフェッショナルとの出会いが将来の夢のきっかけに
プロのマジシャンを講師に招いたマジック講座や、工場見学を伴う新聞社ツアーなど、多彩なイベントが企画されています。例えば、落語の事前学習と寄席鑑賞を組み合わせたツアーでは、歴史や文化を学んだ上で、生の話芸に触れることで、日本文化への理解を深めることができます。また、マジック講座では、初心者でもできるマジックをプロから直接教わることで、「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることができます。
- 寄席鑑賞と深川江戸資料館見学を組み合わせた文化体験ツアー
- プロマジシャン中村星哉さんによるマジック体験講座
- 朝日学生新聞社の工場見学と編集部による特別ワークショップ
- 手の大きさに合わせたオリジナル箸づくりと食文化学習(講師:株式会社兵左衛門)
- 全身を使った自由なアート表現ができる「クリエイティブプレイグランドCREP」へのおでかけ
日本の伝統文化と国際感覚を同時に養うプログラムも
グローバルな視点を持ちながら、自国の文化を深く理解することも、現代の子どもに求められる力の一つです。東急キッズベースキャンプでは、日本の伝統文様について学び、それを現代の生活に活かす工作体験を行う「ハローNIPPON!」などのプログラムも実施します。国際的な視点を持ちつつ、自国文化の良さや奥深さを、実際に手を動かしながら体感できる機会を提供しています。
これらの職業体験プログラムは、単に知識を得るだけでなく、非認知能力と呼ばれる「社会につながる人間力」の育成にも貢献します。一流のプロの仕事に触れることで、子どもたちは「本物」の基準を知り、自分の可能性への想像力を膨らませます。また、異なる分野の大人と接することで、コミュニケーション力や、自分の考えを表現する力も自然と養われていくでしょう。
読者へのヒント:英語学習にも通じる「非認知能力」の重要性



民間学童保育施設が提供する夏の体験プログラムの根底には、近年、教育現場で注目されている「非認知能力」を育むという考え方があります。非認知能力とは、テストの点数やIQでは測れない、情熱や忍耐力、社交性、好奇心、レジリエンス(立ち直る力)などの総合的な力です。東急キッズベースキャンプは、多様なプログラムを通じて、子どもたちの「社会につながる人間力」、つまり自分軸と社会軸をバランスよく育てることを目指しています。
「非認知能力」とは? なぜ今、注目されているのか
学術研究や社会情勢の変化から、将来の社会で活躍するためには、知識やスキル(認知能力)だけでなく、この非認知能力が重要であると考えられるようになりました。英語学習においても、文法や単語の暗記(認知能力)だけでなく、失敗を恐れずに発話する勇気(レジリエンス)、異文化への好奇心、目標に向かって継続する力(グリット)が、実践的な運用能力の向上に大きく寄与します。
語学学習の成功にも不可欠な「やり抜く力」と「好奇心」
東急キッズベースキャンプが「ティーチング」ではなく「コーチング」を重視し、子どもたちが自ら答えを見つけられるよう導く姿勢は、まさに非認知能力を育むアプローチです。英語学習者にとって、これは「実践の場」の重要性に通じます。教科書を読むだけではなく、実際に英語で会話を試みたり、異文化を体験したりする中でこそ、本当に使える力や、学び続ける意欲が育まれるのです。
- 小さな成功体験を積む:毎日1つ、新しい単語を使ってみるなど、達成可能な目標を設定し、自信をつける。
- 失敗を「学び」と捉える:間違いを恐れず、なぜ間違えたのかを分析する習慣をつける。
- 好奇心のアンテナを張る:自分の興味がある分野(音楽、スポーツ、料理など)を英語で調べてみる。
子どもたちがサマーキャンプや職業体験を通じて「未知なる力」を伸ばすように、大人の英語学習者も、安全に挑戦できる環境で実践を重ねることが、単なる知識の習得を超えた「使える英語力」の獲得につながると言えるでしょう。
自由研究にも役立つ!楽しみながら学ぶ「サマースペシャル講座」
夏休みの自由研究に頭を悩ませる保護者も多いでしょう。同社では、そんな悩みを解決するプログラムを多数用意しています。環境問題と工作、科学実験とクッキングを組み合わせたワークショップなど、楽しみながら学べる内容です。学習のまとめは成果物として持ち帰ることができ、夏休みの自由研究として活用できるものもあります。
最大の特徴は、学んだことがそのまま「成果物」になる点です。試行錯誤の過程や完成品が課題に生かせるため、子どもたちは達成感を持って取り組めます。
科学と英語を融合したユニークなプログラム
特に注目したいのは、英語学習と科学実験を組み合わせたプログラムです。「チャレンジ★英語でグミ作り」では、グミの材料の特徴を英語で学びながら、さまざまな食感のグミづくりに挑戦します。これは、教科としての英語ではなく、情報を得たり実験の指示を理解したりする「ツール」としての英語に触れる貴重な機会です。英語で科学を学ぶことで、言語の実践的な使い方や、異なる視点からの学びの楽しさを発見できます。
環境問題を身近に考えるワークショップ
もう一つの特徴は、環境問題を子どもたちにとって身近なテーマに落とし込んだワークショップです。「海を救え!ウニランプ作り」では、ウニと海の環境課題について学び、ウニの貝がらを使ったランプづくりを行います。環境保護という大きなテーマを、具体的な創作活動を通じて体験的に理解できる仕組みです。
- ふわふわパンケーキのヒミツ:「ふわふわで厚いパンケーキを作るにはどうすればよいか」を探究。試行錯誤を通じて科学的な視点や探究心を育みます。
- チャレンジ★英語でグミ作り:英語で材料の特徴を学び、さまざまな食感のグミを作ります。科学と語学を同時に学ぶ実践的な学習の場です。
- 野菜の色ってどんな色?:野菜を絵の具として使い、自然素材ならではの色や質感を生かしたアート制作に挑戦。食育と芸術的感性を刺激します。
- 海を救え!ウニランプ作り:海の環境問題について学び、ウニの貝がらを使ったランプを作ります。資源の再利用と環境保護への意識を高めます。
- インクでマジックショー!:水性ペンの色が変化する不思議な実験を体験。科学の面白さに触れながら、オリジナルキーホルダーを制作します。
同社によると、これらのプログラムは、夏休みという長期休暇を「学びの消費」ではなく、「探究心という財産への投資」に変える工夫が凝らされています。子どもたちが自ら「やってみたい!」と思えるテーマから、学習意欲を自然に引き出しているのです。





