脳科学の知見を取り入れた英単語学習アプリ「PEAKS」が新登場

脳科学の知見を取り入れた英単語学習アプリ「PEAK」が新登場

2026年7月23日、株式会社DERIGINOと合同会社Monelloは、認知心理学と脳科学の知見を応用した新しい英単語学習アプリ「PEAKS(ピークス)」のリリースを発表しました。多くの学習者が感じる「アプリでは正解できるのに、試験や会話で単語の意味が思い出せない」という課題に、科学的なアプローチで挑むことが特徴です。

目次

なぜ「試験では思い出せない」のか?PEAKSが解決する課題

英単語学習アプリで単語を覚えているはずなのに、いざ必要になったときに記憶から取り出せない。これは多くの学習者が経験するジレンマです。その主な原因の一つは、多くの学習アプリで採用される「4択問題」の構造そのものにあります。

  • 選択肢自体が強力なヒントとなり、自力で意味を思い出せていなくても正解できてしまう。
  • アプリ上では「正解」と記録されても、それは単に選択肢の中から選べただけであり、記憶への定着度を正確に反映していない。
  • 結果として、「覚えたつもり」の単語が増え、本番で知識が使えないというギャップが生まれる。

PEAKSは、この「覚えたつもり」の状態を可視化し、より本質的な記憶の定着を目指すために開発されました。神経科学技術の知見を持つDERIGINOと、アプリ開発の専門性を持つMonelloが共同で、科学的根拠に基づく学習体験を実現しています。

「覚えたつもり」の落とし穴

単語帳や学習アプリで繰り返し「正解」していると、脳は「この単語は知っている」と認識しがちです。しかし、それは選択肢という手がかりがある状態での「再認」に過ぎず、手がかりなしで情報を引き出す「想起」とは異なります。試験や英会話で必要になるのは、まさにこの想起力です。PEAKSは、この再認と想起のギャップを埋めることを設計の核としています。

学習アプリで「正解」しても、記憶に定着しているとは限らない

記憶のメカニズムから考えると、「見てわかる」ことと「自力で思い出せる」ことには明確な違いがあります。前者は「再認」、後者は「想起」と呼ばれ、想起の方がずっと難しい認知的プロセスです。一般的な4択問題は、再認をテストする形式であり、想起の練習にはなりにくいのです。

「覚えたつもり」を可視化する科学的アプローチ

PEAKSは、単なる正誤判定を超えて、学習者の回答の「傾向」や「パターン」を分析します。例えば、回答までに時間がかかった、何度か間違えた後に正解したなど、表面的には正解していても記憶が不安定な単語を特定します。この分析に基づいて、記憶が定着していない可能性が高い単語を重点的に復習できるように設計されています。これは、脳科学で言う「間隔反復」の考え方を、より精密に個人の状態に合わせて適用する試みと言えるでしょう。

「思い出す」プロセスを強制する、PEAKSの2段階出題法

多くの英単語学習アプリは、単語と同時に選択肢が表示される4択問題が主流です。これでは、単語の意味を自力で思い出せていなくても、選択肢を手がかりに正解できるため、「アプリでは正解できるのに、試験や会話の場面では単語の意味がパッと出てこない」という問題が起こりがちです。PEAKSは、この「覚えたつもり」の状態を打破するため、認知心理学で重要な「想起練習」を学習プロセスの核に据えた、画期的な出題方法を採用しています。

STEP
見た瞬間に「わかる/わからない」を判断

まず画面上に英単語のみが表示されます。学習者はその瞬間、意味が「わかる」か「わからない」かを直感的に選択します。このステップの目的は、選択肢という「ヒント」を見る前に、自分の記憶から意味を引っ張り出そうと努力する時間を強制的に設けることです。

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「わかる」を選んだら4択問題へ挑戦

「わかる」を選んだ場合にのみ、4つの選択肢が表示される4択問題へと進みます。ここで、先ほど自分で思い出した意味が正しいかどうかを確認します。「わからない」を選んだ場合は、すぐに正解が示されるなど、学習が進みます。

二段階方式がもたらす「想起練習」の効果

この2段階方式の最大の特徴は、学習者に「想起練習」を促す点にあります。これは、単に答えを見て確認する「再認」ではなく、記憶の倉庫から情報を能動的に取り出す行為です。脳科学的にも、この「思い出す」行為こそが、記憶を長期的に定着させるのに極めて効果的であるとされています。PEAKSは、この科学的知見をアプリの基本設計に組み込むことで、単なる正解数の稼ぎではなく、「必要なときに思い出せる」実践的な記憶力の構築を目指しています。

「想起練習」とは?

認知心理学における重要な学習法の一つです。単に情報を繰り返し見る(復習する)よりも、一度覚えた情報を自力で「思い出す」ことを試みる方が、記憶の定着が強固になることが多くの研究で示されています。PEAKSの出題方式は、この「想起練習」を自然と行えるよう設計されています。

単なる正誤判定ではない、記憶の「質」を分析するアルゴリズム

多くの学習アプリは、単純に「正解」か「不正解」かだけを判定します。しかし、「正解できた単語」が全て、長期的に記憶に定着しているとは限りません。「PEAKS」は、この問題に着目し、認知心理学・脳科学の知見を応用して、単語ごとの記憶状態をより深く分析する独自のアルゴリズムを搭載しています。

回答傾向から「不安定な記憶」を見つけ出す

「PEAKS」は、単純な正誤判定に加えて、学習中に蓄積される回答傾向などをもとに、各単語の記憶状態を分析します。これにより、「答えられたが、まだ十分に定着していない可能性がある単語」を特定します。

従来の判定PEAKSの判定
「正解」か「不正解」か「正解」だが記憶が不安定な可能性
正解数で学習進捗を判断回答傾向から記憶の質を分析
全ての「正解」を平等に扱う単語ごとに個別の定着度を推定
記憶の質を見極める

「この単語、実はあやふやかも?」という状態は、学習者自身では気づきにくいものです。「PEAKS」のアルゴリズムは、こうした「覚えたつもり」の単語を発見し、優先的に復習対象としてピックアップします。これは、認知心理学・脳科学で言われる「不安定な記憶」を安定化させるプロセスを、アプリがサポートする仕組みです。

一人ひとりに合わせた最適な復習タイミング

この分析結果に基づき、「PEAKS」は「適応型学習」を実現します。具体的には、記憶が不安定と判断された単語を、学習者のレベルに応じて適切なタイミングと頻度で繰り返し出題します。これにより、短期的な正解数の増加ではなく、長期的に「必要なときに思い出せる」記憶の定着を目指します。

さらに、学習の進捗やスコアに応じて、問題の難易度も自動調整します。常に学習者にとって「簡単すぎず、難しすぎない」最適なチャレンジを提供することで、退屈や過度なストレスを感じることなく、集中力を保ったまま学習を継続できる環境を整えています。

  • 回答データを多角的に分析し、記憶の定着度を予測
  • 「覚えたつもり」の単語を特定し、優先的に復習
  • 個人の習熟度に合わせた出題で、効率的な記憶の定着をサポート

こんな英語学習者にこそ試してほしい

新しい英単語学習アプリPEAKSは、すべての学習者に向けて開発されていますが、特に次のような悩みや課題を持つ方にとって、その効果を強く実感できるかもしれません。

あなたに当てはまる?
  • 単語帳やアプリの4択問題では正解できるのに、試験の長文読解や英会話の場面では意味がパッと出てこない。
  • TOEICや英検の語彙問題対策をしているが、覚えたはずの単語が本番で思い出せず、スコアが伸び悩んでいる。
  • 一度は正解した単語なのに、しばらく経つとまた忘れてしまう。「本当に覚えている単語」と「覚えたつもり」の区別がつかない。
  • 復習すべき単語が多く、どの単語から手を付ければ効率的かわからず、学習が非効率に感じる。
  • 自分の学習状況に合った難易度で英単語を学びたい方
  • 認知心理学や脳科学の知見を取り入れた学習方法を試したい方

これらの課題は、「選択肢に依存した表面的な理解」「記憶の定着度合いの見極め難さ」に起因することが多いと言えます。PEAKSは、こうした「覚えたつもり」の状態を科学的に解消することを目指して設計されています。

各悩みに対するPEAKSのアプローチ
  • 4択は解けるが本番で出てこない方 → 2段階出題法で、選択肢を見る前に自力で「思い出す」練習を強制的に行います。これにより、試験や会話で必要な「自力想起」の力を鍛えます。
  • 資格試験の語彙定着に課題がある方 → 単純な正誤だけでなく、回答傾向から記憶の「質」を分析し、定着が不十分な単語を重点的に復習させます。試験本番で確実に使える語彙力を養成します。
  • 「覚えたつもり」から脱却したい方 → 脳科学に基づくアルゴリズムが、あなた自身も気づいていない「不安定な記憶」を見つけ出し、確実な長期記憶へと導く学習をサポートします。
  • 復習の優先順位がわからない方 → 学習分析画面で、単語ごとの記憶状態を確認できます。どの単語から優先的に復習すべきか、判断しやすい設計になっています。
  • 自分のペースに合わせて学びたい方 → これまでの学習結果に応じて出題難易度を調整します。簡単すぎず、難しすぎない問題を提示することで、集中しやすく、継続しやすい学習体験を目指しています。
  • 科学的な学習法に興味がある方 → 認知心理学で重要視される「想起練習」をアプリに実装。単なる暗記ツールではなく、学習科学に裏打ちされたメソッドを体験できます。

従来の単語帳や一般的な学習アプリでは物足りなさを感じ、より深く、確実な定着を求める中級者以上の学習者にも、そのコンセプトは大きな価値を提供するでしょう。

アプリの基本情報と今後の展望

脳科学の知見を取り入れた英単語学習アプリ「PEAKS」は、株式会社DERIGINOと合同会社Monelloにより共同開発されました。iOS専用アプリで、基本無料で利用を開始できます。2026年7月23日にリリースが発表されています。

PEAKSの基本情報
  • アプリ名: PEAKS(ピークス)
  • 提供企業: 株式会社DERIGINO、合同会社Monello
  • 対応端末: iPhone (iOS)
  • 利用料金: 基本無料(アプリ内課金あり)

開発を担った両社の役割は、神経科学技術の社会実装に取り組むDERIGINOが学習体験の設計や記憶状態の分析方法を、アプリ開発会社のMonelloがiOSアプリケーションの実装を担当しました。科学的な知見と使いやすさの両立を目指した共同開発です。

ユーザーはApp Storeからアプリを入手できます。公式ウェブサイトでは、サービスについてより詳しい情報が得られます。

発表によれば、今後はユーザーからのフィードバックやアプリ上の学習データに基づいて、出題方法や記憶状態の分析、難易度調整、ユーザーインターフェースなどの継続的な改善を進める方針です。

英単語以外の学習領域への応用も視野に

将来的には、対応する英単語コンテンツの拡充に加え、英単語以外の学習分野への応用も検討されています。

このアプローチは、例えば歴史の年号や化学の元素記号など、他の暗記学習にも応用できる可能性を示しています。両社は、認知心理学や脳科学の知見とソフトウェア技術を組み合わせることで、一人ひとりの学習状態に適応する新しい学習体験の社会実装を目指しています。

関連リンク

本記事は「株式会社DERIGINO」が配信したプレスリリースを元に執筆しています。

著者プロフィール

大学受験・英語資格試験塾講師。大学時代にアメリカへ1年間留学。卒業後は海外書籍を取り扱う出版社で編集職に6年間従事した後、英語教育の現場へ転身。大学受験生向けや、社会人の英語資格試験対策の講義を担当し、実践的で分かりやすい解説に定評がある。出版社時代に様々なジャンルの英語書籍を担当した経験から、法律から工学まで業界特有の英語表現やビジネス英語に関する幅広い知識を持つ。また、二児の母という立場から、実体験に基づいた子どもの英語教育に関する発信も行っている。

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